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学校教員の選挙事情

いよいよ衆議院選挙が始まりますね。

ええ、久しぶりですね。

学校の先生って支持政党とかあったりするんですか?

人それぞれですよ。その人が組合に属していたり、特定の宗教団体だったり、公立か私立かによっても違います。今回は選挙も近いことですし、学校教員と選挙についてご紹介しましょう。

組合の存在

日本教職員組合

通称、日教組(にっきょうそ)です。全国で最も規模の大きな組合で、全教員の20%強が属しているとされています。

現在の支持政党は立憲民主党社会民主党です。共産党とは仲が悪いです。そのため野党共闘となると、心中快く思ってないことでしょう。これは連合(日本労働組合総連合会)と同じですね。

全国教職員組合

通称、全教(ぜんきょう)です。全国で2番目の規模の組合で、全教員の4%ほどが属しているとされています。2番目の規模で4%ですので、若手教員を中心として教職員自体組合に属している人は少数派です。

現在の支持政党は日本共産党です。昔は日教組と同じ団体でしたが、共産党支持のグループが離脱して結成したのが始まりです。こちらも野党共闘となると、日教組と同じ候補を応援することになるので心中穏やかではありません。

宗教系学校

創価学会

東京や大阪、北海道に学校があり、東京には大学もあります。さらには、アメリカ・香港・シンガポール・マレーシア・韓国にまで学校があります。

信者の熱烈な選挙活動が有名ですね。支持政党は公明党です。小選挙区で候補者がいなければ党推薦の自民党に票が流れます。

信者が比較的多く、信者の投票率が抜群に高いので投票率が低い昨今の選挙では影響力がかなり大きいです。今回の2021衆議院選挙選挙でも多くの候補者を擁立し、自民党と共に候補者を推薦しあう関係です。

幸福の科学

新興宗教ですが、栃木県に学校も作っています。

支持政党は幸福実現党です。国政では議席数獲得には至っていませんが、地方議会では議席の確保に至っているようです。

今回の2021年衆議院選挙では小選挙区・比例区ともに候補者の擁立を取りやめていますので、その姿を見ることはないでしょう。地方で地盤を固める方にシフトしたのかもしれませんね。

大阪の選挙事情

私は大阪で教員をしていますので、大阪についてより詳しくご紹介しますね。

近年、大阪府の政治は大阪維新の会が担っています。知事で言えば橋下→松井→吉村と3人で回しています。では、教育に関するものに絞ってお伝えします。

まず、橋下元知事のときに次のことがされました。

  • 公立と私立を競争させる発言
  • 公務員の給与カット
  • 私学助成金カット

公立、私立ともにダメージがありますね。公立は教員の家計を直撃し、私立は学校経営が苦しくなります。橋下元知事が就任するまでは自民党政権で多額の借金があったので、財政健全化のために行われたことでしょう。これによって、私立学校の多くは授業料の値上げに踏み切ります

次に、松井元知事のときに行われたことです。

  • 私立高校無償化
  • 定員割れが続く公立高校を募集停止

見事なまでの手のひら返し私立学校からしたら授業料を上げたところで、授業料を無償化してくれるという最強コンボを決めることに成功しました。もちろん上限や、無償化される家庭の制限はありますが、私立学校にとっては嬉しい出来事で、結果的に私立学校の志願者数が増えることになりました

反対に公立はさらに苦境に立たされ、少子化と私立に生徒を奪われた影響で生徒数をどんどん減らしていき、何校かは募集停止に追い込まれてしまいます。

これもあって公立の教員は大阪維新の会が嫌いな人が多いです。大阪維新の会が勢力を拡大して、大阪府の第1党になったころに、私は大阪府の公立学校で勤め始めました。公務員への世間の圧力がすごく、給料がカットされていたころですね。そのときには、組合の先生から「大阪維新の会には絶対投票してはいけない」という圧力がかかっていましたね。

逆に私立は大阪維新の会を悪くは思っていません。私学助成金を削られてはいるものも、私立高校無償化を先陣切ってやってくれて、学校を存続できた私学も多いでしょう。結果的には、私立学校に優位にはたらいています。

ほとんどの教員は自分の意思で投票する

ここで確認しておきますが、ほとんどの教員は自分の意思で投票を行なっているということです

前述の2つの組合に所属する教員は全教員の30%にも満たないですし、組合の規模は縮小傾向にあります。宗教系の学校は強い信仰心で結ばれているので、政党の支持はほぼ揺らぎませんが、それでもその教員数は全体の教員数から見れば僅かです。

教員全体数で見れば残りの70%は組織的な支持政党がないという人がほとんどになります。また、組合に所属していても投票自体は自由投票ですので、最終の意思決定は自分です。

最後に

今回は教員と選挙についてご紹介しました。ついに選挙が始まりますね。日本の教育にとって良い方向に進むような結果になることを期待しています!

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