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私立学校に塾の役割を期待するな!

高校を選ぶときに、「公立高校+塾」にするか「私立高校で塾なし」にするか悩んでるんですけど、どっちがいいですか?

えっ、もしかして私立学校に塾の役割を求めてます?

えっ!私立高校の学費って高いじゃ無いですか!それぐらいやってくれると思ってたのに!

その気持ちも分からなくはないのですが、私立学校にそこまで期待してはいけませんよ。では、今回は塾に焦点を当ててお話ししましょう!

学校と塾の役割

まず、学校と塾はライバル関係にありませんし、それぞれ役割が違います。まずはそれぞれの役割を見て行きましょう。

学校の役割

・新しい知識や技能を教える

・集団の中での人間関係の育成

・道徳心の育成

・行事等の特別活動を通した人間形成

他にもありますが、ざっとこれらが挙げられます。学校で学ぶべきは学力面だけではありません。人として成長するための総合力を育成しようとしていますので、指導内容は多岐に渡ります。

次に塾の役割は以下の通りです。

塾の役割

・学校の授業についていけない生徒への補助指導

・学校の授業では満足できない生徒への発展的な内容の指導

すなわち、学習面に特化しているのです。塾の中でも、前者は個別指導がおすすめで、後者は集団指導でもOKです。

あと、塾の利点としてはある程度強制力をもって勉強をさせることが可能なことと、自習室など勉強できる場所が用意されていることです。自分では勉強できない、自宅では勉強できない子どもには塾が向いています

逆に言えば自分で勉強できて、(しかも受験期には妥協せず追い込めて、)学校の授業レベルに満足できるのであれば塾は不要です。このあたりはお子さんの状況を見て判断していただければと思います。

学校の授業+独力で国公立大に合格した生徒は結構な数いますよ!

塾に通う子どもの割合

平成30年度文部科学省調査の「子供の学習費調査」によりますと、塾に通う子どもの割合は以下のようになっています。

  • 公立中学校 68.9%
  • 私立中学校 54.8%
  • 公立高校 35.4%
  • 私立高校 43.6%

私立中学校で公立より割合が少ないのは、中高一貫校で高校に進学できる保証があるからでしょう。意外だったのは公立高校の塾に通う生徒の少なさです。数値上では、私立高校+塾という家庭が多いという結果になっています

これには私立高校に通う生徒の方が経済的に余裕がある割合が高く、塾に通わせる余裕があることと、そもそも大学に進学しない生徒の多くが公立高校に通っていることが原因だと考えられます。

学校は教えてくれないわけでは無い

前述の塾の役割を学校ができないわけではありません自分から聞きに行けば教えてもらえます。私のもとにも放課後や休み時間は多くの生徒が質問に来ています。しかし、自分から動かなければなりませんし、発展的な内容でしたら自分で教材を用意する必要もでてきます。これができないようであれば、強制的に勉強する環境にある塾が選択肢に入ります。

また、学校の先生は放課後も会議や部活動などで多忙ですので、確実に教えてもらえるとは限りません。自分と先生の時間が合わずに不自由に感じることも多いと思います。

学校の先生としても来るかどうか分からない生徒を待つわけにもいきませんので、帰れる日はさっさと帰りたいと思っています。

学校の建前は「授業時数で十分足りている」

私立学校によって総授業時数は様々で、6限までの学校もあれば、7限や8限まで行う学校もあります。なぜ、このような差があるかというと、その授業時間数が学校の目標を達成するために必要な時間数だからです。学校としては、これで学力面は十分というのが建前です。それ以降の時間は学力以外の必要な力を伸ばそうと部活動であったり行事に力を入れています。

もちろん、これではこぼれてしまう生徒がいることも学校は把握していますので、欠点者に対して補習を行ったり、課題を出したりしてなんとか補おうとしています。しかし、これだけではさらに発展的な内容をやりたい生徒や、補習だけでは足りない生徒が出てきてしまいます。このニーズを満たしてくれるのが塾の存在です

学校としては、授業は大切ですが、授業だけが仕事ではないですからね。ある程度は補おうとするのですが、どこかで線引きをしないといけません。そこのもう一押しが塾の見せ所です。学校と塾はここでうまく棲み分けをしています。

塾の役割を担おうとする私立学校はある

しかし、経済的にカツカツで「公立+塾」か「私立で塾なし」を悩む保護者は結構な数いるのは事実です。そこの悩みを解決しようと、塾の役割まで果たそうとする私立高校は存在します。面倒見の良さを売りにする学校にこの傾向は強いです。

放課後には希望者対象の補習を実施したり、教員や大学生を監督者として教室や食堂を自習室として開放したり、様々な取り組みが行われています。学校によっては塾と連携して、講座を開講するところもあります。ただ、塾との連携の是非はあります。無料の代わりに一部の特進コースの生徒しか受講できなかったり(元々の費用は全生徒からの授業料等)、受講者から受講料を徴収したりしています。特に前者の場合ですと、特定の生徒の利益になる行為ですのでかなりグレーです。後者の場合でも、学校と塾の怪しい関係を疑ってしまいます。

また、夏期講習も準備されていますので、夏休みも学校がサポートしてくれますまさにいたれりつくせりです

私立で塾なしという選択肢を取りたい場合は、放課後や長期休暇もガッツリ指導しますよ!と広報している学校がおすすめです逆に言えば、そんなことを広報していない私立学校に塾のような役割を求めてはいけません

最後に

今回は塾に焦点を当ててお話ししました。塾に通わせるかどうかは、お子さんの志望校や自分で勉強を進められるかにかかっています。自分で勉強できて、学校の授業内容もあっているのであれば、さらに塾を追加する必要はないと考えています。塾をうまく活用して志望校合格を目指してもらえればと思います。

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