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現役教員が解説!子どもにスマホ・携帯を持たせるならいつが良いのか?

子どもにスマホを持たせようか悩んでいるんだけど、いつから持たせるべきなのかしら。

最近は低年齢化が進んできていますからね。では、実際のデータや教員をしていて感じることを含めて考えていきましょう!

実際のデータ

では、内閣府が発表している「令和3年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」をもとに、「子供専用端末」と「親と共用」をグラフにしてみました。なお、公式にはこのデータはなく、年齢別の「インターネット利用割合」×年齢別の「(インターネット利用者のうち)端末は誰のものか」で計算していますので、実際の数値とは誤差があるかもしれません。

縦軸は%

詳細な数値などはこちら(内閣府)をご覧ください。

小学校に入学するころには、インターネットの利用率が8割を超えるのですが、それでも小学校までのうちは親と共用している割合の方が多いです。しかし、これが高学年になると逆転しはじめ、子ども専用端末の割合の方が多くなります

子ども専用端末を保有する割合が50%を超えるのは「11歳ごろ」、80%を超えるのは「12歳ごろ」になり、100%近くになるのは「16歳ごろ」というデータになります。このデータを見る限り、最近では小学校高学年になるタイミング中学校に入学するタイミングで子供専用端末を持たせる家庭が多くなり、高校入学時にはほぼ全員に近い割合が子ども専用端末を持つということになります。

よそはよそ、うちはうち

確かに、最近ではスマートフォンを持つ年齢が低年齢化しています。しかし、だからと言って子どもに早いうちから専用のスマートフォンを持たせる理由とはなりません。「周りのみんなが持っているから」というのは、子どもの常套文句です。この言葉に流されずに、自分の子どもにとって必要なのか、また適切な使い方ができるのかを判断しなければなりません。

本当に必要なの?

そのスマートフォンで何をするのでしょうか?なぜ、自分用の端末が必要なのでしょうか?この目的がハッキリしていないうちに、子どもにスマートフォンを持たせるのは危険です。「こういう理由で、自分用のスマートフォンを持つ必要がある!」ということを子どもが言えるようになるまでは、端末を親と共有しておいた方が無難でしょう。

正しく使えるの?

スマートフォンがあるとインターネットに接続しやすくなり、利便性は上がるでしょう。しかし、それに伴いインターネットに関わるトラブルに巻き込まれるリスクや、子どもがトラブルを起こしてしまうリスクが急激に上昇します。スマートフォンを正しく使えるのであれば良いのですが、残念ながら子どものうちは判断力が低く、何かとトラブルが発生します。

そして、発生したトラブルに対処するのはその保護者です。その対処を学校に任せようと思っているのであれば、それは大間違いです。トラブルに関わった人物が学校絡みだからといって、学校でトラブルが発生しない限り、それはスマートフォンを持たせた保護者の責任です。そういうリスクのあるものを持たせるのだという認識が必要で、持たせるのであればリスクを低減できるような教育を家庭でしなければなりません。

学校に相談するときっと対応してくれるでしょう。しかし、学校からすれば「保護者間で問題解決してくれ」と思っています。モンスターペアレント案件になりかねませんよ。

中学生から持たせるのはリスクの方が大きい

確かに中学生の8割が自分用のスマートフォンを所持しているというデータがあります。しかし、中学生という年齢で適切にスマートフォンを使えるのかというと疑問が残ります。自分の子どもに情報リテラシーが身についている、またはそれを家庭で教育できるのであれば中学生であってもスマートフォンを持たせても良いとは思いますが、そうでないのであればまだ持たせるべきではありません。

教員目線から見ていると、中学生のスマートフォン絡みは非常に多いです。スマートフォンを持っていなければこんなトラブルに巻き込まれなかった(起こさなかった)という案件ばかりです。しかも、事件に関わった子どもの保護者に限って、「うちの子は被害者だ!」というスタンスでいる家庭が多く、起こるべくして起こったと感じさせられます。

高校生にもなると、スマートフォン絡みのトラブルは結構減ります。(数は減りますが、トラブルが発生したときは学校外絡みのことが多い。)中学校の間に対人関係について学んだり、最近では情報リテラシーに関する授業も中学校で行われますのでその成果が一定でているのでしょう。高校生であれば、中学生ほどのリスクはないのでこのタイミングが無難ではないかと思っています

最後に

急速にスマートフォンが普及し、それに伴いスマートフォンを持つ年齢も急激に若齢化しています。私自身、内閣府のデータを見るまでここまで普及しているとは思ってもいませんでした。スマートフォンの進化と普及は急激ですが、子どもたちの情報リテラシーはそれには着いていっていません。子どもの状態を保護者が適切に判断して、スマートフォンを持たせるべきなのかを考えた方が良いですね。

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