PCっていろんな種類がありますけど、学校の先生ってどんなパソコン使ってるんですか?
そうですねー。実は学校によって微妙に違いますが、ほとんどの学校は指定のものをレンタルしています。スペックは時代によって移り変わっていますね。
へーそうなんですね。じゃあ自分では選べない感じですか。なんか残念ですね。
それも学校によりけりなんです!実は端末を選べる学校もありますよ!では、今回は学校の先生のPC事情についてご説明します。
ほとんどの場合は貸出
まず、ほとんどの学校(95%超えてるのでは?)では、学校からPCを借りて仕事をしています。学校を去るタイミングで学校に返すシステムです。私も今まで勤めてきた学校のほとんどが貸出ですし、公立なら全て、私立でもほとんどが貸出になるでしょう。
どのように使っているの?
基本的に1人1台です。そして持ち帰りはできませんので、学校内だけでの作業になります。もし、自宅でも仕事をするような状況だと、家用のPCを用意しなければなりません。もちろん自費です。
ただ、私の経験では1校の公立学校だけ4人で1台の端末という劣悪な環境がありました。もちろん取り合いですので、ほとんどの先生が自前(もちろん自費)で端末を用意していました。まあ、その1校だけでしたので、そのほかの学校はその学校を出るまでは自分のPCとして仕事に使うことができます。
どんなPCを使っているの?
気になるのはここだと思います。端末の決定権は公立の場合はその学校を管轄する自治体(教育委員会)、私立の場合は学校(学校法人)にあります。現場の声が届くこともあれば、スルーされることもあります。
使用するPCはほとんどの場合がWindowsのノートPCです。1校だけWindowsの2in1のPC(surfaceでは無い)もありました。
(10年以上前の話もありますが)気になるスペックですが、CPUがCeleron(1校だけi3)でメモリは4GBでした。もちろん、何をするにも激重です。教材作成ソフトですらフリーズします。ただでさえ激務で帰れないのに、PCにもイライラしながら仕事をしていました。
私は動画編集が得意な方だったので、良く依頼をされていたのですが、学校では不可能でしたので家に帰って作業していました。もちろん、編集作業は深夜にまで及びます!
学校から貸出されるPCはWindowsだけかというとそういう訳ではなく、少数ですが学校によってはChromebookを使う学校もあるようです。そのような学校の場合、生徒に配布される端末もChromebookだからということもあるでしょう。生徒と教員の端末の親和性が高いので、その場合はありだと思います。
同じ価格帯で比較するとWindowsはスペックで劣りがちなので、Chromebookの方がサクサク動きます。ただ、オンライン前提の仕様なのでwifi環境が十分なのか、使えないソフトやアプリも結構あるけど大丈夫なのか、成績処理などをオンライン環境でやっていいのか?などなど気になる点はいくつかあります。
ちなみにMacを貸出してくれる学校は聞いたことがありません。もしあるのなら余程のこだわりを感じます。
満足できない場合は自分で購入
では、このような激重環境でイライラした先生がどうするのかというと、自費で満足いくPCを購入します。これが結構な負担で、若手になると給料のほとんどが消し飛びます。
私も初任のころ、コスパ重視でASUSのi5-8GBのノートPCを5万円ほどで買いました!その後は趣味も兼ねて20万弱のゲーミングPCを使っていました。 (その後結婚し、奥さんに大きくて邪魔だから捨てろと迫られたのは、また別の話)
大体の先生は学校で使っているPCとの兼ね合いもあってWindowsでしたね。最近は授業で使うことも意識してか、持ち運びを優先したsurfaceが増えてきた印象です。
また、生徒により良いICT教育を行おうと思うと、端末の他にソフト・アプリも必要になります。これも自分のポケットマネーから出ていきますので、新しいことをするたびにどんどん支出が増えていきます。
タブレット事情
最近の学校ではGIGAスクール構想もあり、生徒が端末を持つようになりました。生徒側に渡る端末の選択肢のほとんどはiPad、Windowsのノートか2in1(surfaceを含む)、Chromebookのノートか2in1のいずれかになります。
そのため、タブレット端末であるiPadを生徒が持つことも多くあり、先生もタブレット端末(iPadの確率が高い)を持つようになってきました。しかし、これもほとんどの場合が貸出です。さらには1人1台も台数がないので、授業の時だけ持ち出す形になったり、そもそも貸出すらしてなかったり、このへんはまだまだ進んでいません。借りるのが面倒なので、iPadを使った授業をしないという先生も多いです。生徒に端末を持たせておいて使わないという現象はこのために起きます。
生徒はiPadを持っているのに、先生は持ってないのでWindowsPCという現象もよくあります。
それで授業ができるんですかね?
どのタブレットを使っているの?
教員に貸出しているタブレットは前述の通りiPadであることがほとんどです。俗に言うiPad無印のwifiモデルというやつです。これが一番コスパが良いんです。Apple pencil(第1世代)対応ですが、セットで貸してくれる学校はほぼ皆無です。そもそも、iPadの貸出すらしていない学校も多いので。
あと貸出の場合、AppleIDは学校のものになっていることが多いです。このメリットはAppleのクラスルームというアプリで生徒の活動を監視・制御することができることですが、デメリットとして個人のiCloudが使えないので教材の取り回しが悪くなることです。Apple製品の魅力の1つでもありますので、iCloudの使い勝手が悪くなるのは考えものです。
端末が選べる学校があるらしい
ごく稀にですが、私立学校では教員自身に端末の決定権がある学校が存在します。教員が指定した端末を学校が買ってくれるのです。(もちろん予算の範囲内ですが。)そう、我がホワイト私学もそのひとつです。そんな学校は大阪では他にあと何校か知っています(ホワイトかどうかは置いといて)。
これのメリットは教員がやりたい授業を最大限にサポートできるということです。教科特性もありますので、教科によって便利なアプリが違ったり、使いやすいOSも違います。このようなそれぞれの先生の需要に応えることができるのが魅力です。また、教員の経済的負担もサポートできるので、非常に助かります。
ちなみに私は学校ではMacとiPadを使っています。合計10万円以上するのですが、サクッと買ってくれました。おかげで快適に仕事をすることができています。学校には感謝しています。
最後に
いかがだったでしょうか、予想通りでしたか?ほとんどの学校ではPC環境が劣悪で、多くの先生が不便な思いをしています。ときには自分のポケットマネーから捻出するほどです。
今後、多くの先生方が自分の使いやすい端末を自由に使え、費用もサポートしてくれる体制が整えば日本のICT教育は加速していくのにと感じています。