前回、大阪府の教志セミナーは終了したと言っていましたが、大阪市と堺市のセミナーを教えてください!
「大阪市教師養成講座」と「堺・教師ゆめ塾セミナー」ですね。両方とも教員採用試験で有利になるのが魅力的です。今回はこの2つに焦点をあててご説明します。
大阪市教師養成講座(令和3年度)
対象者
大阪市の教員採用試験(小・中・養)受験予定の短大1回生以上、大学3回生以上、現役講師。
現役講師もOKなところが驚きポイントです。ちなみに高校は大阪府へ移管されますので、今年度から採用試験では募集していません。
選考方法
4月初旬〜5月初旬に出願し、6月中旬に面接試験、7月中旬に合格発表という流れになります。
大阪府の教志セミナー廃止の理由のひとつに学力面を挙げていたのに、選考に筆答試験を入れないんだなーというのが感想です。一次試験の筆記試験が苦手な方にとってはまさに助け舟です。
活動内容
大阪市教育センターでの講座受講(15回)
9月〜3月まで行われ、15回の講座には開講式と閉講式を含みます。授業づくりと子どもの理解を中心に講義やグループ協議などを行います。雰囲気としては大阪府で過去にあった教師セミナーに近い雰囲気だと思われます。
大阪市立の小中学校での現場研修(5〜10日)
大阪市の小学校・中学校での研修が予定されています。教育現場に足を運ぶことが少ない学生にとっては、ここでの経験が面接での言葉に重みを持たせるものになりますので、こういう研修はありがたいものです。
1日の学びを言葉で伝えれるような練習をすると面接で活きてきますよ!
授業研究会・研究発表会(希望者のみ)
(希望者のみ)という言葉に謎の圧力を感じます。本当に希望者のみなのでしょうか。私には分かりません。参加するかしないか、どっちが教員採用試験に有利かと聞かれれば参加した方が有利です。
採用試験での優遇
講座修了者には、令和4年度の採用試験で受講した校種(教科)の1次試験(面接・筆答)を免除。
ハッキリ言って激アツです。3次試験がありませんので、2次選考のみで合否が決まります。なんといっても面倒な思考力判断力を測る問題(公務員試験的なあれ)と教職教養を勉強しなくていいというアドバンテージがデカすぎます。
ぶっちゃけ現役教員から言わせてもらえば、この筆答試験の必要性をあまり感じません。教員になったらほぼ使いませんので!それより教科の試験を中学内容と高校内容に分けて2回やった方がいいのでは?と思います。
しかも、講座受講者の合格率も掲載されていて、全校種で7割以上の合格率を誇ります。この数字は大学推薦選考や教職大学院推薦選考と同レベルの合格率ですので、一次免除以外にもどれだけ優遇されているかが分かります。大阪市で教員を目指すなら絶対に受講すべきものです。
強い(確信)。
堺・教師ゆめ塾セミナー(令和3年度)
対象者
教員志望の大学3年生以上、大学院生、社会人。
※大学1、2年生は別に「堺・学校インターンシップ」が用意されています!
選考方法
なし
登録制で、登録が済むと教育センターが堺市立の学校園と登録者を仲介してくれます。そして、登録者に連絡があり、登録者が実際に学校園に連絡し話を進めていく流れになります。選考はありませんので、登録すればもれなく受講できます。
活動内容
堺市立学校園での実地研修
幼稚園・小学校・中学校・高等学校・支援学校から選べ、学校での様々な活動を補助します。メインで授業することはありませんが、活動内容は多岐に渡りますので、教員を目指す上では良い経験になるでしょう。
活動が10回を超えた段階でセミナー担当者に連絡をすると、11回目以降にセミナー指導員による実地指導を受けることができます。というか、それが採用試験での優遇を受ける条件ですので絶対に指導を受ける必要があります。
堺市教育文化センターでのゆめ塾セミナー
3種類の内容が複数日程であり、それぞれ半日で終了します。3種類全て受講しないと採用試験での優遇を受けれませんが、大阪市や過去の大阪府と比較して圧倒的に負担は少ないです。
採用試験での優遇
以下の条件を満たした場合、1次試験のときに10点加点さます。
- 活動 11回以上
- 実施指導 1回以上
- セミナーを異なる3講座以上受講
大阪市と比較して、受講のための選考テストが無かったり、講座受講の負担が少ないこともあり、試験免除ではなく、加点にとどまっています。それでも、有利なことに違いはありませんので、堺市で教員を志望されるのでしたら是非とも受講することをおすすめします。
なんか大阪市のよりお手軽感がありますね!
最後に
今回は大阪市と堺市の教員採用試験で優遇されるセミナーのご紹介でした。どちらも労力の割にメリットが大きいので、この2市で教員を考えている方は是非とも受講することをおすすめします。
ちなみに、大阪では他に大阪府の教員採用試験と豊能地区(豊中市・池田市・箕面市・豊能町・能勢町)の教員採用試験がありますが、この2つにはこのようなセミナー受講による優遇措置はありませんでした。