大阪府の子育ておすすめエリア(市・区別)を紹介する企画第9弾。今回は大阪市東住吉区・平野区・生野区を紹介します。
東住吉区
東住吉区にある私立学校
- 城南学園小中高〈中高は女子校〉
東住吉区にある公立高校
- なし
筆者の評価
大阪市の南側に位置し、区内には大規模公園の長居公園があることで有名です。長居公園内には大小様々なスタジアムがあり、多くのスポーツイベントが開催されます。また、植物園や博物館もあり教育面でも魅力的です。さらには公園内には複数箇所遊具や広場があり、休日などは小さな子ども連れファミリーが楽しんでいる賑やかな公園です。
教育
全国学力テスト(H30)の結果(筆者調べ)は大阪市24区中10位です。大阪市としては上位で、大阪府の平均も上回っています。ただ、場所によって差が激しい区になっていて、文教地区として有名な阿倍野区の近くだと結構ハイレベルです。
公立高校は無く、私立学校1校のみです。城南学園は保育園や幼稚園からあり、小学校・中学校・高校さらには保育大学や短期大学につながる総合学園です。ただ、中高・短大は女子のみですので、男子は区外に出なければなりません。
利便性
交通の便は、区の北側をJR大和路線、中央を北から南へ近鉄南大阪、西から東へOsakaMetro谷町線、区の西側をJR阪和線が通り選択肢は豊富です。ただ、全てが天王寺駅に集まりますので、乗り換えるためには一度天王寺駅へ向かわないといけないので意外と時間がかかります。そのため、区内の移動は自転車があった方が良いでしょう。
スーパーは区内に満遍なく散らばっていますので不自由はしませんし、比較的安いスーパーが多いので家計にも優しいです。大型商業施設はありませんが、すべての場所から天王寺を目指せる立地ですので、休日のお買い物は天王寺へ向かいましょう。
治安
治安の良さは大阪市24区中16位です。大阪市としては平均的ではありますが、目立った繁華街もないことを考えるとまずまずといったところでしょうか。
住宅価格
住宅価格は大阪市24区中14位です。大阪府としては高い方ですが、大阪市と考えると割安感があります。ただ、場所によってかなりの差があり、阿倍野区に近い側は教育面でも好成績で住宅価格は高く、南の松原市や東の平野区に近づくにつれて住宅価格は安くなってきます。利便性の面ではどこも大差ないので、教育を意識するなら住宅価格は高くなりますが、阿倍野区に近い側にすることをオススメします。
平野区
平野区にある私立学校
- 天王寺学館〈通信〉
平野区にある公立高校
- 大阪教育大学附属平野小中高〈国立〉
- 東住吉〈普通・芸能文化〉
- 平野
- 東住吉総合〈総合〉
- 長吉〈総合〉
筆者の評価
大阪市の南東に位置する区で、歴史的な町屋や寺院が多くある街です。コスパが良い街としても有名でファミリー層には人気がある街になります。
教育
全国学力テスト(H30)の結果(筆者調べ)は大阪市24区中16位です。大阪市の平均をやや下回ってしまいました。極端に低いというわけではないので及第点ではないでしょうか。
高校は全日制の私立こそありませんが、国公立はほどほどに充実しています。注目は大教大平野でしょう。大教大系列で唯一幼稚園も設置していますので、最長15年間同じところに通い続けることが可能です。レベルも高く、この辺りでは人気の学校です。ただ高校からとなると定員が極端に少ないので、選択肢には入りにくいです。
定員の少ない大教大平野を除くと、偏差値帯は低~中の学校になりますので、選択肢はあまり多くありません。
利便性
交通面では、JR大和路線とおおさか東線、OsakaMetro谷町線が利用可能です。しかし、やや手薄な地域がありますので、他の大阪市のようにどこでも便利とまではいきません。
最近OsakaMetroMaaSという、オンデマンドバスのサービスが始まっています。時刻表や運行経路のない運賃が定額のバスで、予約してタクシーのように使えます。しかし、エリアが決まっていますので、指定の場所から乗車と降車する場所を選ばなければなりません。OsakaMetroの地下鉄がカバーしきれない平野区と生野区で利用可能な注目のサービスです。
買い物面ではかなり便利な区になっています。スーパーの数では大阪市の中で最も多い区(北区と並んで1位タイ)になっていて、価格も良心的なものが多いです。大型商業施設も多く、イオンタウン平野・イオン長吉店・イオン喜連瓜破駅前店とイオン系列が大量出店しています。ファミリー層を中心に、日ごろの買い物には最良な環境です。ただ、若者向けや高級志向の店はあまりないので、天王寺に行くことをオススメします。
治安
治安の良さは大阪市24区中17位です。繁華街を含んでいないことを考えるとやや心配な順位ですね。道幅が狭いエリアも多く、大通りは交通量も多いのでそちらの面でもやや心配があります。
住宅価格
住宅価格は大阪市24区中22位と、大阪市の中ではかなり割安感があります。大阪府で見ると高槻市と同じぐらいです。とはいっても、高槻市は平均価格を押し下げるような山に近い物件もありますので、駅近で考えれば平野の方がお得感があります。
教育や治安面でやや心配なところはありますが、利便性の面ではかなりコスパが良い区でファミリー層に人気のある区になっています。
生野区
生野区にある私立学校
- 大阪偕星高
- プール学院中高〈女子〉
- 金光藤蔭高
生野区にある公立高校
- 勝山
- 大阪わかば
- 桃谷
- 市立生野工業〈工業〉
筆者の評価
昨今の韓流ブームで生野コリアンタウンが観光地として人気です。
教育
全国学力テスト(H30)の結果(筆者調べ)は大阪市24区中20位です。地域柄、外国にルーツのある家庭が多い地域ですので、学力テストは苦戦傾向にあります。この傾向は浪速区・西成区も同様ですね。
高校は選択肢が豊富そうに見えますが、偏差値帯はやや下の方に偏っています。しかし、文教地域として有名な天王寺区や阿倍野区と隣接していますので、高偏差値帯の学校であればそちらまで通うと良いでしょう。
利便性
交通の便は、区の西側にJR大阪環状線、北側に近鉄大阪線、東側にOsakaMetro千日前線が通ります。また、区内を通りはしませんが、南側にJR大和路線がありますので東部市場前駅を利用可能です。天王寺と難波にアクセスが良い区になっています。
区の周辺部分に路線が多いのですが、区の中心部はやや手薄です。しかし、区の中心には大きな道路である今里筋が通っていますので、車が利用できるなら便利だと思います。また、平野区と同様OsakaMetroMaaSのオンデマンドバスのエリアですし、いまざとライナーというバスも通っています。(元は今里筋線の延伸計画(東成区~生野区~平野区)があったのですが、採算性がないと計画中止になりました。そこで登場したのがいまざとライナーです。)
買い物面では、大型商業施設こそありませんがスーパー等は充実しています。どこかに偏っているというわけでもありません。注目は激安スーパーとされるスーパーが区内のスーパーのほぼ半数を占めることです。家計にはかなり優しい区です。
日ごろの買い物は区内で、休日は天王寺や難波へというのがこの区の生活になると思います。
治安
治安の良さは大阪市24区中9位です。これは私も予想外でした。繁華街として鶴橋や生野コリアンタウンを含み、ごちゃごちゃした印象のある生野区ですが、治安は大阪市でも良い方です。
住宅価格
住宅価格は大阪市24区中20位です。やはりマイナスイメージが多いためか住宅価格は利便性の割にかなり安いです。駅徒歩10分圏内の新築2階建ての物件でも4000万円ほどですので、利便性を考えると破格です。目立ったマイナスは教育ぐらいですので、そこをどう見るかが判断の分かれ目です。
最後に
今回は大阪市の南側にある3つの区を紹介しました。大阪都構想では、これらの区は天王寺区(天王寺区・阿倍野区・東住吉区・平野区・生野区)としてまとめられる予定だった区だけあって、天王寺へのアクセスは抜群ですね。繁華街こそありませんが、区内で日ごろの買い物は完結できるので、平日と休日のメリハリある暮らしができると思います。