日本時間で2021年9月15日にApple Eventが開催され、Appleの新製品4つが発表されました。今回は、その4製品が学校現場に与える影響について考察してきます。
発表された4製品とは?
この4製品です。詳しくはリンク先をご確認ください。では、それぞれ見ていきましょう。
iPad(第9世代)
主な変更点
- ディスプレイがTrue Toneに
- チップがA12からA13に変更
- ストレージ容量変更
- フロントカメラ強化
- 価格が微増
影響が大きそうな変更点を詳しくご紹介しましょう。まず、チップがA13に変更になりました。元からサクサクでしたが、チップがさらに強化されています。現行のiPad Air(第4世代)がA14、今回発表されたiPad miniがA15ですので、やや見劣りしますが十分な性能です。
次にストレージ容量が変更になり、第8世代が32GB,128GBだったのが第9世代になり64GB,256GBになりました。最近のアプリは容量が大きく32GBだとカツカツになりがちだったので、最低ラインが64GBになったのは、納得の変更です。ただ、ストレージ容量が変更になったためか、価格は第8世代32GBが¥38,280(税込)だったのに対し、第9世代64GBが¥39,800(税込)と微増しています。
学校現場に与える影響
iPadシリーズのなかでコスパが最高な無印iPadです。学校で使う情報機器がiPadの場合、ほぼ間違いなく来年度新入生はこの第9世代のiPadを使うことになります。ただ、第8世代と目立った変化はありませんので、指導者からすればやることやできることに変化はありません。ここは学校裁量ですが、ストレージ容量の選択肢が変わり、32GB→64GBにするとオフライン下での活動がやりやすくなり、128GB→64GBにすると価格が安くなるので、学習者にはメリットがあります。
フロントカメラの性能が向上していますので、オンライン授業等で自分の顔が以前より綺麗に写ります。しかし、元から割と鮮明に見えていましたので、特にプラスではありません。
チップがA12からA13に変更になりましたが、学校での活動ぐらいではその差は分からないでしょう。高負荷な学習アプリを第8世代と並べて使って、やっと気づけるレベルだと思います。
第8世代同様にApple Pencil(第2世代)には対応していません。第1世代やサードパーティーのペンでも十分ですが、スムーズな充電や書き心地は第2世代に劣りますので、今後に期待ですね。
iPad mini(第6世代)
主な変更点
- ディスプレイが8.3インチへ大型化
- A12チップからA15チップへ
- アウトカメラ・インカメラともに強化
- 5G対応
- Apple Pencil(第2世代)に対応
- 300gを切る軽さ
- トップボタンにTouch ID
- LightningからUSB-Cに
- 横向きスピーカー
- カメラが出っ張った
今回の発表で一番進化したのがこちらです。今までは無印iPadの小型版といった感じでしたが、一気にiPad Air(第4世代)に寄せてきました。
嬉しいのはApple Pencil(第2世代)に対応したことですね。iPadのときにも書きましたが、使い勝手が格段に素晴らしいです。また、iPad Air(第4世代)やiPad Proを使っている人ですと、ペンが1本で良くなるのがいいですね。また、コロナ禍でのでマスクをする機会も多く、FaceIDよりTouchIDの方が都合が良く、充電もみんな大好きtype-Cになっているので好感度が高いです。
唯一の欠点はカメラが出っ張ってしまったことです。今までは背面がフラットで美しかったのですが、カメラの強化により、凸っと飛び出してしまいました。iPad miniにカメラ性能は期待していないので、フラットだったら満点だったのになーと思っていますが、
学校現場に与える影響
学習者がiPad mini を学校でメインに使うことは画面サイズ的にはありませんので、第6世代の登場もほぼ影響ありません。指導者側はiPad mini をサブ的に使うことで結構利便性が上がります。
なんと言ってもApple Pencil(第2世代)に対応したのが素晴らしいですね。指導者側の使うiPadは無印iPadではなく、iPad Air(第4世代)か11インチiPad Pro(第3世代)をオススメしていますので、二刀流しやすくなりました。私の場合、教材の出力と板書計画を同じiPadでやっていますので、教材を出力しながら板書計画を見ることができず、苦労しています。大変ですが、そんなときは板書を暗記します。そこでこのiPad mini をサブ的に運用し、板書計画を見る方で使えば格段に授業がしやすくなります。
また、その重量の軽さから通勤のときはiPad miniの方が使い勝手がいいです。wifiモデルの比較で、iPad(第9世代)が487g、iPad Air(第4世代)が458g、iPad mini(第6世代)が293gですので、持ち運びを考えれば圧倒的に軽いです。
指導者の1台目のiPadとしてはおすすめできませんが、2台目のiPadとしてはかなりおすすめできますね。
Apple Watch series7
主な変更点
- ディスプレイが20%大型化
- ディスプレイの耐久性強化
- ヘルスケア機能の充実
- 充電の高速化
- 自転車転倒機能
series6から正当進化と行った感じでしょうか。大きな変化はありませんが、全体的に機能が向上しています。私もAppleWatchを使用していますが、今までの画面では若干操作しにくく、ディスプレイにも傷がついていますので、ディスプレイの大型化と耐久性強化は期待がかかります。
学校現場に与える影響
学習者にはオススメしません。試験のときなど、通信機能がある時計(スマートウォッチ)は着用や持ち込み不可になることが多く、むしろリスクがあります。試験の時は別の時計を使うのも面倒ですしね。
指導者側は時計としての機能だけでなく、ストップウォッチやアラーム、時間割の確認などをApple Watchで行うことができます。また、家庭からの急な連絡や、仕事で使っているコミュニケーションアプリの通知を受けることもできるので、気づかなかったということが激減します。AppleWatchがあると、日頃の仕事の効率が向上しますのでオススメです。
ただ、series7になったからと言って、学校現場で活用できることが増えたわけではありません。日常使いにおいてはseries7の有用性は感じつつも、価格から考えるとApple Watch SEで良いと思います。
iPhone 13 & iPhone 13 Pro
主な変更点
- カメラにシネマティックモード追加
- 手振れ補正の強化
- A14チップからA15チップに
- バッテリー強化
- 64GBモデルを廃止し、128GBモデルから
iPhoneは一体どこへ向かっているのでしょうか。電話もできるカメラを目指しているのではと錯覚してしまうぐらい、今回はカメラ推しでした。既存の機能の強化を中心とした、iPhone12からの順当な進化ではありますが、使用感に大きな変化はありません。
しかし、5G対応しているのはiPhone12シリーズと13シリーズだけですので、そろそろ5Gを体験したいiPhoneXシリーズやiPhone11シリーズを使っている人は乗り換えを検討するでしょう。
ちなみにiPhone 13には小型のminiもありますし、iPhone 13 Proには大型かつ電池容量の大きいMaxもあります。
学校現場に与える影響
そもそもスマートフォンを授業中に触ることがないと思いますので、学習者には何も影響はありません。指導者側もないでしょうし、私自身「仕事で」iPhoneを使うのはMacと連動させた図のスキャンぐらいです。今までのiPhoneのカメラ性能で十分綺麗にスキャンできていますので、ほとんど恩恵はないでしょう。
個人的には、現在使っている端末が5G非対応でありながら、立地的に5Gの恩恵を受けやすいポジションですので、かなり心惹かれます。あと1年待ってiPhone14に期待したい気持ちもあります。悩ましいところです。
最後に
世間では若干期待外れという評価が多かったがApple Eventでしたね。現地ではiPhone13の発表とともにAppleの株価が急落していました。個人的にはiPad miniだけでお腹いっぱいになる、満足なイベントであったと思います。
今回の発表では学校現場が劇的に変化するような製品はありませんでしたが、便利になる製品がいくつかありましたね。学校現場に無くてはならないものになりつつあるApple製品ですが、今後更なる技術革新で教育をより良いものにしてくれることを期待しています。