2022年10月にApple Eventは開催されませんでしたが、ひそかにAppleの新製品4つが発表されました。今回は、その製品が学校現場に与える影響について考察してきます。
発表された4製品とは?
この4製品です。iPad, Apple TVのカテゴリーから新製品が発表されました。公式情報はリンク先をご確認ください。では、それぞれ見ていきましょう。
iPad(第10世代)
主な変更点
- 価格は49,800円 → 68,800円に爆上げ(円安の影響もあり)
- カラバリが大幅変更(スペースグレイ・シルバーの2色展開から、シルバー・ピンク・ブルー・イエローの4色展開に)
- ディスプレイが10.2インチRetinaから10.9インチLiquid Retinaに(iPad Airと同様のディスプレイ)
- チップ性能がA13からA14に
- 背面カメラが8MPから12MPに強化(フロントカメラは変わらず)
- スマートHDR3に対応
- 2スピーカーオーディオが横向きに対応
- 端子がLightningからUSB-Cに変更
- 5G対応
- Touch IDが電源ボタンに移動
- Magic Keyboard Folioに対応
- Bluetooth5.2に対応
今回の発表の目玉です。最もシンプルなiPad(通称、無印iPad)が大幅に進化してきました。ザックリいうと、無印iPadがiPad Airにかなり近づいたという感じでしょう。各種機能が順当に進化していますのでiPad(第9世代)からはかなり違いを感じることができるでしょう。そして、価格も…。
最も残念ポイントはApple Pencil(第2世代)に非対応なことです。折角iPad Airと同様のデザインにして、端子もLightningが廃止されたのに第1世代を継続しています。第1世代はLightning端子での有線接続でペアリングを行うので、専用の変換アダプタ(別売り)まで用意されています。
いや、そこまでするなら第2世代に対応させてくれや…。
円安の影響もありかなり価格は上昇しています。ちなみにiPad Air(第5世代)とiPad mini(第6世代)も円安の影響で値上げされていますので、発売当初から2万円近く値上がりしてしまいました。iPad(第10世代)とiPad Air(第5世代)はかなり近いスペックになっていますが、大きな違いはチップ性能がA14とM1、Apple Pencilが第1世代対応と第2世代対応です。この差に価格差2万3000円です。非常に悩ましいですね。
Apple Pencil(第2世代)対応ならiPad Airがオーバースペックだった人を引き込めたのになーと思います。それぐらい惜しいですね。
学校現場に与える影響
学校現場でのシェアも高く、最も使われているiPadがこの無印iPadシリーズです。その最新世代が発売されたということで、注目度は大きいです。機能が大幅に変更・強化されていますので、学習自体はスムーズになることでしょう。フルスクリーンになったので視認性が良くなり、学習効率も上がっています。
ただ、学校で使うとなればカラバリが活きてきません。カラーの選択権は生徒側には無いでしょうから、おそらくシンプルなシルバーが選ばれ、ピンク・ブルー・イエローは選択肢にならないでしょう。この点は折角の第10世代の良さが生かせません。
さらに、Apple Pencil(第2世代)非対応も残念なところです。教員の立場から見ていると、ペンを使う学習は非常に多く、ペンの利便性は学習効率に直結します。第2世代に対応していればもっと学習しやすくなったのにと思いますので、ここはサードパーティー製のペンも含めて検討して補いたいところですね。
教員側はiPad Air推奨ですが、ペンをあまり使わない教科でしたらiPad(第10世代・第9世代)でも良いかもしれません。
また、第9世代がラインナップから削除されていません。この点が学校、特に情報主任など生徒端末の決定に関わる人にとって悩ましいところです。今まででしたら旧モデルはストアから消えてしまうのですが、今回は大きな変化もあってか残されています。そして、価格差は19,000円ですので、Apple Pencil(第2世代)が使えないんだったら第9世代の方が安いからこっちにしようということにもなりそうです。そのため、来年度入学生は第9世代を継続する可能性も高そうです。
ちなみにiPad(第9世代)ですが、発売当初は39,800円で売られていました。それが2022年夏に49,800円に値上げされています。そのときからさらに円安が進行し、iPad Air(第5世代)やiPad mini(第6世代)がさらなる値上げがされる中、価格を据え置いているのはAppleの良心でしょう。
11インチ iPad Pro(第4世代)/ 12.9インチ iPad Pro(第6世代)
主な変更点
- チップ性能がM1からM2に強化
- Apple Pencilポイントに対応
- スマートHDR4に対応
- 4KProResビデオの撮影が可能に(128GBモデルは1080p,30fps)
- Wi-Fi 6E対応(中国本土・日本では利用不可)
- 11インチは94,800円 → 124,800円に
- 12.9インチは129,800円 → 172,800円に
地味な変更だったのが、iPad Proシリーズです。順当にチップ性能が向上しましたが、これと言った目玉もありません。チップ性能が上がったことにより、処理速度の向上も元々のM1チップで一般的な使い方には十分でしたし、カメラ性能の向上もそもそもiPadでカメラを使うことはあまりないので活躍の場は限定的です。
気になるのはApple Pencilポイントです。Apple Pencilをディスプレイに近づけることでポインターが出現し、より高精度で操作ができるようになると言う機能のようです。ディスプレイに触れずに現れるポインターですので、新たな操作性ですね。具体的にどう言う操作ができて、どのようなことに役立つのかはまだ不透明なところではありますが、今後活躍の場があるかもしれません。
これだけ地味な進化ではありますが、価格は大幅に上がっています。円安の影響とは言え、MacBookかと見間違えるこの価格帯は気が引けてしまいますね。
学校現場に与える影響
学習者側からすれば選ばれることはないであろうiPadです。大学生であればノートパソコンと兼ねる使い方で選ばれることもあるかもしれません。教員側にもそこまで影響はありませんが、使用することになるであろう人は割といるでしょう。
キーになるのは10月末に公開される予定のiPadOS 16です。iPadOS 16から搭載されるステージマネージャーによって、iPadを今までよりさらにノートパソコン的な使い方にすることが可能になります。そのため、ノートパソコンとタブレットを兼ねる2in1端末として使用することができます。そうなってくるとオーバースペック気味のM2チップも活きてきて、快適な操作性を感じることができるでしょう。
Appleのオンラインストアでは旧モデルの取り扱いがなくなったため、iPad Proを購入する場合こちらのモデルを購入することになります。価格はかなりきついですが、ノートパソコンとタブレットを同時に購入すると考えれば…。
Apple TV 4K(第3世代)
主な変更点
- チップ性能がA12からA15に大幅強化
- 32GBモデルが廃止
- 64GBモデルはWi-Fiのみ
- 128GBモデルが新設され、Wi-FiとEthernetに対応
- 64GBモデルは23,800円→19,800円に値下げ
値上げ!値上げ!と言われいる昨今のApple製品において、なぜかお得感が出てきたのがApple TV 4Kです。ストレージが同じものだけを比較すると、チップ性能が向上しているのに4,000円もの値下げが行われています。
また、128GBモデルが登場し有線接続も可能になりました。無線環境がない家庭にとっては嬉しいところでしょう。確かにチップ性能が向上したぐらい、ほとんど変更点がないのであまり見栄えはしませんが、個人的には結構注目しています。
学校現場に与える影響
Apple TVがある教室は、iPadやMacとの連携が良く、ワイヤレスに教室のTVやプロジェクターとつなぐことができます。特に持ち運びの必要がない、小学校の教室や講義室や実験室・音楽室などの特別教室での授業をするときには利便性を感じられることでしょう。
これらのことは以前から可能でしたので、新製品が出たところでできることに変わりはないのですが、チップ性能の強化と有線接続に対応したのは素直に嬉しいところです。
Apple TVのある教室、結構便利ですよ。
Apple製品を安く買うには?
Apple製品はお得に購入することが可能なのです!私の場合だと、新製品であっても20%オフぐらいで購入できていると思います。詳しくは下の記事をご参考にしてください。
【2023年最新】Apple製品を安く買う3つの方法最後に
10月は発表会こそありませんでしたが、iPadとApple TVから新製品がリリースされました。iPadは学校現場と密接にかかわるところですので注目度が大きいですね。また、今回iPad(第9世代)がまだラインナップに残っているところも学校を悩ませます。果たして来年度入学生はどの端末を使うのでしょうか。