どこの学校もICT教育に力を入れているんですね。でも、学校によって使うICT端末は違うみたい。
そうなんですよ。1人1台の端末を持とう!というのは全国的な流れですが、どの端末を使うかは自治体や学校によって様々なんです。
じゃあ、どの端末を使っている学校がいいんですか?
では今回はICT端末で学校選びを考えていきましょう!今回はChromebook編です!
現状はChromebook・iPad・Windowsの三強
MM総研「GIGAスクール構想実現に向けたICT環境整備調査」によると、ICT端末のOSのシェアは以下の通りです。
- Google Chrome OS:43.8%
- iPad OS:28.2%
- Microsoft Windows:28.1%
Google Chrome OSはGoogle社が開発したOSですが、端末自体は様々なメーカーから発売されています。その製品をChromebookといい、学校現場では優勢ですね。iPad OSはApple社が開発したOSで、その端末もApple社からしか発売されず、様々なiPadシリーズがあります。Microsoft WindowsはMicrosoft社が開発したOSで、Microsoft社から発売されているSurfaceシリーズだけでなく、様々なメーカーからも端末が発売されていますので、端末の種類はかなり多いです。
Chromebookの特徴
価格が安いけど、割とサクサク動く
何と言ってもChromebookの魅力は価格の安さです。ICT端末にはどうしてもお金がかかってしまいます。しかし、価格の安い端末にしてしまうと、やりたい教育ができないという本末転倒なことになってしまいます。そこで学校現場から注目されているのがChromebookです。
Chromebookは低スペックでも比較的サクサク動く仕様になっていて、スペック不足をあまり感じさせない作りになっています。学校の授業でやるようなことは大抵そこまでスペックを要求されませんので、問題なく使うことができます。コスパはかなり良いですね。
とはいっても、動画編集などの重い作業は不向きです。また、昨今のオンライン授業が頻繁に行われる環境ですと、Chromebookであろうともある程度スペックを積んでいる端末にすることをオススメします。
タッチパネル搭載の物が多い
2in1タイプはタブレットになるので当然ですが、ノートパソコンタイプでもキーボードが360°回転するなどして、タブレットとして使用できるものが非常に多いのが特徴です。そのため、液晶はタッチパネルを搭載していますので、ペンを使った学習や直感的な捜査にも対応しています。
GoogleClassroom等が優秀だが、他のアプリはあまり充実していない
クラス管理アプリのGoogleClassroomはかなり優秀です。一応、Apple系端末やWindows端末でもClassroomは利用できるのですが、やはりGoogle系で固めた方が何かと便利で、本家本元のGoogle端末ですからその良さを最大限生かすことができます。
GoogleClassroom以外にもGoogleドキュメント・Googleスプレッドシート・Googleスライド・Googleドライブなど、MicrosoftOfficeに搭載されているWordやExcel、PowerPoint、OneDriveの代りとなるアプリが使えますので、Officeにかける費用も削減できます。MicrosoftOfficeは高額なのですが、Google系なら無料です。
私もブログの第一案はGoogleドキュメントを使って執筆しています。それぐらい使いやすくて優秀ですよ!
しかし、その他のアプリはApple系・Windows系に劣ります。学校では様々な学習アプリを使用していますが、Chromebookには非対応というアプリも存在するので、アプリはあまり充実していません。教育系アプリの充実が待ち望まれますね。
オンライン前提の仕様
Chromebookは保存領域であるストレージを削っているものが多くあります。なぜなら、オンラインストレージ(クラウド)を利用しているため、端末に保存しなくてもネットワーク上に保存できるからですね。
しかし、逆を言えばオンライン環境にないと力を発揮できないと言うこともできます。MicrosoftOfficeに対抗する優秀なアプリたちもオンライン環境になければその力を発揮することはできません。全ては学校のWi-Fi環境にかかっているといっても良いでしょう。
2in1は発表に便利だが、ノートパソコンタイプは結構かさばる
Chromebookには2in1でキーボードを外してタブレットになるものと、ノートパソコンのものがあります。2in1タイプだと、発表時はタブレットとして使用できるので結構軽快です。とは言ってもiPadなどの元からタブレットのものと比較すると分厚くて重さを感じる製品が多いですが。
ノートパソコンタイプはキーボード入力が快適に行えるのですが、その分かさばって日ごろの持ち運びには不便です。360°回転してタブレットにすることができるという製品でも、持ったまま発表するのは結構しんどいです。学校使用端末であれば2in1タイプのChromebookを推奨します。
大学や企業でのシェアは低い
学校でのシェアは順調に拡大しているのですが、大学や企業ではChromebookはかなり劣勢です。そういう意味では、折角中学・高校とChromebookでICT端末に慣れてきたのに、その操作方法とは違うことを大学や企業で求められることになります。特に企業はWindowsが圧倒的シェアを誇っています。この牙城を崩さない限り、Chromebookを仕事で使う機会はほとんどないかもしれません。
残念ながら、現状では学校や家庭内でしか通用しない端末です。今後Chromebookのシェアが広がって、より一般的になれば良いですね。
Chrombookに求めるスペック
Chromebookは様々なメーカーが様々なスペックで発売しています。そのため、学校仕様端末としてChromebookを使う上で、これぐらいのスペックは欲しいよね。という点にスポットを当てたいと思います。
10インチ未満:△
10インチ~14インチ未満:◎
14インチ以上:✖
画面サイズは10インチ〜14インチ未満が最適サイズです。これ以上小さいと学習しにくいですし、大きいと鞄に入れて持ち運ぶのが大変です。大きすぎず、小さすぎないものを選ぶようにしましょう。
800g未満:◎
800g~1.0kg未満:〇
1.0kg~1.2kg未満:△
1.2kg以上:✖
中学生であれば1kg未満、高校生でも1.2kg未満を推奨します。毎日持ち運ぶものですから、体への負担も心配です。ただでさえ部活動の荷物などで重くなりがちな鞄をさらに圧迫することになりますので、可能な限り軽量なものが良いですね。
Celeron:✖️
Pentium:△
Core i3:△
Core i5:〇
Core i7以上:◎
CPUはよく頭脳に例えられます。頭脳の性能がよければそれだけ高速で仕事をこなすことが可能です。
文章作成ぐらいしかしないのであれば、CeleronやPentiumでも十分です。しかし、長時間オンライン授業を受ける可能性を考えるとCore i5以上を推奨します。とはいっても、i5にしてしまうと価格が跳ね上がってしまうのが難点ですね。また、オンライン授業のことを考えるなら後述のメモリも増強しておきたいところです。
Ryzen3以下:△
Ryzen5:〇
Ryzen7以上:◎
ChromebookにはAMD製のCPUを搭載しているものも結構あります。こちらもIntel製と同様、オンライン授業をどれだけ意識するかです。
4GB未満:✖
4GB~8GB未満:〇
8GB以上:◎
頭脳であるCPUが良くても、働くためのスペースが無ければ、その良さを活かすことができません。その働くためのスペースがメモリです。
CPUがi5未満であれば、4GBのメモリがあれば十分サクサク動いてくれるでしょう。ただし、オンライン授業などの重い処理が必要な場合は別です。Core i5レベルのCPUを使うのであれば、メモリは8GBは欲しいところですね。
オンライン授業は自宅の別端末で!と割り切れるのでしたら、Pentium + メモリ4GBとかでも授業には支障ありません。
ちなみにストレージはオンライン前提なので、何でもいいです(暴言)。オフライン環境でも快適にと思うのでしたら、そもそもChromebookを選択するべきではありません。
Androidタブレットは?
Androidは学習アプリ面でiOS(iPad)に劣ります。そのため、わざわざ導入するほど教育的に良いものではありません。しかし、中国メーカーを筆頭に様々なメーカーが製品を作っていますので、価格が安いのも特徴です。iPadではなく、Androidタブレットを学校端末としているところがあれば、余程のこだわりがない限り学校の財政状況がよろしくない可能性があります。
家庭での用途でしたらAndroidタブレットは安くてオススメですよ!
最後に
Chromebookは学校現場で急速にシェアを拡大しているイケイケのICT端末です。学校選びをしていると結構な確率で出会うことになるのでしょうが、デメリットもありますので、スペック面までしっかりと確認したいところですね。