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中高一貫校に高校から入学するメリットとデメリット

高校受験の志望校に中高一貫校を考えているんですけど、高校から入って大丈夫か心配なんです。

確かにその学校に馴染めるか心配ですよね。でも、そんな心配はほとんどいりませんよ。ただ、ちょっとした注意点はありますから、よく調べた方がいいですね。

え!そうなんですか!どんなことに気をつけたらいいですか?

では、中高一貫校に勤務経験のある私が、中高一貫校に高校から入学する際のメリットとデメリットを紹介しましょう!

中高一貫校とは

中高一貫校とは、中学から高校までの6年間を一貫して指導する学校のことです。高校入試的なことを課す学校もありますが、基準は緩くほぼそのまま高校に進学できます。中高一貫校のほとんどは私立学校ですが、最近は公立でも中高一貫教育をする学校が増えてきました。

気をつけたいことは、中高一貫校と言って全ての学校を一括りに見ることです。中高一貫校を見る上で大事なのは「先取り学習をするのかしないのか」です。

全ての中高一貫校が高校内容の先取りをしているとは限りません。また、コースによって先取りをするコースと、しないコースで分けている学校もあります。大学受験にかなり力を入れているような学校ですと、先取りをする傾向にあります。高校2年生までで全ての内容を終わらせて、高校3年生は受験勉強に充てるというのがよくあるパターンですね。

先取りをしない学校は大きく3つに分かれます。

  • 先取りをする気はないが深めた結果、高校内容もやっている学校
  • 先取りをする必要がない学校
  • 先取りができない学校

まず、偏差値帯が高い目の学校に多いのが、学校として先取りをする気はないが生徒のレベルが高くて中学内容がすぐ終わってしまうので、より知識を深める方向に時間を使った結果、高校内容にも手を出していたということがあります。なので、中学内容と重複するところでは高校内容も扱うということですね。高校になったらまたちゃんと授業しますので、先取りをして高校での授業を短縮する意図はありません。

次に大学へ内部進学できるなど、進路がほぼ約束されているような学校だと、わざわざ先取りするようなことはなく、じっくりと知識が定着することを優先します。大学での学びにつながるように様々な力を身につけていきます。

また、生徒のレベル的に先取りできない学校もかなりの数あります。先取りどころではありません。基礎基本の徹底が行われ、高校内容の理解ができる土台を作りにいきます。

中高一貫校に高校から入学するときに心配なこと

おそらく、下のようなことを心配している人が多いのではないでしょうか。

  • 内部生だけで人間関係ができあがっていて、その中に入れるか心配
  • 先生が内部生を贔屓しているのではないか心配
  • 先取り学習をしているようだけど、勉強についていけるのか心配 など

まず、この心配ごとからご説明しましょう。

内部生だけで人間関係ができあがっていて、その中に入れるか心配

確かに中学までである程度人間関係はできあがっています。特に人数が少ない学校だったり、コース制で1~2クラスしかない場合だと、その関係はより密になっています。

しかし、内部生も新たな出会いを欲していますし、クラス替えもありますので固定メンバーだけで固まり続けるということはほぼありません。逆に内部生は人間関係のリセットができないことをデメリットと思っているぐらいです。入学してみると心配いらなかったということがほとんどですので、安心して受験してもらえればと思います。

それでも心配という方は、生徒数が多い学校や高校からの入学者の割合が多いを選ぶと良いでしょう。人数が多いということはそれだけ新たな出会いも多く、様々な人との交流がありますので、新たな人間関係を築くのに向いています。

私も高校のときの友達なんて学年の生徒数の半分も覚えていませんよ!

先生が内部生を贔屓しているのではないか心配

ハッキリ言ってそんなことはありません。というか、誰が内部生だとか興味なさすぎて入試や卒業のときなどで資料に目を通すまで、内部生だったことを知らなかったなんてケースも多いです。

流石に、担任をしていたりすると生徒との人間関係がある程度できているので、4月当初などは距離感の差を感じることもあると思いますが、指導している側からしたら全員大切な生徒ですので、あえて差を作るようなことは決してありません。安心してください。

先取り学習をしているようだけど、勉強についていけるのか心配

ここが中高一貫校を高校から受験するかどうかの最大の分かれ目だと私は思っています。詳しくは後述のデメリットの項目を見てもらえればと思いますが、高1の1年間を乗り越えれるかに全てがかかっていると言っても過言ではありません。しかし、これを乗り越えた先のメリットは大きいですし、先取りをしている学校を受験しようと考える方は、大学受験も頑張りたいと思っていると思いますので、頑張れるだけの素質はあるはずです。

個人的には中学の勉強がしっかりとできていれば、高1の内容ぐらいどうってことないというのが感想です。しかも全教科先取りしているわけではないのでやる気があればなんとかなる範囲です。

また、先取りをしていない学校を選べばその心配もありません。どうしても心配な方は先取りしていない学校を候補にしてみてください。

中高一貫校に高校から入学するメリット

最終的に先取りができる(先取りしている学校のみ)

確かに最初は大変ですが、最終的には先取り学習ができますので、大学入試のための時間は十分確保することができます。大学入試を突破するには知識をインプットだけでなく、学んだことをアウトプットすることも大切です。そのアウトプットの時間をたくさん取れるのは先取り学習のメリットです。高校から入学してもその恩恵を受けることができるのがメリットになります。

中学内容をしっかり理解できる

高校入試を一回経験して、中学内容をしっかりと身につけているというのは大きなメリットです。逆に中高一貫の生徒は先取りをしていたり、入試がないことによる追い込み不足で中学内容が疎かになりがちです。

高校内容は中学内容の積み重ねでありますので、どれだけ先取りといいながら高校内容をやろうとも、土台がぐらついていたら定着も遅いです。実際に指導している身としては、高校入試組の方が理解力が高いという印象すらあります

入試という競争を直近で経験している

内部生は厳しい受験競争を直近に経験していません。中学受験と高校受験を比較すると、ハッキリ言って一部の上位中学を除くと高校受験の方が厳しい競争になります。また、受験から間隔が空くこともあり、競争の厳しさを忘れてしまっている懸念もあります。指導している側の視点でも6年ぶりの入試にギアが上がらない生徒を多く見てきました。

その反面、高校入試組は間隔があまりあけずに大学受験に臨めますので、しっかりと自分を追い込むことができる生徒が多い傾向にあります。

中高一貫校に高校から入学するデメリット

先取り分の勉強を追いつくのが大変(先取りしている学校のみ)

大体の場合、高校から入学した生徒に向けて授業とは別に講座が用意されています。もしくは、先取りをしている授業では内部生と分割して、別々に学ぶということがされます。この対応は約1年間行われ進度を揃えにいきます。この間、部活動の時間も削られますので、部活動も充実させたい人にはかなりしんどい1年になるでしょう。

内部生は中高6年分の内容を5年間でやりますが、高校入試組は高校3年間の内容を2年間でやることになります。こう聞くと負担が大きそうですが、案外そうでもありません。

まず、全ての教科で先取りをしているわけではありません。大体は英語と数学+αです。全教科だと流石に追いつくのは困難ですが、教科が絞られている分、まだ何とかなります。

また、先取りしているのは主に高1の内容です。高1の内容はそこまで難易度は高くありませんので、難しすぎて手が出ないということにはなりにくいです。

あと、先取りをしない学校だとほぼデメリットがないので、先取り学習がネックの方は先取りをしていない学校やそもそも中学がない学校を検討すると良いでしょう。

中高一貫校に高校から入学することをおすすめできる人

先取り学習をしている学校の場合

  • 難関大学への進学を希望する人
  • 高1の1年間で先取り学習分を追いつける自信のある人

先取り学習をしていない学校の場合

  • 志望する全ての人

中高一貫校に高校から入学することをおすすめできない人

先取り学習をしている学校の場合

  • 高1の1年間で先取り学習分を追いつける自信がない人
  • 指定校推薦狙いの人
  • 部活動も充実させたい人

最後に

今回は中高一貫校に高校から入学することについてご紹介しました。実際に指導している側からすればほとんど心配無用と思っていますので、安心して受験してもらえればと思っています。ただ、一部の人にはおすすめできませんので、自分の希望の進路や高校生活を考えながら選択してもらえればと思います。

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