大阪府の子育ておすすめエリア(市・区別)を紹介する企画第13弾。今回は松原市・藤井寺市・羽曳野市を紹介します。
松原市
松原市にある私立学校
- 阪南大学高
松原市にある公立高校
- 生野〈文理〉
- 大塚〈普通・体育〉
- 松原〈総合〉
筆者の評価
大阪市と大和川を挟んで南にある市で、大阪府のほぼ中央に位置します。市に観光名所はあまりなく、遺跡がたくさんありますが、あまり人気はありません。ただ、近年その立地の良さが再注目を浴び、大型のショッピングモールがオープンするなど、勢いを感じられる市です。
教育
チャレンジテスト(令和3年度)の結果は大阪府で23位(36自治体中)です。大阪府の平均からはやや離されてしまいました。高校は規模の割には意外と豊富で、偏差値帯もうまく棲み分けています。注目は生野高校でしょう。大阪府立高校TOP10の証である文理学科を有しているこのあたりの地域では有数の超進学校です。
利便性
交通面では、近鉄南大阪線が通るのみで、準急停車駅は河内松原駅のみでその他は各駅停車になります。駅近物件であれば、各駅停車でも10分強〜20分弱で大阪阿部野橋(天王寺)に出れますし、河内松原なら準急で10分です。天王寺方面へのアクセスは良好ですね。とは言っても、市内に電車は1路線のみで大和川の近くは駅から遠くかなり不便ですので車や電動自転車は欲しいところですね。
買い物面では、駅周辺や大きな道路の近くにスーパーが多くあるのが特徴です。特に市の北東あたりは駅から遠くスーパーも少ないので不遇ですね。松原市に住むなら、他市よりも顕著に駅近物件の交通面・買い物面の良さが目立ちます。
大型商業施設はイズミヤ松原店、カナートモール松原、そしてセブンパーク天美の3店舗です。特に注目はセブンパーク天美で2021年11月にオープンしたばかりです。もはや観光スポットにもなりえるぐらいの大規模な空間でイベントなども行われます。大注目の施設が松原市に誕生しました。
治安
治安はこの規模の市としてはやや悪く、やや気がかりですね。田尻町(関空含む)や大阪市淀川区と同程度です。
住宅価格
住宅価格は大阪府内では比較的安い方で、交野市や泉大津市と同程度です。天王寺にかなり近いのにこの価格は魅力的ですね。ただ、利便性が向上してきているので地価は上昇傾向です。天王寺へのアクセスを重視しつつ、安く住みたいのであればオススメのエリアになります。
藤井寺市
藤井寺市にある私立学校
- 四天王寺東中高
- 緑涼高
藤井寺市にある公立高校
- 藤井寺
- 藤井寺工科〈工業〉
筆者の評価
松原市の東に位置する市で、大阪の市の中では最も小さくコンパクトな市です。そのコンパクトさを活かした小回りの良さが魅力で、車がなくても徒歩や自転車で何とかなるというのを売りにしています。観光スポットとしては古墳などの歴史遺産がありますが、あまりパッとしないというのが現状です。逆に言えば、落ち着いた静かな暮らしができると見ることもできます。
教育
チャレンジテスト(令和3年度)の結果は大阪府で27位です。前回が大阪府ワースト2(35位)だったのですが、今回は挽回してきました。高校も市の規模の割には多い方ですが、偏差値帯はややしんどいですね。中〜低偏差値帯の学校が多くなります。
利便性
交通面では、近鉄南大阪線と近鉄道明寺線が通ります。南大阪線は天王寺方面へのアクセスが良く、藤井寺駅でしたら15分程度で大阪阿部野橋まで行くことができます。道明寺線は大和川を渡り、柏原市につながる路線です。柏原市自体はそこまで利便性の良いところではありませんが、そこからJR大和路線に乗ることができます。
買い物面は藤井寺駅周辺が大激戦区です。コンパクトシティが売りではありますが、やや偏りが見られ買い物が不便なエリアも見られます。大型商業施設は1つのみで、イオン藤井寺ショッピングセンターが藤井寺駅前にあります。結構大規模ですので、藤井寺市に住むなら藤井寺駅周辺の一択感がありますね。
治安
治安は大阪府としては平均的で大阪市港区や和泉市と同程度です。良くもなく悪くもなくですが、特段気にする必要はないでしょう。
住宅価格
住宅価格は大阪府では平均的な価格帯で、東大阪市や摂津市と同程度です。コンパクトシティのため、どこに住んでもある程度利便性があるので、地価が下がりにくいというのもありますが、利便性がより高い東大阪や一応北摂の摂津市、近隣の松原市や羽曳野市と比較するとやや割高感は感じてしまいますね。コンパクトシティにどれだけ魅力を感じるかが分かれ目です。
なお、地価は下落傾向です。もう少し待てばコスパの良い街になれるかもしれませんね。
羽曳野市
羽曳野市にある私立学校
- なし
羽曳野市にある公立高校
- 懐風館〈専門・普通〉
筆者の評価
藤井寺市の南に位置する市で、世界遺産の百舌鳥古市古墳群の東の方の古墳があることでも有名です。しかし、それぐらいしか観光名所はなく、百舌鳥古市古墳群としても堺市にある大仙古墳の方が人気があるという観光面では不遇な街です。そのため、市は落ち着いた静かな住宅街になっていますので、住む分にはむしろメリットです。
教育
チャレンジテスト(令和3年度)の結果は大阪府で24位(36自治体中)です。大阪府の平均やや下といったところでしょうか。高校は公立高校が1校のみとかなり寂しいですね。近鉄南大阪線沿いや隣の富田林市には高校が豊富ですので、羽曳野市で住宅探しをする場合は南大阪線や富田林へのアクセスの良さを考えた方が良さそうです。
利便性
交通面では、近鉄南大阪線と近鉄長野線が通ります。古市駅は急行停車駅ですので、20分前後で天王寺方面へアクセスできます。とは言っても市の南西のエリアは駅からはかなり距離がありますので、車は欲しいですね。大阪府立大学(2022年度より大阪公立大学)の羽曳野キャンパスがそのあたりにありますが、立地の悪さからか2025年までに閉鎖予定です。
買い物面では意外と優秀で、駅周辺でなくてもスーパーがしっかりとあります。市の人口の割にはかなり手厚く感じるでしょう。羽曳野市の意外な魅力ですね。大型商業施設は古市駅前の近鉄プラザ古市の1店舗のみです。そこまで大きくないので、隣の藤井寺市に行くか天王寺まで出ることをオススメします。
治安
治安は大阪府でも平均〜やや良く、貝塚市や忠岡町と同程度です。ここまで大阪市から離れると落ち着きが出てきますね。比較されやすい藤井寺市より犯罪件数は良い数字になっています。
住宅価格
住宅価格は、大阪府でも安い方で泉大津市や大阪狭山市と同等です。利便性でやや劣るのでこの価格も妥当ですね。近隣の藤井寺市と比較して、利便性では劣るものの住宅は広々と大きな家に安く住めるというのが羽曳野市の良さです。
最後に
今回は南河内に属する3つの市をご紹介しました。どの市も近鉄南大阪線が大阪市内へとつなぐ唯一の路線になります。駅から遠く不便な土地もありますので、そこはしっかりと吟味し、車の利用も検討したいところですね。(それでも、子どもの通学のことを考えると駅近推奨です。)