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特別支援学校教員の働き方(授業編)

特別支援学校の教員に興味があるんですけど、働き方って一般校と違うんですか?

公立の一般校と同じ雇用形態になるのですが、働き方は結構変わってきます。今回は特別支援学校の教員の働き方(授業編)をご紹介します。

注意

特別支援学校で勤務歴のある私の実体験をもとに話を進めていきますが、知的障害の生徒が中心の特別支援学校(小・中・高)の話です。また、当時とは状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください。

補足

日常編は以下の記事をご参考にしてください。後日、学校行事編を投稿予定です。それらについては、少々お待ちください

特別支援学校教員の働き方(日常編)

授業はチームティーチングがほとんど

特別支援学校での授業のほとんどは、チームティーチング(以降TTとします)で行われます。そのため、T1(メインとなる教員)とT2(サブとなる教員)が協力して授業を進めることになります。支援が必要な生徒ばかりの授業ですので当然ですね。

授業の内容についてはT1が考えるのですが、場合によってはT2にも協力してもらいながら授業づくりをします。しかし、T2の教員も別の授業ではT1をやっているケースがほとんどですので、その人の授業準備もあるので頼みづらいのが正直なところです。また、授業内容次第では事前にT2にどのようなことをするのか伝えなければならないので、そういう面でも一般校とは違うめんどくささがあります。

グループ分け

一般校の場合、クラス単位で授業を受けるのですが、特別支援学校の場合は障害の程度などを考慮したグループ分けが行われます。

そのため、クラス単位で授業を受けることはあまりなくグループ単位で授業を受けることが多いです。特に算数や国語など知的レベルが問われる教科にこの傾向は強いですね逆に実技系教科でしたらそれぞれのグループで重度〜軽度までが満遍なくいるようなグループ編成にします

担当授業の決定

授業ごとのグループが決まれば、どこのグループをどの教員が担当するかを決定します。重度・軽度などでザックリグループ分けして、先に教員だけ割り振って、後から生徒を割り振るパターンもあります。所属学年自体は前年度の末に決まっているはずです。初任者や転任者もいますので、新年度になってから担当者を決定していきます

一般校であれば、自分の採用された教科を教えることになるので、所属学年さえ決まればあとはどの教科を担当するかは大体察しがつきます。しかし、特別支援学校の場合は自分の採用科目でなくても指導することになるので、どの教科を担当するかはこの会議にかかっています

とは言っても、採用された教科ごとにある程度優先して名前が入れられます。音楽で採用されたらほぼ間違いなく音楽の授業でT1となります。しかし、教科のグループ数より専門教員の方が少ない教科もありますので、やむなく専門外の教科のT1をやるときもあります。

私も色々な教科のT1をやりましたよ!

休み時間・空き時間

生徒の休み時間は教員の休み時間ではありませんむしろ授業で何かに集中している方が平和で、生徒が暇を持て余す休み時間の方が警戒が必要です

また、TTが主流の特別支援学校において、T1でなくてもT2としてなんらかの授業に入ります。そのため空き時間はあまりなく、1日に1コマ空きがあれば良い方です。一般校の中高と比較すると空き時間はかなり少ないです。空き時間は自クラスの連絡帳の記入など完全な休憩になる訳ではありません

授業の内容

授業の内容は一般校とはかけ離れていて、一般校の学習指導要領は使いものになりません。生徒の様子を見ながら、その状況に合わせて指導内容を考えます。生徒に身につけてもらいたい力を考えながらになりますので、そういう意味では授業準備はかなり大変です。

障害の程度が同じぐらいなら授業準備もまだマシですが、重度から軽度まで揃うようなグループ編成だと、同じ内容の授業であっても様々な教材を用意しなければなりません。安全への配慮もあり、使う道具まで考えなければなりません。一律の準備ができないのが支援学校の大変なところです

散歩

支援学校が大好きなのが「散歩」です。散歩の時間は意外と大切で、室内に籠りがちになる生徒を外でリフレッシュさせ情緒を安定させる効果や、集団行動を身につけたり、軽い運動で運動機能を高めるのにも効果があります

支援学校では散歩の時間が多用されていて、困ったら散歩に出ようという結論によく至ります。散歩している最中は比較的平和ですので、教員としても貴重な時間です

支援学校の立地は人が多いような地域から離れている傾向にあります。そのため、支援学校の周りは人通りも少なく、公園が多いこともあり散歩にはちょうどいい立地になっていて絶好の散歩スポットです。

プール

こちらも衝撃的かもしれませんが、全教員がプールの指導にあたります。特に一般校の中高教員にとっては驚きでしょう。

しかもプールの授業をするだけでなく、着替えるところから一緒です。この点も大変で、着替えだけでかなりの時間を要します。そういう意味では小学校よりハードですね。ちなみに、体育教員でなくてもT1になることもあるので、指導内容を計画することも求められます。

評価

定期考査はありませんので、数字での評価はできません。各学期ごとに各教科で生徒ごとに文章による評価を行います。これがとてつもなく大変です。支援学校の場合生徒数が少ないのがせめてもの救いですが、それぞれの生徒に対してできたことを記述するのは時間のかかる作業ですし、正直書くネタのない生徒もいます。特に重度の生徒となると変化が少ないので毎学期同じような文章になってしまいます。

一般校にいると定期考査を大変なものと感じてしまいますが、支援学校だと定期考査による数字での評価を羨ましく思ってしまいます。

最後に

今回は特別支援学校の授業についてご紹介しました。特定の教科の授業を担当する一般校とはかなり違いがありますね。教科に対する専門的な知識までは必要とされませんが、専門外の教科の指導もしなければならないのが特別支援学校で働く上での特徴ですね。

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