子どもがスマホが欲しい!スマホが欲しい!ってうるさいんだけど、持たせるべきかしら?
最近、スマホ・携帯電話の普及に伴い、持たせる時期の低年齢化が進んでいますよね。今回は現役教員の視点から、子どもにスマホ・携帯を持たせるべきか考えていきましょう!
スマートフォン普及率は90%越え!
2007年にiPhoneの初代が発売され、そこから3年経った2010年の段階でもスマートフォンの普及率は4.4%ほどでした。それが2021年には90%を超え、2022年には94%にも達しているようです。(NTTドコモ モバイル社会研究所)
そして、小中高校生のスマートフォン普及率も高く、東京都が発表したデータによりますと、令和2年度で小中高校生全体で58.1%というデータが出ています。(小学校低学年22.4%, 小学校高学年34.4%, 中学生79.8%, 高校生95.6%)
このような急激な普及もあり、子どもにもスマートフォンを持たせる家庭が増えてきています。ちなみに私はスマートフォンがない時代に学生でしたが、高校に入学したタイミングでガラケーを買ってもらったのを覚えています。
子どもにスマートフォンを持たせるメリット・デメリット
では、子どもにスマートフォンを持たせたときのメリットとデメリットを整理しましょう。メリットとデメリットを天秤にかけてメリットの方が大きいのであれば持たせる方向で考えても良いかもしれませんね。
子どもにスマートフォンを持たせるメリット
主なメリットは以下の通りです。
- 子ども同士の連絡が取りやすい
- 子どもの位置情報を把握することができる
- 外出時など子どもとの連絡が取りやすくなる
- 子どもの情報機器の操作が上達する
- 子どもの情報リテラシーが向上する
子ども側には自分専用の端末を得られてゲームであったりSNSを楽しむことができます。そして、子ども同士の連絡がとりやすいというのもメリットと言えましょう。教員をしていて最近急増していると感じるのが、自宅に固定電話がない家庭です。自分の小中学生の時を考えると、友達に連絡するときは固定電話にしていましたが今ではそれが困難になっています。
子どもがスマートフォンを持つことで子ども同士の連絡が容易になり、必要な連絡が迅速に取れるというメリットもあります。持ち物の確認であったり、宿題やテスト範囲の確認なんかには便利ですし遊ぶ約束などもすぐできます。
親としてもメリットはあり、子どもの状況を確認しやすく、そして連絡がつきやすいというメリットがあります。昨今、子どもの身に危険が及ぶ事件が増えてきました。子どもの位置情報を知ることの重要性も増してきていますので、防犯の面からスマートフォンを持たせる家庭もあります。
教員視点から、子どもの位置情報を調べれるようにしている家庭はかなり多いと感じています。「まだ学校に到着されてないようですけど…」と電話すると「最寄り駅を今通過したみたいです!」とかよく教えてくれます。
さらに情報に関する力がつくというのもメリットと言えましょう。この情報化の時代、情報機器を使いこなせるというのは武器になります。情報機器が一体どういう処理をしているのかを理解し、どのような操作をするのかを習得し、情報機器との付き合い方を学ぶことで、力がついていくことでしょう。「どうせゲームしかしないんでしょ?」と思うかもしれませんが、ゲームを上達するということは情報について詳しくなることにも繋がっていたりします。
子どもにスマートフォンを持たせるデメリット
主なデメリットは以下の通りです。
- ほぼ全ての子どもで勉強時間は短くなる
- ネットやSNSトラブルに巻き込まれる可能性が高い
- ネットSNSトラブルを起こす可能性もある
どうあがいても確実に勉強時間は短くなります。「勉強頑張るからスマホ買って!」なんていう言葉は最初の1週間ぐらいしか効果がありません。この点は覚悟しておいた方が良いでしょう。またあらかじめ使用時間や時間帯にルールを決めておかないと際限がなくなり、落ちるところまで落ちてしまいます。現役教員の私もそのような子どもをこれでもかと見てきましたので、気をつけたいところです。
もはや保護者ではコントロールできないところまで来ている家庭ではマイナス面が大きすぎます。スマホのことを考える前に、子どもをコントロールできるようにすることを考えた方が良いでしょう。
スマートフォン・携帯電話のネット・SNSのトラブルはつきものです。そのようなトラブルに遭う可能性も有れば、子どもがそのトラブルの種となることもあります。内容によっては子どもが多大な被害を被ったり、家族がその責任を取ることもあります。また、人に被害を与えたときはそれ相応の罰を受けることもあります。特に学校が絡んでくると、私立学校や高校生の場合最悪退学ということもあり得ます。それだけの危険なものを子どもに持たせているんだという認識が必要です。
校内での暴力や暴言なら教員の目が届きやすいので、大きくなる前に潰せます。しかし、放課後は保護者の管理下であることを忘れてはいけません。
スマートフォン絡みのトラブルは持たせた保護者の責任
最近のスマートフォンの普及と低年齢化にともない、放課後のしかもSNS上でのトラブルまで学校に対応しろと迫ってくる家庭が急増しています。登場する人物が学校の生徒だからでしょうけど、学校は24時間365日営業ではありませんし、そもそもそのトラブルが起こった場所を提供したのはそれぞれの家庭の保護者です。スマートフォンを待たせるからには、子どもの責任とせず、保護者の管理・責任のもとで使用することが重要です。
メリットだけ見て、デメリットの部分を自分以外に押し付けるのではなく、デメリットに対策を打てて、もし何かが起こったときには自分で対応できるような状態が望ましいですね。
保護者用の管理アプリも充実
保護者も四六時中子どもを見ることは不可能でしょう。最近ではそんな要望に端末やアプリが応えてくれていて、端末に制限をかけることが容易になっています。例えばiPhoneであれば「ペアレンタルコントロール」有名です。Appleもこの機能に力を入れていて、年々強化し使いやすくなってきています。例えば使用できるコンテンツや課金、ダウンロードの制限、使用できる時間の設定や不適切な内容を検索・表示できないようにすることもできるなど、かなり機能は揃っています。
AndroidならGoogleの「ファミリーリンク」なんかも有名ですし、通信会社が提供しているサービスなんかもあります。近年この手のサービスはかなり充実してきていますので、どれかを導入することを強くおすすめします。
通信会社では「TONE MOBILE」が子ども向けのプランに力を入れています。GPSによる見守り機能、アプリの制限、自撮り被害の防止、独自の家族向けメッセージアプリなど子育て世帯には嬉しい機能が揃っています。
最後に
スマートフォン・携帯電話を所持する年齢が低年齢化しているのは止めることはできないでしょう。これは文化が変わったのだとして受け入れなければならないところかもしれません。しかし、そんな世の中だからこそ、キッチリと家庭で情報機器との付き合い方を教えなければなりませんし、教えることができないのであれば子どもに端末を渡すべきではありません。便利なものだからこそトラブルも近くに潜んでいることを念頭におきたいですね。