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私立中学校の選び方

私立中学校の入試を考えているんですけど、どういったことに気をつければいいですか?

中学生とはいえ、まだまだ幼く心配ですよね。高額なお金もかかることですし、高校入試よりもより慎重に学校選びをしたいですね。今回は中学入試について考えていきましょう。

はじめに

今回の記事は中学受験をすることを前提で話を進めていきます。中学受験の必要性については以下の記事をご参考にしてください

中学受験の必要性

私立中学校選びのポイント

教育内容

一番気になりますよね。それぞれの私立学校が「うちの学校では、こんなことができますよ!」と必死にアピールしています。他の学校と差をつけて特色を出さないと、どうしても埋もれてしまいますし、公立と大差ないことになってしまいます。

最近のブームはプログラミングでしょうか。小中学生であっても、以前より情報機器に触れる機会は格段に増えていますし、国として情報教育に力を入れていますからなおさらです。ただ、様々な学校でプログラミング教育を始めた結果、もはや特色ではなくなってきていますので、各校次のブームを探しています。

しかし、日頃の授業ではその特色ある教育だけを受けるわけではありません。指導しなければならない内容は学習指導要領で決まっていますので、授業の大部分は公立中学校も含めて、どこの学校も共通です。総合の時間など、残りの数%の授業や行事が特色の部分になります。どれだけ特色を出しても、どの学校とも授業自体は大差ないということは知っておきましょう

特色ある部分も気になるところですが、学校生活のほとんどの時間を要する日頃の授業がどのように行われているのかもチェックしたいところです。最終はその授業を担当する教員の腕次第です。どれだけ魅力的な教員を集めることができるかが、学校の日頃の授業の質を左右します。ぜひ、日頃の授業風景を見ることができる機会があれば参加したいですね。

施設

よほどハリボテでない限り、施設は嘘をつきません

前述の教育内容は嘘をつくことができます。体験授業と称して、日頃の授業では全くしないような内容を取り扱って授業をアピールする学校も多いので、入学してから日頃の授業とのギャップを感じることも多々あります。

しかし、施設は見えているものが事実ですし、そうそう変わりません。綺麗に整った教室だけでなく、空調の効いた体育館、特色ある教育を行うために必要な設備など、どれも目を引きますし、入学すれば実際に利用することができます。中でも私の一押しはトイレです。私立学校のトイレは多くの学校で美しく清掃されています。(トイレ掃除は業者の仕事です。)トイレの美しさはどれだけ設備に力を入れているのかを測る指標にもなりますので、学校見学では是非ともトイレまでチェックしてみてください。

授業料

公立中学校とは違い、私立中学校にかかる費用は家計にかなりの負担となります。公立でしたら3年間でざっくりと100万円ほどですが私立の場合だと300万円ほどにもなります。しかも私立高校のような無償化制度もありませんので、家計に多大な負担がかかります。そして私立学校間でも差が大きく、その差は最大で年間50~100万円ほど、3年間で150~300万円ほどにもなります。教育内容ばかりに目が行きがちですが、中学3年間でどれだけ費用がかかるのか、それが教育内容等に見合っているのかも考慮することをおすすめします。

クラス数とコース

どのような学校生活を送ってもらいたいかによって、ベストなクラス数は変わってきます。少人数でより親密な関係を築いてもらいたいと思うのであれば、クラス数が少ない方が良いですし、多くの人と多様性を重視した関係を築いてもらいたいと思うのであれば、クラス数が多い方が良いでしょう。コース制がある学校の場合は、どうしてもクラス替えの対象が少なくなってしまいますので、変化が少なくなります。また、クラス数を気にするのであれば、コース制の有無もチェックしたいところです。

コース制の良いところは生徒の興味や学力に合わせてきめ細やかな指導ができることですが、人間関係の面ではデメリットも多いです。まず、1クラスしか設置しないようなコースの場合、人間関係のトラブルがあっても、環境を変えることができませんし、無理矢理変えるとするならばコース変更を余儀なくされます。

また、学力でコースを分けている場合ですと実力がコースにそぐわない場合、学校判断でコースを変更させられることもあります。そうなるとお子さん自身の自己肯定感の低下につながりますし、クラス数が少ないと「あっ◯◯コースから落ちてきた人だ」的な雰囲気になってしまいがちですのでリスクはあります。

コース制がある学校を考えるときはメリットとデメリットを天秤にかけることをおすすめします。

高校への進学基準

私立中学校は原則、中高一貫校になると思います。中高一貫校とはいえ、高校に無条件で進級できるような学校は少ないです。何らかの進学基準が決められていて、その条件をクリアしなければ高校に進級することはできません。

多くの場合は出席日数と成績です。成績と言ってもかなりハードルは低くなっていますので、普通に学校に登校していれば難なくクリアできるレベルです。しかし、著しく成績が悪いと高校への進学ができず、外部受験を薦められてしまいますので、お子さんの性格的に気になるようであれば、事前に進学基準を確認しておくと良いでしょう。

進路とその保証の有無

中学校に合格することがゴールではありません、さらにその先の進路まで見ておきたいところです。中学の偏差値帯が高いからと言って、進学実績が必ず良いというわけではありません。また、進学実績が良いからと言って、全ての生徒が良いわけではありません。大学の進学実績は華やかに見えるように学校も工夫していますので、自分の子どもはどのような進路を辿りそうかをイメージしながら進学実績を見ると良いでしょう

学校によっては、大学までついているところもあります。そのような大学進学の保証があるような学校は、大学までのイメージがしやすいので親目線から安心感があります。高校への進学同様、大学への内部進学にも規定がありますので、希望の学部に行けるのか、大学に進学するために必要なことは何なのか要確認です。

立地(通学路)

中学生とはいえ、まだまだ幼い年頃です。通学は1人で行くことになるでしょうから安全な通学ができる環境かはチェックしたいところです。学校の立地としては駅からの距離が近いと安心感がありますが、駅から多少距離があっても駅から学校までの道が、歩道が整備されているなど、安全な道であれば及第点でしょう。繁華街を通らなければならないなど、通学に不安があるような立地だとマイナスです

スクールバスでの通学は、安心なようで一長一短です。確かに駅から学校まで危険は少ないです。しかし、それはスクールバスに乗れればの話です。スクールバスを運行するのにも費用がかかりますので、本数は限定的で朝と夕方の登下校の時間帯が中心です。特に困るのが遅刻や早退のときです。遅刻は子どもが悪いと割り切れなくもないですが、体調不良での早退となると、バスを利用しなければ行けないような長距離を歩いて駅まで行かなければなりません。毎回、車で迎えに行くのも難しいでしょうから、イレギュラーの時に困るのがスクールバスです

あとは、家からの通学時間も気になります。遠ければ遠いほど通学時間が長くなり、朝は早くなり夜は遅くなります。先ほどと同様、体調不良で早退する場合も心配度が増します。できるだけ通学時間は短い方がお子さんへの負担は少なくなります

最後に確認しておきたいのが、混雑度です。ぎゅうぎゅう詰めの満員電車に子どもを乗せるのは不安ですし、犯罪や怪我の危険度も高区なります。なるべくそういう路線を回避できる学校を選んだり、混雑度の高い電車に乗っている時間をできるだけ短くしたいところです。

最後に

受験をしなくても公立中学校に行けるのに、わざわざ受験して高額な授業料を払わなければならないのが私立中学校です。しかし、それだけの価値がある私立中学校は多くあります。施設面では公立中学校を圧倒していますし、高校入試だけで無く大学入試の面でも優遇がある学校があります。浪人せずに希望の大学へ行けるのであれば、高額とされる授業料もむしろ安く感じるほどです。

しかし、メリットばかりに目が行き、無理に受験するのも禁物です。デメリットももちろんありますので、そこをしっかりと確認して学校選びをしていただければと思います。

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