2022年10月、新しいiPad(通称、無印iPad)が発表されました。第10世代となる今作ですが、デザインを大きく刷新してきましたが、価格も大幅に上昇しました。しかも旧世代の9世代がラインナップに残る事態で、学校現場では来年度使用端末をどうするか悩まされています。今回は、2023年度入学生が使用するiPadについて考えていきます!
iPad 第10世代と第9世代の比較
第10世代 | 第9世代 | |
価格 | 68,800円~ | 49,800円~ |
カラー | シルバー ピンク ブルー イエロー | スペースグレイ シルバー |
ディスプレイ | 10.9インチ Liquid Retina | 10.2インチ Retina |
チップ | A14 | A13 |
カメラ フロントカメラ | 12MP広角カメラ 12MP(横向き) | 8MP広角カメラ 12MP |
コネクタ | USB-C | Lightning |
Apple Pencil | 第1世代対応 | 第1世代対応 |
キーボード | Magic Keyboard Folioに対応 | Smart Keyboard に対応 |
重さ | 477g | 487g |
まずはスペック表を見ていきましょう。やはり、目につくのはその価格差です。19,000円の差は消費者にとってかなり大きく、この差を埋めれるだけの付加価値が第10世代には無ければなりません。最新機種だけあって、スペック面では第10世代が上回っています。しかし、このスペック差と19,000円を天秤にかける必要があります。
チップは第1世代分進化しています。同様のチップを積んでいるのは、A13がiPhone 11でA14がiPhone 12です。性能にして1.2倍ほどの差と言われていますが、もとのA13チップも優秀でしたので余程重い作業でもしない限り差は感じにくいでしょう。
ディスプレイなどのデザイン面では大きく刷新されていて好感が持てます。iPad Airシリーズに近づいた感じで非常にスタイリッシュかつ機能的です。画面も大きくなり作業効率は上がり、ホームボタンがなくなり、側面の電源ボタンにTouch IDは移動しました。チップ性能よりもディスプレイ・デザイン面での学習効率アップの方が期待できそうです。
注目は新しい周辺機器であるMagic Keyboard Folioに対応したことです。キックスタンドにもなる背面カバーに取り外し可能なキーボードカバーが付属します。はい、ハッキリ言ってSurface感がにじみ出ています。学習者的にも非常に便利で学習効率はかなり向上することでしょう。このキーボードが使いたいのであれば第10世代が良いと思いますが、難点はやはり価格で38,800円という驚き価格です。学校ではお目にかかることはなさそうですね…。
そして何と言ってもApple Pencil(第2世代)に非対応なのが悔やまれます。ここまでiPad Airに近づけて、LightningからType-Cに変えたのにもかかわらずです。まぁ私の経験では、学校でApple Pencilを使っている生徒は20%もおらず、ほとんどがサードパーティー製のペンを使っているのでさほど関係ないかもしれませんが…。
私が決定者なら第9世代を選ぶ
さて、2023年度新入生が使用するiPadですが、私はiPad(第9世代)を選ぶ学校が最も多いと予想します。決め手はやはり価格です。流石に68,800円~という価格は学校(自治体・教育委員会)負担にしろ、家庭負担にしろあまりにも重すぎます。おそらく第9世代の49,800円ですら厳しいという家庭が多い中ですので、第9世代がまだラインナップされているのであればこちらを選ぶことでしょう。
ちなみに、2021年度入学生の多くが購入したであろうiPad(第8世代)は34,800円でした。これぐらいの時期はiPadが安くてパフォーマンスも良いとシェアを広げたのですが、現在のこの価格はかなり厳しいですね。
また、デザインが良くなったり性能が良くなったとは言え、iPadで学習する内容に差はありません。第9世代では学習できず、第10世代でないと学習できないようなコンテンツは存在しないのです。学習効率は若干劣るのかもしれませんが、授業を行ううえで支障がないのであれば、より安いモデルが選ばれるのが一般的でしょう。
Apple製品の価格が上がって手が出しにくくなったのは事実ですが、さすがに上級生がiPadを使っているのに、2023年度入学生がiPad以外の端末を使うことは考えにくいでしょう。学校内で使用するデバイス(OS)が違うことは、教員の負担が尋常じゃないので避けられるでしょう。私なら教材の互換性が保てなくなるので全力で拒否します。
そのため多少値段が上がっても同じOSが使えるiPadを継続使用する可能性が非常に高いです。そういう意味でも、本来新世代が発売されればすぐにラインナップから消えるiPadシリーズで旧世代が残されたのはApple側の配慮なのかもしれません。
最後に
学校現場にも円安の波が押し寄せていますね。巷では原材料高騰による、物価の上昇が叫ばれていますが、学校も同様です。教育にかかる費用が高くなるのであれば、公立であればどこかの予算を削減したり、私立であればその分を授業料として上乗せされます。
来年度入学生向けの端末選定に関わる人は悩ましいでしょうが、私はiPad(第9世代)を推します。