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クラス替えの真実。学校はどこまで要望を聞いてくれるのか?

そろそろ子どもの学校のクラス替えなんだけど、学校に要望って伝えても良いのかしら。

んー。度合いにもよりますが、伝えてみても良いかもしれませんね。今回はクラス替えについてご紹介しましょう!

クラス替えの主な手順

一般的な手順は以下の通りです。

  1. 男女別で成績順に並び替える
  2. 配慮生徒をトレードする
  3. 担任を決める

男女別で成績順に並び替える

まず、ベースとなる案を考えます。ここでは成績を使うことが多いですが、学校によっては模試の成績を考慮したり、特定の教科の成績を重視したり様々です。勉強に力を入れている学校では模試や5教科、3教科(国数英)の成績を重視する傾向にあります。逆に総合力を大切にする学校は体育などの成績も含めた総合的な成績で並び替えることが多いです。

配慮生徒をトレードする

学級担任は配慮生徒をすでに把握しています。また保護者からの要望を反映させるのもこのタイミングです。特定のクラスがしんどくならないために、配慮が必要な生徒を満遍なく散らせます。できるだけ全クラスの負担が均等になるように入れ替えていきます。

しかし、優先順位が高いものから低いものまで様々です。優先順位が高いものから順にトレードしていって、優先順位が低いものは叶わないこともあります。優先順位としては以下のようなものが一般的でしょうか。

優先順位:高

同姓の生徒

不登校生徒

支援が必要な生徒

要注意保護者

担任が分けた方が良いと思う生徒

保護者から要望を受けているもののうち、担任が必要性を感じるもの

優先順位:低

親がPTA役員の生徒

ピアノが弾ける生徒(音楽会などがある場合)

リーダーシップのある生徒(各種委員候補)

生徒同士の相性(一緒のクラスにした方が良い系)

保護者から要望を受けているもののうち、担任が必要性をあまり感じないもの

まず、優先順位が高い課題から解決していきます。保護者からの要望も担任が必要性が高いと判断すれば優先的に解決できるようなクラス替えを行います。ただ、クラス数が多かったり、配慮生徒が少ないと非常にスムーズなのですが、そうでないとこの段階からかなり難航します。

優先順位が高い課題を解決できれば、次に優先順位が低い課題の解決を行います。第一段階ですでに難航している場合は解決することはかなり難しく、課題があるのは分かっているが放置せざるをえない状況になることもあります。

側から見て「このクラス分けは問題があるのでは?」と思われるときは、それ以上の問題を解決するためにやむおえない状況に陥っていると考えて良いでしょう。

担任を決める

最後に学級担任候補の教員をどのクラスに配置するかを決定します。ほとんどの場合はどの教員がどのクラスの担任をしても良いのでくじ引きなどで決めることが多いです

しかし、「この生徒(保護者)の担任はこの教員しか無理」「この生徒(保護者)と教員がうまく行っていない」など制約がある場合は意図的にクラス担任を決定していきます。また、コース制を敷いている学校であればこのコースの担任はこの教員というふうにすでに決まっていることも多く、担任が決まっている状態でクラス替えを行っていくことになります。

管理職パワーが強い学校だと、どの教員がどのクラスを担任するか決まっていて、管理職パワーがそこまで強くない学校だと、教員たちでクラス担任を決定できる傾向にあります

要望は伝えても大丈夫?

要望は伝えてもらっても大丈夫です。むしろ、クラス替えが決まってからクレームを言われる方が面倒です。学校としては保護者の意見で学校の決定を曲げる方が嫌がります。ただ、以下の点には注意しましょう。

学校からの返答はどこも同じ

学校はその場で「分かりました。そのように致します。」なんてことは言いません。要望を必ず実現できる保証はありませんし、保護者の要望をおいそれと聞いてくれる学校と思われたくもありません。(今後要求がエスカレートしてくることが多いです。)返答は「話はお伺いしましたが、それが実現するかは分かりませんのでご了承ください。」といった感じになるでしょう。

要望が通りにくい学校

要望してもそれを実現できる状況にない学校というのも存在します。具体的には以下のような例ですね。

  • クラス数が少ない
  • コース制を導入している
  • 選択教科がある

これらは物理的にクラスを分けたくても、クラス編成に制限があるため実現することが困難になります。過去にあった要望では、「〇〇くんとは、別のクラスにしてください。でも、うちの子は被害者なので別のコースに移る気はありません。」というものです。要するに〇〇くんを別のコースに移せという要望ですね。これは不可能になります。

また、選択科目があるような学校も制限が多くてクラス編成が難しくなります。選択科目によってある程度クラスが決められてしまいます。学校の手続きとして、まず選択科目によってどのクラスにどの選択の生徒が何人入るかを先に決めてから、そのあと生徒を入れていきます。そのため、選択科目によっては同じクラスになることが確定的な場合も多いです。また、別の選択をしたからと言って別のクラスになるとも限りません。人数の加減で別の選択の生徒を同じクラスにした方が人数的にちょうどということも良くあります。

〇〇くんとは別のクラスにしたいので、〇〇くんの選択科目を教えてください。」なんてことを聞かれることもありますが、教員からは絶対に教えません。生徒内でうまいこと調べてください。

通りやすい要望と通りにくい要望

〇〇さんとはこういうトラブルがありました。そのため、〇〇さんとは別のクラスを希望します。」この手の類は比較的通りやすい要望です。トラブルの具体性と信憑性、緊急性が大切ですが、大体の場合は聞き入れられます。

逆に通りにくい要望は「対象生徒の人数が多い」「〇〇さんと同じクラスに」「教員配置に対する要望」ですね。要望を伝える保護者は少数ですが複数いますし、要望が無くても教員で分けた方が良いという判断をすることもあります。そうなってくると結構複雑で、絡み合った糸をほぐすように少しずつ解決していきます。ここで、人数が多い要望を出されると全てを満たすことが困難になります。

また、同じクラスにして系も難しいです。相手方も同じことを思っているのでしょうか?もし思っていたとしても両者ともに合理的な理由があるのでしょうか?この手の要望は叶えてしまうと、どんどん他方からも要望が出てきて収拾がつかなくなるので、実現するかは怪しいです。

教員人事にまで口を出す保護者も数名います。しかしそれを決定するのは校長であり、学年の教員ではありません。また、学年を飛び越えていきなり校長に話をつけようとする保護者もいますが、むしろ逆効果で今後要注意保護者としてマークされます。教員への要望は言わないのが吉で、言わずともこの生徒とはうまくいっていないなという教員は自然と担任を外れるものです。学校もそれぐらいのことは把握しています。

いつまでに要望を伝えるべき?

クラス替えのタイミングは学校によって様々です。早い学校では3学期の終盤にはすでに決まっているところもあります。「春休み中に言えば大丈夫だろう」とは思ってはいけません。できれば2学期までに、遅くとも3学期の頭までには伝えておかないと反映しきれないと思った方が良いですね

どんなことがあったかを鮮明に伝えるためにも、記憶が新しいうちにできるだけ早く伝えるのがベストでしょう。

最後に

クラス替えの要望については、案外学校は素直に聞き入れてくれます。しかし、あまりにも要望が多いとクラス替え自体が難航してしまいますし、理不尽な要望だと要注意保護者としてマークされるということは知っておいた方が良いですね。とはいっても、お子さんが心身ともに安全に学校に通うために必要なことでしたら学校はしっかりと対応してくれますので、不安なことがあれば学校に伝えても良いでしょう。

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