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【高校入試】体育科・スポーツコースのメリット・デメリット

通常のコース以外にも体育科・スポーツコースってあるみたいだけど、何か違うの?うちの子勉強苦手だから体育系に興味あるみたいで…。

体育系の専門コースを設置している学校は他の教科特化型のコースと比べて結構特殊です。今回は体育科・スポーツコースのメリットとデメリットをご紹介しましょう!

体育科・スポーツコースのメリット

教育課程(カリキュラム)が専用のものに

学校で行われる教育計画(どの授業を何時間やるかなど)を教育課程(カリキュラム)と言います。これが体育科・スポーツコースの場合だと、特別のものが作られ、体育に関する内容が多くなります。もちろん体育のみにすることは無理ですが、文部科学省が定める範囲内で体育関係の授業を増やすことが可能です。体育関係に興味がある生徒にとっては、学びたいことを重点的に学べる環境にあります。

特定の教科が苦手でも、原則逃げることはできませんが、授業数は比較的少なく設定されます。

部活動に集中できる環境が整っている

体育科・スポーツコースは部活動も盛んです。むしろこっちをメインと思っている生徒も多いでしょう。体育科・スポーツコースを設置している学校の多くは、そのスポーツの強豪校として名を連ねています。

まず時間面で環境が整っています。前述の通り、特別のカリキュラムが設定されていて、6時間授業でサクッと授業が終了するところが多く、その後の部活動の時間を十分に確保できます

次に施設面です。体育科・スポーツコースというだけあって、運動施設はかなり充実しています。体育館が複数あったり、専用グラウンドが用意されているなど普通の高校では想像もつかないような施設が用意されています。そのため、場所の制約もなく、部活動に集中することが可能です。

普通の学校なら1週間に2-3回ぐらいしか体育館が使えないなんてこともザラです!

最後に人的面です。運動が好きな生徒が集まっていますし、スポーツ推薦を導入している学校もあります。そのため、競技者のレベルは高く、特にチーム競技では圧倒的な層の厚さです。ハイレベルな中で切磋琢磨でき、全国大会などに進める機会も多いことでしょう。また、指導者も最高級の指導者を揃えていて、専門的な指導を受けられることでしょう。この傾向はお金を出して人を積極的に集められる私立学校の方が強いですね。

目標を共にする仲間が多い

体育科・スポーツコースはその生徒だけを集めた特別なクラスを編成します。そのため、クラスの生徒の大半が特定のスポーツで良い結果を残したいと思う生徒ばかりになります。そのような仲間と共に目標に向けて頑張りたい生徒にとっては良い環境でしょう。

授業のレベルは控えめで、授業について行きやすい

クラスで行われる授業(体育以外)のレベルはお世辞にも高いとは言えません。というのも、勉強がスポーツの妨げになることをできるだけ避けたいからですね。この傾向は私立学校の方が強いです。私立学校の場合、競技の実績が生徒募集に大きくかかわってくるので、学校としても競技を頑張ってほしいと思っています。

そのため、授業の難易度や進度はみんながついて行きやすいレベルに設定されていますので、勉強面での心配事は少なくてすみます。そもそも勉強が苦手な生徒が集まる傾向にありますので、全員を卒業させるために授業難易度はかなり抑えられています。

さすがに全く勉強しなければ留年もあり得ます。ただ、まじめに頑張っていれば授業時間内で何とかなるレベルです。

スポーツ関係の推薦が豊富

体育科・スポーツコースとしてアピールしていますので、大学から来る指定校推薦などはスポーツやその関係のものが一般の高校より多い傾向にあります

また、競技成績が良く、大学関係者の目に留まれば個別に推薦の話が来ることもあります。プロのスカウトの目に留まればいきなりプロデビューということも!そういう意味でも、強豪校に所属して全国大会など多くの人の目に触れる環境に出る機会を増やせることも利点ですね。

さらには、顧問経由での推薦もあります。これは私立学校で多いのですが、大学と密接な関係にある顧問が特に優秀な生徒を大学に推薦する受験ですね。この場合だと、かなり名のある大学に進学することができますので、競技を続けていく上ではかなり魅力的です。

体育科・スポーツコースのデメリット

人間関係はほぼ固定

大規模な高校だと大丈夫ですが、1~2クラス程度の設定だと人間関係はほぼ固定されます。順風満帆な学校生活を送ることができれば良いですが、人間関係でトラブルが起こると引きずる可能性はあります。

また、スポーツ以外の目標がある生徒との交流が少なくなるのも難点です。幅広い交友関係と多様性を育む面では不向きです

競技実績が進学に大きく影響する

大学進学に大きく影響を及ぼすのが競技実績です。良い競技実績を残すことができれば引く手数多なのですが、そうでないと極端に厳しくなります。特にスポーツによる推薦入試が使えないとなると、学力で合格を決めないといけないのですが、そこまで勉強してきていないことでしょうから苦戦は必至です

個人競技でしたら自分の成果を発揮できる機会もあり、まだ納得感はあるかもしれませんが、チーム競技だと試合に出ない限り活躍の機会がないので、力を発揮する場もままなりません。

このように、進学面で不安があるのが難点ですね

大学付属でも要注意

私立学校の場合に多いのですが「ここの高校は大学付属の学校だから大学も安心!」と思っている方も多いかもしれません。しかし学校によってはスポーツコースを大学への内部進学対象者から外している学校もあります。入試相談などの機会に問い合わせるか、パンフレットなどに記載されている進学情報を参考にしましょう。

就職も大変

進路系の不安は就職でも続きます。プロのスポーツ選手になれるのはほんのひと握り、プロスポーツを引退した人ですら再就職が難しい時代です。スポーツで食べて行くことは大変で、スポーツトレーナーや体育教員などが人気の就職先でしょう。しかし、残念ながらもう飽和状態です

例えば教員の場合ですと、教員不足と言われている時代ですが、中学と高校の保健体育科は他の教科と比較して高倍率をキープしています。令和4年度の大阪府を例にしますと、中学校の平均倍率が4.4倍なのに対して、中学保健体育科は9.8倍、高校の平均倍率が5.0倍なのに対して、高校保健体育科は8.9倍です。(小学校なら教科の区別がなく、過去最低水準の倍率が続いています。)また、そもそも教員という仕事がブラックであること、採用されても非常勤講師の割合が高いことなど受難が続きます。

スポーツを仕事にしたい人に対して、スポーツに関わる仕事が圧倒的に少ない状態ですので、就職面でも不安があります

スポーツ推薦

スポーツコースがある私立学校の場合、スポーツ推薦を用意していることもあります。スポーツ推薦は「経済的な支援はしないが、合格を保証する推薦」(主に高偏差値校)と「経済的な支援をし、合格も保証する推薦」(主に低偏差値校)があります。

スポーツ推薦について詳しくは以下の記事もご参考にしてみてください。

【高校入試】スポーツ推薦のメリット・デメリット

最後に

体育科・スポーツコースは勉強が苦手だけど、体を動かすのは好き!という生徒には非常に魅力的ですよね。しかし、高校で人生が終わるわけではありませんので、その先まで見通すことが大切です。大学や将来の仕事などにどう活かすことができるかをよく考えて、貴重な高校時代を過ごすため最適な選択をしましょう!

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