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【教員採用試験】私立学校の秋採用

先輩が公立の教員採用試験がダメだったみたいなんです。公立の講師登録をするか私立を受験するかで悩んでるみたいでした。

公立はこれくらいの時期に1次試験や2次試験の結果が出るころですね。公立の講師登録は運に任せることにもなりますし、3月までドキドキかつ、最悪無職までありえますもんね。

そうなんですよね。私立だと自力で採用を決めれるからどうしようかなって言ってました。

では、そんな悩める人たちに向けて、今回は私立学校の教員採用試験(秋)についてご紹介しましょう。

まずは予備知識

大学生や私立をはじめて受験される方に気をつけてもらいたいのが、公立と私立での職名の違いです。それぞれサクッと説明しましょう。

公立の場合

・教諭:正規雇用でフルタイム

・常勤講師:教諭と同じ仕事をするが非正規雇用

・非常勤講師:授業だけを教える存在で非正規雇用

私立の場合

・専任教諭:正規雇用でフルタイム(=教諭)

・常勤講師:教諭と同じ仕事をするが非正規雇用

・非常勤講師:授業だけを教える存在で非正規雇用

職名はほぼ同じですが、その中身は微妙に違います。公立と私立の雇用形態による仕事や待遇の違いについて、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

私立学校の教員採用試験・秋採用とは?

秋採用とは私立学校で行われる教員採用試験のうち、秋に採用が決まるもののことを言います。そのため、選考は夏ぐらいから始まるのが一般的ですので、乗り遅れないように気をつけましょう。

秋採用の他には春採用(春〜夏に採用が決まる)や冬採用(年度末ギリギリ)、不定期採用があります。

それぞれの採用試験の目的と特徴

  • 春採用専任教諭の募集もあります公立より先に優秀な人材を確保することが目的です。公立と同様かそれ以上のガッツリとした試験内容です。
  • 秋採用:春採用では応募者が集まりづらい学校か、のんびりしている学校です。公立の後でやることにより、十分な応募者を確保するのが狙いです。ただ、優秀な人材は公立に取られているので、専任教諭の募集は少なく、ほぼ常勤講師です。公立並の内容の採用試験が行われます。
  • 冬採用:秋採用でも集まらなかった、もしくは突発的な退職で来年度の人員を確保できない場合の募集です。春・秋と比較して非常勤講師の割合が高くなりますが、学校も焦っているので採用率は高いです。専任募集はありません。試験内容もあっさりです。
  • 不定期採用:4月になっても教員を確保できなかったり、事故や病気等で突如長期の空きが発生した場合など、学校としては予期せぬ採用です。常勤講師の割合もまあまあありますが任期は短めなことが多いです。専任募集はありません。こちらも試験内容はあっさりです。

秋採用の試験内容

  1. 書類試験
  2. 筆記試験(教科or実技・適性検査・小論文)
  3. 模擬授業・教科面接
  4. 管理職面接
  5. 役員面接

1番長いパターンですとこれでしょうか。これより短い場合がほとんどです。また、専任募集はガッツリ試験を行いますが、常勤講師や非常勤講師は簡略化されていることがあります。では、個別に見ていきましょう。

書類試験

まず、書類試験ですが出すまでのハードルが高い目です。エントリーシートの他にも志望理由書などの作文を要求されるので出すまでに時間が取られてしまうので、嫌気がさす人も多いかもしれません。また、大学の成績を要求されることもあるので書類集めも大変です。逆にそういう提出物が面倒系の学校は志願者が多くならないのでチャンスと考えることもできます

通過率は学校により様々です。問題なければ通過させるところもあれば、結構絞るところもあります。内容というよりは、後述の筆記試験を見越して採点しやすい数まで絞り込むこともあります。

私も書類試験で落ちたことありますよ!

筆記試験

この段階で20~30人ほどになっていることが多いでしょう。そして、このとき初めてライバルとの顔合わせです。直接喋りはしませんが、気合が入る瞬間です。また、公立の採用試験とは違い年齢層が結構幅広いように感じるかもしれません。

ほぼ必ず出題されるのは志望する教科に関する問題です。公立のような教科の指導要領からの出題もありません。(というか、そんな学校聞いたことありません。)また、実技系の場合は筆記をやらず、実技試験を行うこともあります。

試験問題はその学校の教員によって作られることが多いです。法人が大きければ法人単位で作ることもあります。問題の難易度はピンキリですが公立と比較すると高いです。偏差値帯が低い学校でもガッツリと出題されますので対策は必至です。ただ、どの学校もよく使われるのは阪大と京大の過去問なのでこのあたりは触っておくと良いかもしれませんね。

また、教科の試験以外にも適性検査を課すところもあります。クレペリン検査(ひたすら足し算をさせられるやつ)などです。絶望的にできないと問題でしょうが、合否にはあまり影響しません。

小論文は合否に影響します。大体は教育全般に関わることか、その学校の教育と絡めての出題が多いです。対策無しで臨むのは危険ですので、書き方の練習と学校に関する調査は進めておくべきです。どの道、面接のときに必要になるので先取りと思ってやりましょう。

模擬授業・教科面接

これは分ける学校と一緒にやる学校がありますが、大体は一緒に実施する学校が多い印象です。先生も暇ではないんでね。同時にするなら模擬授業を先にやることの方が多いです。

ここまで来ると大体2〜3名に絞られていることが多いです。時間がずらされているので、他の受験者の様子は分かりません。

模擬授業が合否を分ける最大の山場です。ここで会心の授業をできれば、合格にグッと近づきます。公立のように複数人採用では無いので、安牌授業で合格するほど甘くはありません。事前にテーマが与えられていることがほとんどですので、しっかりと対策をしていきましょう。ここを突破すればゴールは目前です。妥協せずに追い込みましょう。

教科面接は、教科の指導についての質問がほとんどです。これまでの経験であったり、大学の時の専門などについての質問が多いですね。模擬授業と一緒に行われる場合は、その模擬授業に関することも聞かれたりします。採用されれば来年度から一緒に働く先生たちです。一緒に働きたいと思ってもらえるような受け答えを心がけましょう!

管理職面接

管理職面接まで行ったら1人に絞っているので、ほぼ勝ち確と思ってもいいでしょう。管理職面接でまだ候補者を絞りきっていないということは、管理職が教科を信用していないということですので。

教科の面接より学校全体としての質問が多くなります。しっかりと受験する学校のことはリサーチしておきましょう。学校のことを知らなさすぎると大どんでん返しをくらうことになります

管理職も元は一般教員ですのでなんらかの教科を教えていました。なので、管理職と教科が被ると教科の質問も飛んできますので一応心構えはしておきましょう。

役員面接

法人が大きいとさらに役員面接もありますが、規模によっては管理職面接と同時に行うこともあります。ここで覆されることはあまりありませんが、油断せずに対策をしていきましょう。質問内容は管理職面接とあまり変わりません。法人のこともしっかり調べておきましょう!

まあ、私は役員面接で落ちたことがありますけどね!本当に油断してはいけませんよ!

秋採用の注意点

  • 専任募集ありでも気をつける
  • 公立の講師登録と併願は禁止

この2点について詳しく見ていきましょう。

専任募集ありでも気をつける

「秋採用なのに専任募集してる!乗り込めー!」となりそうなところですが、よく確認しましょう。専任のみ募集なら大丈夫ですが、常勤講師との同時募集ではありませんか?この場合、専任を餌に常勤で採用するのが学校の目的です。

えっ!そんなの詐欺じゃないですか!

はい。そうならないように専任もちゃんと採用していますよ。

どういうことかというと、内部の常勤講師を専任にする試験を同時に行っている場合があります。夏までの働きを見て、これなら専任で大丈夫だなというときに一緒に選考を行います。外部の一般受験者と一緒に最初の筆記試験から受験することもあれば、いきなり管理職面接からスタートできたりと様々です。とりあえず、同じ選考の中でやっているので専任採用者はいることはいます。

公立の講師登録との併願はやめておきましょう

公立の講師登録の結果が分かるのは3月中旬です。それ以前に私立の結果が分かり、契約まで行っていますので併願はできません。(厳密には何らかの理由をつけて辞退はできますが、辞退した学校に滅茶苦茶迷惑が掛かります。)

ただ、採用をもらっても契約前なら辞退はできますので、公立の採用試験との併願や、他の私学との併願であれば日程的に可能にはなります。

また、これは秋採用に限った話ではありませんが、次年度公立の教員採用試験を受験する場合、私立の常勤講師では講師枠での出願はできないことが多いので、公立の募集要項はよく確認しておきましょう。大阪の場合ですと、大阪市は私立の常勤講師でもOK(勤続年数の指定あり)で、大阪府・堺市・豊能地区は私立の常勤講師は不可(公立の常勤講師に限る)になっています。

最後に

今回は私立学校の秋採用についてご紹介しました。私自身、公立の採用試験に落ちて、私立を受験したことがきっかけでその後も私立で働き続けています。3月の講師登録の結果が不安で待てない方は私立学校も選択肢に加えてみてはどうでしょうか?

私も公立の採用試験に4度落ちたことのあるベテランですよ!

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