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大阪教志セミナーを振り返る

大阪府の公立学校で教員として働きたいんですけど、何か有利になる方法ってないんですかね?

んー大阪府ですかー。今は劇的に有利になるものはないんですが、大阪府には以前、大阪教志セミナーなるものが存在して、この受講生は試験で優遇されていたという過去があります。実は、私も初期の教志セミナーの受講生でした。

えっ!なんですかそれ!詳しく教えてください!

では、今日は大阪府の教員採用試験で優遇されていた教志セミナーについて、初期セミナー生の経験も含めて振り返ります。

大阪教志セミナーとは?

大阪教志セミナーとは、大阪府教育センターが主体となり大阪府の公立学校で教員をしたいという学生を集めて講習(12回程度)と実地実習(10日程度)を行い、教員として必要な資質や心構え、指導力を養うセミナーです。

平成20年度の1期生から始まり、平成30年度(この時は講座申込制)までの11年間行われていました。

参加するには?

対象者は大学1〜3回生と短大1回生です。

※初期は教科の縛りはありませんでしたが、教科の縛りを設ける年もありました

大体5月ごろまで募集が行われ、応募した学生の中から面接などを通して選考し、セミナー生を決定します。私のときは書類選考集団面接・集団討議でした。

面接内容は比較的優しいものが多く、答えやすいものばかりだったと記憶しています。また、集団討議のテーマは「理想の教師像」だった気がします。私のグループは「みんなで合格しよう!」感がある集団で、うまく全員で話を回せていましたので、開講式にはみんなと再開できました。

その後、教員採用試験での優遇が始まった頃から、小論文面接試験での選考に移行していきます。この頃でも面接に集団討議が含まれ続けたかは不明です。

教志セミナーが終了する平成30年度には、選考がなくなり講座への申し込み制(先着順)になりました。なお、この年には後述の教員採用試験での優遇がなくなりました。

私は大学に貼られていたチラシを見て参加しようと思いました。そのチラシを見ていなければ参加しなかったでしょうし、存在すら知らなかったと思います。

セミナーの内容は?

セミナーの内容は初期から最終年を除きほとんど変わりません。(最終年だけ講習のみ。)

大阪府教育センターでの講座が全12回(開講式・閉講式含む)です。講座の内容は授業づくりや生徒理解、教員としての資質に関わる部分が主です。教育大学の大学生でしたら大学で学ぶような内容も含まれますが、実際に大阪で働いていた教員からも話を聞けるので、リアリティーがあります。

そして、実地実習が10日間あります。どちらかといえばこちらの方が学ぶことが多かったです。教育実習とはまた違った立場から学校を経験でき、教育実習生のような学生的な扱いではなく、一職員のような扱いを受けますので、毎日が刺激的であったことを覚えています。また、教育センターから指導員が派遣され、私の働きぶりを見にきてアドバイスしてくれることもありました。これは特別ですが、教志セミナー初期でしたので文部科学省から数名、私の活動風景を視察に来られ、最後には会議室で話を聞かれたことがありました。これには流石に焦りましたし、実習先の校長も心なしかオドオドしていたのを覚えています。

大きくはこの2本立てです。これを全て終えると終了とみなされ、教員採用試験で優遇がある年であれば、これで優遇のための条件を満たすことになります

教員採用試験での優遇は?

初期(1期生〜4期生)は何もありませんでした。そう、私は優遇を受けられなかった立場です。ただ、面接で教志セミナーのことを話せるというメリットがあったので、それをゴリ押ししたのは覚えています。

前述の文部科学省の人に「教員採用試験で優遇とかないけどどう思う?」と聞かれたときに「採用試験に直接優遇がなくても、研修を通して良い経験と教員としての力が身についていくので問題ありません。」とドヤ顔で返したのを覚えています。

その後、平成24年度の5期生から教員採用試験での優遇が始まり筆記試験(教職教養・一般教養)と最初の面接試験が免除になりました。いきなり最終試験からの登場になりますので、かなりの優遇っぷりです。優遇が始まった途端セミナーの応募者は2倍以上に跳ね上がりました。

あんなドヤってた数年後にこの変更ですので、ズコーっとなりました。

しかし、この優遇には問題点(後述)が多かったようで、教志セミナー最終年度には優遇がなくなり幕を閉じました。

他にメリットは?

私の場合、一緒に教員を目指す仲間と時間を共にできたのが最大のメリットです。同じ校種(教科)であればライバルになりえますが、1つの席を奪い合うわけではないので私は気になりませんでした。一緒に同じ方向に向かって頑張る仲間がいることでの安心感もあります。また、グループワークなどで違った目線からの意見を聞くことで得られる新たな学びは面接や模擬授業などでも活きてきます

採用が決まったあとも、交流があるかと言われればほとんどないのですが、それでも採用試験まで協力して頑張れたことは良い経験です。

なぜ、大阪教志セミナーはなくなったのか

大阪教志セミナーの効果と役割に関する調査・研究(平成28年3月)によると、一番の理由は「1次試験を免除するだけの学力が備わっているのか」が挙げられています。

講座を受講するための選考に学力試験が入っておらず、セミナー内でも学力を向上する取り組みや試験が実施されていないのですから、当然といえば当然で、それを理解しての免除だと思っていましたが、教育委員会としてはそうではなかったようです。そして、この調査報告から2年後の平成30年度から優遇措置がなくなり、教志セミナーは幕を閉じるのです。つまり、試験を免除するだけの学力は身についていなかったという結論です

最後に

今回は大阪府に過去あった大阪教志セミナーについてご紹介しました。セミナー生だった身としては、行ってて良かったなと思えるような良いセミナーでした。現在は募集停止していますが、いつかこのようなものが復活するかもしれませんので、情報は要チェックです!

へー。そんな制度があったんですね。でも、今は無いんじゃ結局使えませんね。

ところがどっこい。大阪府では無くなりましたが、大阪市と堺市ではあるんですよ

えっ!な、なんですって!

では次回は大阪市の大阪市教師養成講座堺市の堺・教師ゆめ塾セミナーについてご紹介します!

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