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【教員採用試験】私立学校の冬採用

ぱぱてんてー!先輩がまだ来年の仕事が決まってなくて悩んでるんです。教員諦めた方がいいのかな?とか言い出す始末で…。

まだ間に合いますよ!公立は講師登録しか残された道はありませんが、私立学校はこの時期でも採用活動がされていますので、そういうところを狙っていきましょう。

そうなんですよね。まだ、自力で採用を勝ち取れるんですね!

では、今回は私立学校の教員採用試験(冬)についてご紹介しましょう。

まずは予備知識

大学生や私立をはじめて受験される方に気をつけてもらいたいのが、公立と私立での職名の違いです。それぞれサクッと説明しましょう。

公立の場合

・教諭:正規雇用でフルタイム

・常勤講師:教諭と同じ仕事をするが非正規雇用

・非常勤講師:授業だけを教える存在で非正規雇用

私立の場合

・専任教諭:正規雇用でフルタイム(=教諭)

・常勤講師:教諭と同じ仕事をするが非正規雇用

・非常勤講師:授業だけを教える存在で非正規雇用

職名はほぼ同じですが、その中身は微妙に違います。公立と私立の雇用形態による仕事や待遇の違いについて、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

私立学校の教員採用試験・冬採用とは?

冬採用とは私立学校で行われる教員採用試験のうち、冬に採用が決まるもののことを言います。そのため、選考は秋ぐらいから始まるのが一般的ですので、今年度中に採用を決めるラストチャンスだと思って乗り遅れないように気をつけましょう。

秋採用の他には春採用(春〜夏に採用が決まる)や秋採用(秋に採用が決まる)、不定期採用があります。

それぞれの採用試験の目的と特徴

  • 春採用専任教諭の募集もあります公立より先に優秀な人材を確保することが目的です。公立と同様かそれ以上のガッツリとした試験内容です。
  • 秋採用:春採用では応募者が集まりづらい学校か、のんびりしている学校です。公立の後でやることにより、十分な応募者を確保するのが狙いです。ただ、優秀な人材は公立に取られているので、専任教諭の募集は少なく、ほぼ常勤講師です。公立並の内容の採用試験が行われます。
  • 冬採用:秋採用でも集まらなかった、もしくは突発的な退職で来年度の人員を確保できない場合の募集です。他と比較して非常勤講師の割合が高くなりますが、学校も焦っているので採用率は高いです。専任募集はありません。試験内容もあっさりです。
  • 不定期採用:4月になっても教員を確保できなかったり、事故や病気等で突如長期の空きが発生した場合など、学校としては予期せぬ採用です。常勤講師の割合もまあまあありますが任期は短めなことが多いです。専任募集はありません。こちらも試験内容はあっさりです。

冬採用の試験内容

  1. 書類試験
  2. 筆記試験(教科 or 実技・適性検査・小論文)
  3. 模擬授業・教科面接
  4. 管理職面接
  5. 役員面接

1番長いパターンですとこれでしょうか。これより短い場合がほとんどです。また、常勤講師より非常勤講師の募集の方が簡略化されていることが多いですね。では、個別に見ていきましょう。

書類試験

書類試験はどの学校でもほぼ確実に行われます。

まず、書類を出すまでのハードルが高い学校が多いです。エントリーシートの他にも志望理由書などの作文を要求されるので出すまでに時間が取られてしまうので、嫌気がさす人も多いかもしれません。また、大学の成績を要求されることもあるので書類集めも大変です。逆にそういう提出物が面倒系の学校は志願者が多くならないのでチャンスと考えることもできます

通過率は学校により様々です。問題なければ通過させるところもあれば、結構絞るところもあります。内容というよりは、後述の筆記試験を見越して採点しやすい数まで絞り込むこともあります。

しかし、冬採用は応募者自体も少なくなっていますので、通過率は春採用や秋採用に比べて高いです

私も書類試験で落ちたことありますよ!ガンガン出していきましょう!

筆記試験

この段階で20~30人ほどになっていることが多いでしょう。そして、このとき初めてライバルとの顔合わせです。直接喋りはしませんが、気合が入る瞬間ですね。また、公立の採用試験とは違い年齢層が結構幅広いように感じるかもしれません。

とはいっても、冬採用の場合そこまで集まりません。この段階ですでに片手で足りるぐらいしか受験者がいないということも多いですね。

ほぼ必ず出題されるのは志望する教科に関する問題です。公立のような教科の指導要領からの出題もありません。(というか、そんな学校聞いたことありません。)また、実技系の場合は筆記をやらず、実技試験を行うこともあります。

試験問題はその学校の教員によって作られることが多いです。法人が大きければ法人単位で作ることもあります。問題の難易度はピンキリですが公立の筆記試験と比較すると高いです。偏差値帯が低い学校でもガッツリと出題されますので対策は必至です。ただ、どの学校もよく使われるのは阪大と京大の過去問なのでこのあたりは触っておくと良いかもしれませんね。

また、教科の試験以外にも適性検査を課すところもあります。クレペリン検査(ひたすら足し算をさせられるやつ)などです。絶望的にできないと問題でしょうが、合否にはあまり影響しません。

小論文は合否に影響します。大体は教育全般に関わることか、その学校の教育と絡めての出題が多いです。対策無しで臨むのは危険ですので、書き方の練習と学校に関する調査は進めておくべきです。どの道、面接のときに必要になるので先取りと思ってやりましょう。

冬採用の場合、学校も来年度の教員確保のリミットが迫っていますので、教科に関する筆記試験のみということが多いですね。また、模擬授業・教科面接・管理職面接も1日でやってしまう学校も結構あります。それだけ冬採用は、応募する人が少なく学校も必死なのです。

模擬授業・教科面接

これは分ける学校と一緒にやる学校がありますが、大体は一緒に実施する学校が多い印象です。前述のように筆記試験・管理職面接まで一緒にやる学校もあります。先生も暇ではないんでね。同時にするなら模擬授業を先にやることの方が多いです。

ここまで来ると大体2〜3名に絞られていることが多いです。時間がずらされているので、他の受験者の様子は分かりません。

模擬授業が合否を分ける最大の山場です。ここで会心の授業をできれば、合格にグッと近づきます。春採用や秋採用では、平凡な授業では埋もれてしまうのですが、冬採用の場合は普通の授業が好まれる傾向にあります。というのも、冬採用まで残っている受験者の多くは特に理由がなければ、春採用・秋採用・公立の採用で落ちてきています。そのため春採用や秋採用と比較して受験者のレベルが見劣りしていて、授業として成立しない受験者も若干名存在するからです。普通に授業として成立していれば、採用に値します

模擬授業は事前にテーマが与えられていることがほとんどですので、しっかりと対策をしていきましょう。ここを突破すればゴールは目前です。妥協せずに追い込みましょう。

教科の面接は教科に関する質問がほとんどです。この時期の採用は学校としても欠員が分かっていて、どこのポジションが不足しているかがほぼハッキリしています。そのため、より具体的な質問が多くなります。

理科や社会のように教科内で細分化されているのであれば、その指導ができるかどうか、その指導経験はあるのか。また、コース制を敷いているのであれば、難関大学の指導ができるのか、内部進学が決まっている生徒の指導はできるか、などでしょうか。

答えやすい質問が多いと思いますので、リラックスして臨むようにしましょう。

管理職面接

教科面接とは別日程で管理職面接が行われる場合、この段階では1人に絞っているので、ほぼ勝ち確と思ってもいいでしょう。管理職面接でまだ候補者を絞りきっていないということは、管理職が教科を信用していないということですので。

教科の面接より学校全体としての質問が多くなります。しっかりと受験する学校のことはリサーチしておきましょう。学校のことを知らなさすぎると大どんでん返しをくらうことになります

ただ、冬採用は管理職も教科の面接に入って一緒に選考を行うことも多いです。この場合だと、教科は教科の具体的な質問、管理職は教育観などの抽象的な質問を投げることが多いので、より幅広い入念な対策が必要になります

管理職も元は一般教員ですのでなんらかの教科を教えていました。なので、管理職と教科が被ると教科の質問も飛んできますので一応心構えはしておきましょう。

役員面接

冬採用ではあまり行われません

法人が大きいとさらに役員面接もありますが、規模によっては管理職面接と同時に行うこともあります。さすがに教科の面接にまで入り込むことはありませんが。

ここで覆されることはあまりありませんが、油断せずに対策をしていきましょう。質問内容は管理職面接とあまり変わりません。法人のこともしっかり調べておきましょう!

まあ、私は役員面接で落ちたことがありますけどね!本当に油断してはいけませんよ!

冬採用の注意点

  • 受験日程はタイト
  • 募集期間が「決まり次第終了」という学校がある
  • 公立の講師登録と併願はやめておきましょう

この3点について詳しく見ていきましょう。

受験日程はタイト

冬採用は来年度までに教員を揃えなければならないので、学校側も切羽詰まっています。来年度担当教員なしでは大問題ですからね。そのため、より早く教員を確保するために受験日程はタイトになっています。書類選考の結果を学校側から電話連絡があり、その場ですぐに面接の日程を調整するということもあります。

他の採用と比較してトントン拍子に進んでいきますので、準備の時間はあまり取れませんので気を付けたいところです

募集期間が「決まり次第終了」という学校がある

冬採用でよく見られるのが、募集期間に「決まり次第終了」と書かれている学校です。

このような学校は応募があった人から順次選考が行っていく学校が多いです。(応募者が複数人いて、応募した日が近い場合はある程度まとめて選考します。)ということは、早い者勝ちです。どれだけ優秀な人でも、応募が締め切られてしまったら採用されません。「決まり次第終了」と書かれている学校に興味があれば、なるべく早く応募するようにしましょう

公立の講師登録との併願はやめておきましょう

公立の講師登録の結果が分かるのは3月中旬です。それ以前に私立の結果が分かり、契約まで行っていますので併願はできません。(厳密には何らかの理由をつけて辞退はできますが、辞退した学校に滅茶苦茶迷惑が掛かります。)

ただ、採用をもらっても契約前なら辞退はできますので、他の私学との併願であれば日程的に可能にはなります。

また、これは冬採用に限った話ではありませんが、次年度公立の教員採用試験を受験する場合、私立の常勤講師では講師枠での出願はできないことが多いので、公立の募集要項はよく確認しておきましょう。大阪の場合ですと、大阪市は私立の常勤講師でもOK(勤続年数の指定あり)で、大阪府・堺市・豊能地区は私立の常勤講師は不可(公立の常勤講師に限る)になっています。

最後に

今回は私立学校の冬採用についてご紹介しました。私自身、ブラック私学を退職したのが2学期の終わりごろで、そこから来年度の仕事先を探したことがあります。今回紹介した冬採用ですね。そのときに、たまたま採用してもらえた学校がホワイト私学で、ホワイト私学の素晴らしさを身をもって経験しました。

冬採用には専任教諭での採用はほとんどありませんが、冬採用であってもホワイトな学校の募集はありますので、積極的に受験してもらえればと思います

3月の講師登録の結果が不安で待てない方は私立学校も選択肢に加えてみてはどうでしょうか?

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