楽天証券では楽天カードで投信積立をすると買付額の1%を楽天ポイントで還元を受けることができました。しかしそのルールが2022年9月に改訂され、一部の銘柄を除き0.2%還元になりました。今回は改定後も1%還元を受けつつ、楽天証券のSPUを達成できるような投資信託をご紹介します。
楽天証券SPU(投資信託)の攻略記事は以下をご参考にしてみてください。
【新SPU攻略】楽天証券〈新〉SPU攻略(準備編)【2022年4月1日スタート】 【新SPU攻略】楽天証券〈新〉SPU攻略(投資信託編)【2022年4月1日スタート】2022年9月以降の変更点
楽天証券で投資信託を楽天カードで積み立てると今まで1%還元を受けることができました。しかし、2022年9月以降下のように変更がされます。
変更前 2022年8月まで | 変更後 2022年9月以降 |
購入額の1.0%還元 | ・楽天証券の代行手数料が0.4%未満の投資信託 → 購入額の0.2%還元 ・楽天証券の代行手数料が0.4%以上の投資信託 → 購入額の1.0%還元 |
投資信託には信託報酬というものが設定されていて、運用したときの各会社の取り分を指します。信託報酬は運用会社・販売会社・信託銀行で分け合うのですが、今回の例ですと楽天証券は販売会社にあたります。投資信託の信託報酬のうち販売会社(楽天証券)の取り分が0.4%未満であるような投資信託のポイント還元率が引き下げられることとなりました。
要するに楽天証券側が手数料をほとんどもらえない(儲からない)ような投資信託のポイント還元率を下げますよ!ということですね。
しかし、楽天証券の代行手数料が0.4%以上の投資信託であれば引き続き1.0%の還元を受けることができます。しかし、信託報酬が高いということは運用するための費用をどんどん運用会社・販売会社・信託銀行に支払うことになるので、同じような投資商品を購入するのであれば信託報酬が安い方が利益は出やすいです。そのため長期保有前提であれば、ポイント還元よりも信託報酬を抑えてより大きなリターンを得る方が上策と言えましょう。
購入後、即売却が基本戦略
1%還元を狙う場合、購入する投資信託は信託報酬が高くなります。そのため、長期保有するのではなく購入後即売却するのが基本戦略になります。即売却を基本戦略とする場合、以下の2点に気を付けたいところです。
- 買付手数料・解約手数料・信託財産留保額は無料
- 基準価格が変動しにくい
買付手数料・解約手数料・信託財産留保額は無料
投資信託を購入後、即売却する戦略をとる場合、手数料が発生するような投資信託は不向きです。投資信託を購入するときの買付手数料や、売却するときの解約手数料や信託財産留保額が無料の投資信託を厳選しましょう。そうでないと手数料負けして、獲得ポイント以上の損失が出てしまいます。
以降で紹介する投資信託はそれらが無料のものを厳選しています。
基準価格が変動しにくい
投資信託を購入し即売却したは良いが、そのタイミングで暴落が来る可能性もあります。(暴騰の可能性もありますが。)そうなると、せっかく1%還元を受けたとしてもその還元額より大きなお金を失ってしまいます。そういう可能性を極力抑えるために、1日でほとんど基準価格が変動しないような投資商品に投資するのが良いでしょう。
具体的には国内債券です。国内債券はほとんどリターンが期待できないのですが、逆にほとんど価格が下落することもありません。下のチャートを見てもらいましょう。
こちらは「eMaxis Slim 国内債券インデックス」という日本国内の債券に投資する投資信託で、楽天証券の楽天カード投信積立でよく利用されます。図中の緑のグラフが純資産を表しているのですが、月に1回資産が急激に増え、そしてすぐに急落します。これは多くの人が購入後、即売却の戦略をとっているからですね。
最近は下落傾向ではありますが、長期間であってもほとんど変動することは無く、1日単位で見ればほぼ変動はありません。投資信託を購入し即売却するにはうってつけの投資商品で今回の戦略にはピッタリです。
オススメの投資信託
条件は「国内債券に投資する投資信託」「買付手数料・解約手数料・信託財産留保額が無料」「楽天証券の代行手数料が0.4%以上」の4つです。この条件を満たす投資信託をご紹介しましょう。
エス・ビー・日本債券ファンド
主として国内の公社債等へ投資する。国内の国債市場全体に投資した場合の投資収益を中長期的に上回る投資成果を目指して、アクティブに運用する。(楽天証券)
信託報酬は0.902%ですが、楽天証券の代行手数料は0.418%ですので条件はクリアしています。配当金が出ますので、即売り戦略だとその恩恵は受けられませんが、微々たるものなので気にしなくていいでしょう。価格の変動は国内債券の割には大きい方ですが、今回紹介する中で純資産が増え続けているのは魅力的です。
ニッセイ国内債券アルファ
「ニッセイ国内債券アルファマザーファンド」を通じ、主に日本国債等へ投資、国債先物取引等を活用する。リスクを抑制しつつ、「日本の短期金利+α(アルファ)」の収益の獲得をめざす。(楽天証券)
信託報酬は0.935%ですが、楽天証券の代行手数料は0.451%ですので条件はクリアしています。先ほどとは違い、配当はありません。そのため配当金を貰っていないという精神的な損失感はありません。(まぁ微々たるものですが…。)また、ここ1年の振れ幅も-2%以内に収まっていますので、安定感もありそうです。
ニッセイ日本インカムオープン
「ニッセイ日本インカムオープンマザーファンド」を通じ、国内の多種多様な債券(国債、社債、金融債、ABS等)に分散投資を行い、インカム・ゲイン(配当等収益)を中心とした収益の確保に努める。原則、投資適格債(BBB格以上)に投資、ポートフォリオの平均格付をA格以上に保つ。組入債券の残存期間は最長10年程度。各残存期間毎の投資金額が同額程度になるような運用を目指す。(楽天証券)
信託報酬は0.935%ですが、楽天証券の代行手数料は0.44%ですので条件はクリアしています。色々な債券に投資する投資信託です。インカムという名前が付くだけあって、毎月配当が出るタイプの投資信託です。1年間の価格変動も-1%強ですので、今回紹介した中では安定感があります。毎月の配当を取りに行きたくなりますが、長期投資はマイナスになる可能性を高めますのでポイント狙いでしたら即売り安定です。
ダイワ日本国債ファンド(年1回決算型)
主に「ダイワ日本国債マザーファンド」を通じ、日本の国債に投資し、残存期間の異なる債券の利息収入を幅広く確保することを目指す。原則、最長15年程度までの国債を、各残存期間ごとの投資金額がほぼ同程度となるように組入れる。運用の効率化を図るため、債券先物取引等を利用することがある。マザーファンドの組入比率は通常の状態で高位に維持する。(楽天証券)
信託報酬は0.77%ですが、楽天証券の代行手数料は0.418%ですので条件はクリアしています。信託報酬の割に楽天証券の代行手数料が高いのが特徴です。今回紹介した中では唯一、日本の国債のみに投資をする投資信託になっていて、安定度は最も高いです。しかし、最近ではもっと信託報酬が安い国債投資信託が発売されているため、そちらに流れてゴリゴリと純資産が減っています。ポイント還元という点では逆にこの信託報酬の高さはメリットとなっていますので、美味しく利用させてもらいましょう。
私が購入するならこの投資信託ですかね。信託報酬が高く、成績のイマイチと、通常なら購入する要素のない投資信託ですが、1%還元を狙うにはちょうどいいです。まさに楽天ポイントを貰うためにあるかのような投資信託です。
楽天証券SPU(投資信託)も同時に攻略しよう!
楽天証券(投資信託)のSPUの条件は以下の通りです。
- 楽天ポイントコースとマネーブリッジを設定
- 当月合計30,000円以上のポイント投資(投資信託)
この条件を達成すれば楽天市場でのお買い物でポイントが+0.5倍されます。即売却戦略をとるのであれば、30,000円という額は気になりませんので、積極的に狙っていきたいところです。毎月の積立設定をして、約定すれば即売却をし、ポイント還元とSPU攻略を同時に行いたいですね。
最後に
楽天証券の代行手数料を0.4%以上にしようとすると、どうしても信託報酬が高くなりがちです。そのため、今回ご紹介した投資信託は長期で見ればあまりリターンが良くありません。それに、より安定度の高いインデックスファンドに投資したいところでしたが、どこの投資信託も楽天証券の代行手数料が0.4%を越えなかったので、アクティブ運用をする投資信託ばかりとなりました。
しかし長期では下落していても、ポイント還元という視点で短期で売買をするのであれば十分リターンが期待できるので、購入後即売却する戦略を取るのであれば、楽天証券のSPUも攻略できるのでポイント還元的には美味しい投資先ではないでしょうか。