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公立と私立のメリット・デメリット(教員採用試験編)

今日は教員採用試験での公立と私立のメリット・デメリットを教えてください!

公立と私立では採用試験の方法も違います。どちらがあなたにとって合っているのかを考えながら見ていただければと思います。ちなみに前回の記事へは下のリンクからどうぞ。

公立と私立のメリット・デメリット(教員の働き方編)

公立の教員採用試験のメリット

大量一括採用

大量に採用されるので、一般的に倍率は私立に比べると低いです。特に小学校・中学校の理系科目・支援学校は倍率がかなり低くなっています。そのため、最上位の成績でなくても、ある程度上位に入ることができれば採用されます。公立を受験するときは、大量失点を防ぎ、安定して点数を稼ぐことが合格への近道です。

これが公立の最大のメリットです。年に一度の大チャンスを逃すと途端に厳しくなります。

採用試験合格=正規採用(教諭)

公立の採用試験は正規採用である教諭の採用試験です。そのため、採用試験の合格は終身雇用かつ毎年昇給がほぼ約束された教諭になれることを意味します。私立のように採用されたはいいがまだ非正規雇用といったことがないのが、公立の採用試験の良いところです。

公立の教員採用試験のデメリット

赴任校を選べない

合格はしたものの、どの学校に赴任するかはランダムですし、その発表も遅いです。自分がやりたい教育像があったとしても、それが実現できる学校とは限りません。全ては運任せです。

また、立地の面でもデメリットがあります。大阪府の場合、大阪府・大阪市・堺市・豊能地区の4種類の採用試験がありますので、ある程度家から近いところにしてもらえますが、引越しを考えている人は難しい決断を迫られます。4月からの授業準備など、学校が分からないとなかなかやりづらいものがあります。

1年で1回しかチャンスがない

公立の教員のみで考えていると、次の正規採用のチャンスは1年後です。不採用となった場合、講師登録をして採用されるか分からない不安な日々を年度末まで過ごすか、私立学校の採用試験を受けることになります。ただ、公立の採用試験後に採用試験を行う私立学校は常勤講師での採用がほとんどです。私立としては、優秀な人を公立より先に確保したいので、専任教諭の募集は公立より先に行われる傾向にあります。流れとしては、以下の通りです。

春〜夏
私立の計画的な募集
専任募集は並だが、常勤講師が多い
夏〜秋
公立の採用試験
全て教諭
秋〜冬
私立の補充的な募集
専任募集はかなり少なく、ほぼ常勤講師か非常勤講師
年度末
私立の緊急性のある募集
ほぼ非常勤講師

一度自己都合退職すると、再度の合格はほぼ不可能です

かなり稀な例ですが、これは私の実体験です・・・。私、公立に採用されておきながら、自己都合で退職したことがあるんです。

私は公立の採用試験に合格して正規の教諭として働いていました。しかし、その校種が合わず、違う校種に鞍替えしようと一度退職し、公立を再受験したことがあります。どれだけ筆記試験で満点近い点数を取ろうと、面接で極端に低い点数をつけられて採用に至りませんでした。(しかも3回も!)そんなに面接は苦手ではないというか、むしろ得意な方なのに・・・。

その後、公立より圧倒的に楽で給料の良いホワイト私学に採用が決まり、今となっては落としてくれた面接官に感謝してます。

私立の教員採用試験のメリット

赴任校が分かった上で受験できる

自分に合った学校を選べます!学校によって、受験指導に力を入れているところもあれば、部活動などの課外活動に力を入れているところもあり、様々です。自分の働きやすい学校や、やりたい教育ができる学校を選んだ上で受験できるので、ミスマッチは防げます。

あと、長い期間働く上では通勤時間も大切です。住んでるところからの距離も考慮した選択ができますので、公私共にバランスの取れた住宅探しができるのも特徴です。

学校ごとに実施するのでチャンスが多い

学校が独自に採用をするため、同時進行で複数の学校を受験できるので、チャンスは広がります。複数受験することで、実力が発揮し、採用に繋がる可能性も上がることでしょう。また、複数の内定をもらえればより良い条件のところを選ぶこともできます。その分、日程的な負担は大きく、毎週土日が試験みたいな状況になることもありますが、食べていくためには頑張るしかありません!

教職教養や一般教養の勉強が必要ない

公立の試験では必要な教職教養や一般教養ですが、私立では試験に課してないところが大半です。私立一本に絞ると教職教養と一般教養をやらなくていいので、自身の教科の勉強に集中できます。そもそも「働き始めると教職教養と一般教養ってほとんど使わないよね…。」って私は思っています。

教職教養が苦手で公立の1次試験をなかなか突破できないという方は、私立を検討してみると良いでしょう。しかし、その分教科の試験は熾烈です。きっちりと仕上げていきたいですね。

書類選考がある

はなから可能性が無いものは筆記試験すら受けさせてもらえません。逆に言えば無駄な時間を使わなくて済むので、私はメリットだと思っています。可能性が薄いのに何度も学校へ足を運ばなければならないのは面倒ですよね。なお、書類選考の通過率は学校によって様々です。問題なければほとんど通すところもあれば、経歴などから可能性が薄い人を一気に落とすところもあります。

受験条件に学校での説明会参加を入れておいて、わざわざ足を運ばせておきながら、書類選考で落とした学校はいい根性してるなと思いました!それからは説明会参加が条件のところは敬遠しています!

私立の教員採用試験のデメリット

採用数が少ない

ほとんどの場合が1人から若干名。すなわち、受験者の中でトップにならなければなりません。そこで鍵を握るのが模擬授業です。ここで印象に残るような会心の授業ができれば、採用にグッと近づきます。公立とは違い、多少攻めないと埋もれてしまいます。

ちなみに合格者なしというのもありますので、トップでも基準を越えないと採用に至らないこともあります。学校にもよりますが、専任の壁は結構高いです。

学校を絞ると毎年募集があるとは限らない

「ホワイト私学だけ受験するんだ!」と学校を絞ると、一年間で募集がないということもあり得ます。自分の教科に募集があるかは内部情報を知らない限り完全に運ですので、大学生や来年度契約更新できるか怪しい講師陣が、ホワイト私学だけに絞ると来年度無職の可能性があります。

そもそも、ホワイト私学は辞める人が極端に少ないので、募集は少なめです。一人だけで調べるのではなく、知り合いに声をかけるなどして、積極的に情報収集を行うとよい話が転がり込んでくることもありますので、日ごろから人間関係は大切にしたいですね。

年齢制限がある学校もある

公立も一応年齢制限がありますが、私立ではより厳しい制限を設けているところがあります。知っている例ですと、30歳未満でないと受験できない学校もあります。募集要項をよく読んでおきましょう。

理由は「キャリア形成のため」としていますが、経験豊富な人を入れて、今の状態をかき回されたくないという理由もあるでしょう。若いうちから自分の学校の色に染めたいという思惑があります。私立の教員を考えるのであれば、年齢が若いうちに動き始めたほうが選択肢は広がります。

採用されたからと言って、専任とは限らない

公立のように正規雇用の教諭だけの募集ではなく、私立では正規雇用の専任教諭の他に非正規雇用の常勤講師・非常勤講師も教員採用試験を経て採用となります。そのため、採用=専任とは限りません

また、専任募集と常勤講師の募集を同時にやり、あたかも「専任の可能性もあるよ」的な匂いを醸し出す学校があります。そうでもしないと応募者が集まらない学校です。採用されても常勤講師の可能性が高いです。数年常勤講師として働いてから、専任にするか決めるようなところが多いです。

このパターンの募集は大きく2種類あります。まずは完全なるフェイクで、基準に満たなかったとして専任対象者なしとし、優秀な教員を常勤講師として安く採用するパターン。もう一つは内部の常勤講師を専任にする選考を同時に行うことで、専任の採用もしてるという建前にするパターン。どちらも闇が深いですね。

最後に

今回は教員採用における公立と私立のデメリットでした。教員として働くためには採用試験を突破しなければなりません。公立と私立の採用試験は似ているようで色々と異なります。その違いをしっかりと理解した上で、自身が有利な条件で採用試験に臨んでいただければ、採用にグッと近づくと思います

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