子育てにおすすめエリアを調べているんですけど、どこも北摂を推してますよね。北摂ってそんなに良いんですか?
ええ、教員の目から見ても良いところですよ。住みたい街ランキングでも毎年上位に入る人気の地域だけあって、環境はかなり良いです。
へー。そんなに良いんですね。ぱぱてんてーも北摂に住んでるんですか?
いいえ、私は北摂には住んでいませんし、今後も住む予定はありませんよ。今日は、なぜ私が北摂に住むのを諦めたかについてお話ししましょう。
北摂とは?
北摂とは大阪市の北部にある高槻市、豊中市、茨木市、吹田市、箕面市、池田市、摂津市、三島郡、豊能郡の総称です。摂津国の北部というのが名前の由来です。大阪の子育ておすすめエリアとして、たびたび挙がる人気エリアになります。
北摂はなぜ人気なのか?メリットは?
高い教育レベル
北摂の教育レベルは大阪府内でも屈指の存在です。詳しくは以下のチャレンジテストの記事をご覧ください。
【令和元年/2019年度実施】大阪府チャレンジテストの結果を読み解く【市別ランキング】北摂は他の地域を寄せ付けない圧倒的な教育レベルです。それだけ教育熱心な家庭(教育にお金をかけられる家庭)が多く、学校に集まる児童生徒の家庭教育のレベルが高いことを意味しています。教員の質自体は大阪府内のどの地域でもあまり変わりませんので、北摂に素晴らしい先生が特別集まっているというわけではありません。
教育施設が充実
北摂には学校を始め多くの教育施設が集まります。大学では大阪大学や関西大学などの大阪を代表する有名大学があり、私立学校も大阪市内並みに多くレベルも高いのが特徴です。公立学校のレベルも高いのに、私立学校まで豊富。この選択肢の多さが、多様なニーズにあわせて子どもの成長を促します。
豊かな自然
池田市や箕面市をはじめ、北摂には山が多く自然にあふれています。また平地部にも服部緑地や万博記念公園などの大型の公園があり、身近に自然を感じられます。この豊かな自然の中で、子どもが自然とふれ合いながら成長できるのは北摂の魅力です。
治安の良さ
北摂には、大阪市内と比べ繁華街が多くありません。閑静な住宅街と称されるような落ち着いた地域がほとんどです。そのため、事件の発生件数も少なく、治安が良いと言われています。あと、これは主観でエビデンスが無いのですが、やはり民度が違います。もちろん北摂にも民度が低い人が一定数はいるのですが、他の大阪の地域と比べて圧倒的に少ないです。公共のマナーも良く守られているのが北摂です。
私の実家は大阪でも有数の口の悪い修羅の国なのですが、帰省するとそれを感じざるをえません。住めば都で住んでるときは何も感じませんでしたが、引っ越しを多くし、色々な地域に住むと地元の世紀末感がよく分かります。
大型のレジャー施設やショッピングモールも充実
吹田市のエキスポシティをはじめ、高槻市のアクトアモーレ、箕面市のみのおキューズモールなど、1日遊べて買い物もできる施設が北摂にはたくさんあり、休日のお出かけを一箇所で済ますことができます。休日には親子連れで賑わい、ファミリー層に人気がある施設が北摂には充実しています。
北摂に住むのを諦めた5つの理由
では本題の私が北摂に住むのを諦めた理由をご説明します。
住宅価格が高い
住宅価格は大阪府内でも圧倒的に高額になっています。この理由が一番大きいですよね。
駅徒歩10分以内の新築戸建て物件はほぼほぼ5000万を超えてきます。あったとしても3階建がほとんどです。注文住宅となると、さらに1000万円ほど追加することになるでしょうし、2階建てとなるとさらに2000万円ほど必要になるでしょうか。
マンション価格も同様でファミリー向けの間取りだと新築で5000万円は必要になります。それだけのローンを返そうと思うと、年収1000万は必要になります。(無理をすれば800万程度でも可能ですが。)我が家の世帯年収では厳しく、住宅価格を抑えて家族での旅行や日々の生活の質の向上にお金を使おうという結論に至りました。
私の高校の友人は、北摂に駅から徒歩20分のところに5000万円ぐらいの新築一戸建てを購入していました。娘の通学のこととかは考えなかったのかと、心の声が出そうになりました。大阪府内でも場所を選べば、駅前で同規模に建物が半額で建ちます。
大阪市の方が住宅価格が高いだろうと思われる方もいると思いますが、実際はそれほどではありません。
大阪市は交通網が発達しているため、多くの場所で駅近になっています。そのため、北摂の駅近と大阪市の駅近では北摂の方が高額な方が多いです。さすがに梅田や難波といった大阪市の主要都市付近になると、北摂をも圧倒する高額な物件が多くなるのですが、大阪環状線の外に出るなど少し離れた場所では北摂よりもお得に便利な場所に住むことができます。
ちょっとした買い物が不便なところが多い
大型ショッピングモールはありますが、普段の買い物では不便なことも多いです。実は北摂は、人口や広さの割にはそれほどスーパーが多くないのです。場所によっては車でスーパーまで買い物に行かなければならないところもありやや面倒です。
面積あたり・人口あたりのスーパーマーケットが多い大阪の街ランキングスーパーが近くに複数軒あるような、買い物に便利な地域も存在しますが、もちろんそれは住宅価格に反映されます。それにやや高い目のスーパーが多いので、ちょっとした買い物は不便に感じます。日々の買い物でストレスを感じたくなかったので、回避しました。
交通の利便性はそれほど良くない
北摂方向を通る路線は阪急宝塚線・箕面線・千里線・京都線、北大阪急行線、JR京都線、大阪モノレール本線・彩都線と結構多いです。確かに大阪市内へのアクセスは良いのですが、梅田から放射状に延びる路線ばかりで、北摂間の移動はやや難があります。
他線との連絡駅が多い路線がモノレール本線ぐらいです。大阪モノレールは、北摂のやや北側を東西に通る(これ以上北は山になります)ので、大阪市内のような網目状に路線が張り巡らされ、最短距離で移動できるような状態にはないです。メリットで挙げた学校の充実もこのせいでうまく機能していません。
直線距離では近いのに、電車通学では遠い学校もあります。もちろん東西への移動にも便利な駅は存在しますが、こちらも住宅価格に反映されます。子どもの進路の可能性を最大化させ、多数の学校へのアクセスを良くしたいと考える私にとってデメリットに感じました。
また、駅近の住宅価格がかなり高いので車を利用する家庭が凄く多いです。車があれば駅から遠くても、北摂に安く住めるのですが、みんな思っていることは同じです。レジャー施設など人が集まりやすい場所はいつも大渋滞で、駐車場も満車でなかなか停めれません。施設側も公共交通機関の利用を促しているのですが、駅から遠いのですからそれも叶いません。
もし、駅から遠い物件で車利用を考えているのであれば、この点は気をつけたいところですね。
選民意識
北摂ブランドと呼ばれるだけあって、住む住民の選民意識は他の地域に比べて高いです。まるでタワマンの上層階と下層階のようです。
もちろん、そんなことないと思う人もいるでしょうし、実際に選民意識なんてない人のほうが多いです。しかし、あくまで他の地域との比較で、「私はあの北摂に住んでいる」と思っている層が一定数います。
そういうマウントの取り合いに参加したくない(主に妻ですが)ので、背伸びして北摂に住むよりは、日々の生活で気疲れしない身の丈に合った土地に住もうと思いました。
教育熱心な家庭が多すぎる
前述の通り、北摂の教育力は圧倒的です。これは、教育熱心な家庭(教育にかけられるお金が多い家庭)が多いことに起因します。逆に言えば、教育にお金をかけられない家庭では埋もれてしまいます。そして、我が家にはそれだけの余裕はありません。(教育費以外にもレジャーなどで子どもにお金をかけたいのもありますが。)
我が家では、公立高校の受験も考えていますので、チャレンジテストで多少の補正はされているとはいえ、学校の評定が取りにくい北摂にデメリットを感じます。確かに、学校の教育レベルが高いことは魅力ですが、背伸びして行くと教育費チキンレースが始まり、レースから降りられなくなります。
北摂はこんな人におすすめ
北摂自体はメリットも多く、確かにおすすめエリアの一つです。しかし、背伸びして北摂で生活するのはおすすめしません。自分の生活が苦しくなるだけでなく、日々の生活での不便さも感じることでしょう。
北摂に住むことを真に勧められるのは、超高収入の人たちか、すでに北摂に住居を持っている人たちです。私がデメリットとして挙げた多くのことを解決するのはお金です。「お金がすべてではない!」と言いたいところですが、利便性はお金で買えてしまいます。特に住宅・土地に関してはそれが当てはまります。
立地と住宅価格に折り合いがつけばいいのですが、そうでないのであれば、大阪には他にも良い土地がありますので、北摂にこだわらずそちらも検討してみるのが良いでしょう。
最後に
今回挙げた理由以外にも私と妻の実家との兼ね合いもあります。住宅探しは様々な要因が折り重なって決定に至ります。職場の位置や、親からの援助の有無などもその一つです。
今回は、私の家庭を例に取りお話をさせていただきましたが、これをみなさんの家庭に置き換えて、総合して判断してもらえればと思います。
私は住めなかっただけであって、北摂自体は非常に魅力的な場所になっています。北摂の魅力を享受できる方にはとてもおすすめなエリアですので、検討してみてはいかがでしょうか。当ブログでは、今後も大阪の子育ておすすめエリアについて発信しています。その中にはコスパの良い地域もたくさんありますので、ぜひそちらも参考にしていただければと思います。