ジブラルタ生命ってところから保険の勧誘があったんだけど、あそこってどうなの?
ああ、ジブラルタ生命ですね。私も新卒のときに加入して、今も契約は続いてますよ。でも、お金の勉強をしていくうちに微妙だなと思うようになってきました。今日は、教員がよく加入しているジブラルタ生命についてご紹介します。
ジブラルタ生命とは?
ジブラルタ生命保険株式会社は、日本に本社を置く外資系の生命保険会社である。アメリカの大手金融資本、プルデンシャル・ファイナンシャルグループの傘下にある。(Wikipediaより)
生命保険業界では11位という中堅ですね。外資系の生命保険会社だけあって、外貨建ての商品が多くなっています。また、教職員の加入者が多いのが特徴です。
なぜ教員の加入者が多いの?
ジブラルタ生命は日本教育公務員弘済会と提携していて、教職員向けの商品を多く扱っています。そのため、よく学校の中まで入ってきて営業をしていますね。
普通、学校の中まで入って営業するような企業なんて滅多にありません。ジブラルタ生命かヤクルトレディぐらいです。
おそらく、新任教員が初めて保険の勧誘を受けるのはジブラルタ生命の営業になると思います。それぐらい、公立学校ではシェアが広いです。教員という仕事は非常に安定した収入がありますので、保険料を安定して払ってくれる優良物件ですからね。保険会社としても囲い込みたいところです。
教職員なら保険商品はお得なのか?
これだけ教職員に特化しているのだから、さぞかしお得なんだろうな?
ところがどっこい。保険料は安いとは感じません。教職員だけが加入できるプランです!と紹介しておきながら、内容はそこまでですね。
メリットとしては、日本教育公務員弘済会と提携していますので、弘済会の特典を受けれることです。主な特典は以下の通りです。
- 教育研究助成
- 提携宿泊施設割引
- 祝金(結婚・出産・入学等)
祝金制度以外はハッキリ言って微妙です。教育研究助成も上位の入賞者に助成金が送られるのですが、ほぼ校長が独占している状態ですので「なるほどね」となってしまいます。祝金も結婚で1万円、出産で1万円、小学校入学で5,000円ですので「まあこんなもんか」といった感じです。
まぁこれはちょっとお得なオマケということにして、メインの保険商品を見ていきましょう!
生命保険
34歳以下の教職員が入れる「ユース教弘保険」と教職員が入れる「新教弘保険 」がメイン商品です。
加入年齢:24歳
死亡・高度障害:5,000万円
災害による死亡・高度障害:6,500万円
保険料:月額9,705円
契約:15年
た、高い…。
災害時の割増特約を抜いたとして、主要なネット生命保険会社であれば、死亡時に5,000万円の補償を受けようと思ったら4,500円前後でしかも20年契約にできます。気を取り直して、35歳から入れる「新教弘保険」について見ていきましょう!
加入年齢:40歳
死亡・高度障害:5,000万円
保険料:月額17,550円
契約:65歳まで
た、高い…。(本日2度目)
ユースにはあった災害の特約はなくなり、よりシンプルになりました。こちらも、保証金額が高いと感じれば下げることが可能で、2,000万円の補償にしたければ5分の2倍した保険料になるようです。
ちなみにこれも主要なネット生命保険で調べてみましたが、死亡時5,000万円の補償で65歳までの契約となると16,000円前後が相場となり、保険料は急接近します。なぜこれだけ接近するのかというと、新教弘保険は性別・年齢に関係ない一律の保険料になっているからです。この点はメリットですね。高齢になってから入る保険としては良いのではないでしょうか?
とは言っても、新教弘保険に加入できる35歳で比較すると、ネット生命保険の保険料は14,000円前後まで下落しますので、若いうちはネット生命保険の方がメリットが大きいでしょう。それに、65歳にもなってこんな多額の補償が欲しいかというと怪しいです。そのころには別に死んでも、家族が生活できないという危機にはならないと思いますので、死亡時に家庭に与えるダメージが大きい若い時期に備えるのが保険の本当の役割ではないのかなという思いもあります。
医療保険
続いて医療保険の方も見ていきましょう!「新教弘医療保険α(男性用・女性用)」「新教弘介護保障付終身保険」の2つがメインの商品です。 「新教弘介護保障付終身保険」 の方は内容が多すぎて書ききれませんので、公式HPを見てもらえればと思いますが、詰め込みすぎて難解です。そして、保険料が尋常じゃなく高いです。
加入年齢:30歳男性の場合
2日以上の入院:一律10日分 50,000円 + 11日目以降1日5,000円
手術:10万円
特約:モリモリ(女性の方が多い)
保険料:月額3,805円(女性の方が高い)
契約:終身
た、高い…。(本日3度目)
書ききれないほどの特約がありますので、詳しくは公式HPを参考にされた方が確実です。パンフレットにすら特約抜きの保険料を書かないという特約商法が目に余りますが、個人的に入手した資料によると、特約を一切つけないと30代前半の男性で2,600円前後になります。特約なしの価格で比較すると、同程度の補償でネット生命保険の保険料は2,000円未満のところが多いので、割高な印象を持ちます。
そもそも、高額療養費制度によって医療費の自己負担額の上限が定められていますので、ある程度貯蓄がある人にとって医療保険が必要かは個人的に疑問です。医療保険の保険料は結構高いですので、保険料を貯蓄に回し、貯蓄で病気やケガに備えた方が良いのでは?というのが私の見解です。
最後に
教職員が良く加入している保険会社ではありますが、個人的な感想としましては教職員であってもあまりメリットはありません。強いて言うなら、よく学校に来ているので相談しやすいぐらいでしょうか。それに、保険料が特別安いわけではありませんので、保険料を重視するならネット保険を活用すると保険料を抑えることができます。教員をしていると耳に入りやすい保険会社ではありますが、他とよく比較して検討してみると良いでしょう!