大阪府の子育ておすすめエリア(路線別)を紹介する企画第3弾。今回は南海本線を紹介します。
南海本線
一気に南海本線とそれに連なる支線を紹介しようと思いましたが、思いのほか広大だったので数回に分けてご紹介したいと思います。まずは、本線です。
南海本線は難波から大阪の最南端の岬町、さらには和歌山県まで続くかなり長い路線です。大阪の南部へと延びる路線はJR阪和線もありますが、こちらは海沿いを進んでいくのが特徴です。
長距離路線の割には私立学校はかなり少ないです。大阪の南側は私立学校より公立の方が優勢なようです。高偏差値帯で注目すべき学校は私立なら清風南海、公立なら岸和田です。清風南海は難関国公立大学へ多くの合格者を出す超進学校で、大阪市より南のエリアでは最上位の存在です。岸和田高校は文理学科が設置される府立高校上位10校の1つです。大阪南部でより高いレベルの教育を受けられる学校を考えるのであれば、南海本線は最有力な路線になります。
南海本線にある私立学校
- 羽衣学園中高(羽衣)
- 清風南海中高(高石・北助松)
- 神須学園〈通信〉(岸和田)
- 秋桜高〈通信〉(貝塚)
南海本線にある公立高校
- 今宮(今宮戎・新今宮)
- 今宮工科(新今宮)
- 住吉商業(住ノ江)
- 高石(高石・北助松)
- 岸和田(岸和田・蛸地蔵)
- 貝塚(貝塚)
- 佐野工科(泉佐野)
- 佐野(泉佐野)
- りんくう翔南(樽井)
- 岬(みさき公園)
南海本線のおすすめの駅
天下茶屋
西成区ということで敬遠されがちな天下茶屋ですが、この辺りは比較的落ち着いています。そもそも、世間のイメージの西成区は新今宮あたりを代表する北側エリア(あいりん地区)だと思います。西成区の南側は治安が劇的に良いとは言いませんが、西成区として見れば良い方です。
交通の便では、南海本線の中では北側に位置していますので、難波方面へのアクセスも良く(天下茶屋~難波で4分)、さらには特急の停車駅ですので、南方向へも比較的短時間で移動できるのが良いところです。ラピートの停車駅でもありますので、関西国際空港までもすぐです!(※コロナのため、現在運休中です。本来であれば関西国際空港まで30分弱です。)
また、天下茶屋駅は南海高野線・OsakaMetro堺筋線(しかも始発駅!)も利用でき、すぐそばには阪堺電気軌道阪堺線やOsaka Metro四つ橋線も通るため、交通の便はかなり良好です。
買い物面でも優秀で、駅前にはイズミヤなどのスーパーや日用品のお店も豊富で買い物には困りません。さらにはすき家やケンタッキーなどの全国チェーンの飲食店も充実していますので、外食にも便利です。また運動施設としても、フットサル場まであるので、休日には賑わいがあるエリアになります。
3LDK以上の賃貸マンションの家賃相場は8.9万円と大阪市内でこの交通の便の良さを考えれば破格です。やはり西成区という住所になることを敬遠している感があります。コスパだけで言えばかなり良いエリアだと思います。
住吉大社
住吉大社と住吉公園に挟まれたエリアです。住吉大社側は住吉区ですが、住吉公園側は住之江区になります。歴史ある街で、車の交通量も少なく繁華街も無いのでたいへん閑静な住宅街で治安も良好です。大阪市内でこの落ち着いた環境を享受できる場所はそう多くありません。
ただ、日頃の買い物は駅周辺ではスーパーやコンビニの選択肢が少ないので、自転車や車を使って少し移動する必要があり、若干不便に感じるかもしれません。そもそも、駅周辺の土地のほとんどを住吉大社と住吉公園で占めているからなのですが。娯楽施設もありませんので、遊びに行くなら難波まで行きましょう。
交通面では普通電車しか止まりませんが、難波までは10分程度とそこまで離れていませんので大阪市方面へは問題はないでしょう。また、住吉大社側には阪堺電気軌道阪堺線も通っていますので、ゆっくりな路面電車ではありますが、天王寺方面へ行くのには便利です。
3LDK以上の賃貸マンションの家賃相場は8.5万円と特急停車駅でないことを考えるとやや高く感じますが、歴史ある神社の近くで落ち着いた静かな住環境を大阪市内で得れることを考えると妥当な範囲でしょう。
ちなみに、お正月など住吉大社の混雑シーズンは賑わいますのでその点は気にかけておきましょう。
堺
堺市堺区の中心にある駅で、堺市で見たら北西に位置するのが南海本線堺駅です。特急停車駅ですので難波までは10分で移動できるので大阪市内へのアクセスにも便利です。また、阪堺電気軌道阪堺線もすぐ東にあり、南海高野線もさらに東にありますので、複数路線選択できます。(南海高野線はやや遠いですが。)
駅前は商業施設が充実していて、大型ショッピングモールの堺プラットプラットがあり、無印良品やニトリなど多くの店舗が入り、日用品の買い物には困りません。駅前にこれほど大規模な施設があるのは魅力的です。こちらも娯楽施設は少ないので、遊びに行くには難波まで行かなければなりません。
便利なエリアだけあって住みたいと思う家庭も多く、駅周辺は住宅が密集していています。住宅街は道幅も狭く、一方通行が多いので車は若干不便に感じるかもしれません。
3LDK以上の賃貸マンションの家賃相場は9.1万円と南海本線の中ではややお高い印象です。しかし、南海線でも屈指の利便性と大阪市内へのアクセスのしやすさを考慮すると妥当な価格であると思います。
浜寺公園
駅名にもなっている浜寺公園が魅力的な堺市西区にある駅になります。浜寺公園に魅力を感じるかどうかがこのエリアに住むかどうかの分かれ目です。
浜寺公園の歴史は古く明治6年完成の日本最古の公園の1つです。名松100選にも選ばれたり、バラ園もあり自然豊かなところです。そしてお子さんに人気なのは巨大なウォータースライダーのある大型プールや野球・テニスなどができるスポーツ施設、乗り物好きの子どもも大喜びの交通遊園、そして家族で楽しむバーベキュー施設でしょう。浜寺公園には屋外での活動を楽しむには十分な条件が揃っていて、子どもを屋外でのびのびと育てたいと思う家庭にはピッタリです。
住環境としては、浜寺公園以外に目立った施設はなく、繁華街でもないので、駅周辺は閑静な住宅街になっていて、非常に静かな生活を送ることができます。
反面、交通の便はやや悪く、駅は特急どころか急行も止まらず、準急と普通電車のみです。しかし、難波までは最速で20分程度なので、ギリギリ及第点です。逆に特急が止まらないからこそ静かに暮らすことができると考えておきましょう。阪堺電気軌道阪堺線の浜寺駅前(始発駅)もありますが、南海本線と並行して進み、鈍行なので活用できる機会は少ないです。
買い物面はハッキリ言って不便です。駅前ですらスーパーが無く、飲食店も少ないので車が必須です。お隣の諏訪の森駅周辺ですとスーパーも多く、また前述の堺駅も車で行きやすいのでそこまで行くと良いでしょう。
3LDK以上の賃貸マンションの家賃相場は8.2万円で、利便性が悪い割にはしっかりとしたお値段です。ちなみに同様に浜寺公園の近くである隣駅かつ急行停車駅の羽衣駅の方が住宅価格は安いです。ただ、羽衣駅は高石市にあり、買い物面では浜寺公園駅同様不便です。
多少の不便さはあっても、静かな環境に住み、浜寺公園を最大限に活用した屋外派の家庭にはおすすめな駅になります。
岸和田
岸和田だんじり祭が有名な岸和田市にあり、この駅前の商店街を地車(だんじり)が駆け抜けていきます。岸和田城もあり城周辺から駅にかけては綺麗に整備されていて城下町の様相です。
大阪府でも南の方に位置する岸和田市ですが、特急停車駅ですので難波まで20分ほどで到着するので交通の便は問題ありません。駅前には商店街があり、飲食店やスーパーも充実していますし、少し離れたところには大型のショッピングモール(岸和田カンカンベイサイドモール)もありますので、日常の買い物も便利です。ただ娯楽施設はやや少ないので、難波まで出た方が良いでしょう。
3LDK以上の賃貸マンションの家賃相場は6.6万円と、特急停車駅でありながらこの価格はかなりお得感があります。利便性も高く、かなりコスパの良い駅ではないでしょうか。
住むにあたって気をつけたいのが地車(だんじり)が収納されている小屋の位置です。だんじり祭の季節になると夜な夜な練習が始まりますので、鐘と太鼓の音が結構響き渡ります。祭りを楽しめるのでしたら大丈夫でしょうが、祭りに魅力を感じない層には街の雰囲気に馴染めないかもしれません。(祭り抜きでもかなりコスパの良いエリアではありますが。)
だんじり祭があるエリアあるあるですが、子どもの遊びも独特です。キャスターボード(荷物運び用のコマ付きの板)についた紐を数名の子どもが引っ張って、1人がその上で団扇を持って飛び跳ねる遊びをしています。
なんてだんじり英才教育なんだ。
泉佐野
関西国際空港(関空)への玄関口になる駅で、泉佐野市にあります。関空からすぐですので、関空をよく使う人にはおすすめです。疲れた状態で関空から帰るのに、さらに長時間移動しないというのは結構苦痛です。泉佐野なら行きも帰りも快適に移動できることでしょう。あと、ふるさと納税で何かとお騒がせの市です。その税をどのように市民に還元されるかが期待されます。
特急停車駅ですが難波へは30分弱かかりますので、大阪市内への移動を考えるとこの駅までが南方向の限界だと思います。南海空港線も利用可能ですので、りんくうタウンへもすぐです。りんくうタウンについては、こちらの記事も参考にしてください。
大阪の子育ておすすめエリア(南海汐見橋線・高師浜線・空港線・多奈川線)特急停車駅ではありますが、まだまだ開発途上で自然が残るエリアです。スーパーは少なく感じるでしょうが、駅前から離れたところには業務スーパーがあるのと、コンビニは普通にあるので買い物の利便性は及第点です。コンパクトになんでも揃うわけではないので車はあった方が良いでしょう。
教育面でも大学へ自宅から通うことを想定すると、泉佐野までが南の限界だと感じています。高校までは南海本線に様々ありますが、大学はかなり選択肢が限られます。
泉佐野市の最大のメリットは住宅価格の安さです。3LDK以上の賃貸マンションの家賃相場は6.9万円とコスパはかなり良い方です。同じくコスパの良い岸和田駅と比較して自然が豊かですので、利便性の岸和田か自然の泉佐野かの選択になります。ネックは大阪市への距離ですので、そこさえクリアできればおすすめの駅になります。
岸和田もそうだけど、大阪の南の方って言葉づかいや気性が荒い印象があるんですけど、治安は大丈夫なんですか?
安心してください!治安は良くもなく悪くもなく大阪の中でも平均的ですよ。確かに方言が強くて言葉づかいにはビックリされるかもしれませんが、根本は優しい人が多いです!
最後に
今回は南海本線の子育ておすすめエリアをご紹介しました。特急停車駅を中心に交通の便も良いのが特徴ですが、まだまだ発展途上で買い物の利便性などはこれからといったところでしょうか。大阪の南は住宅価格も安く、コストパフォーマンスの高いエリアが多いですね。