不定期更新のお知らせ

【2023年度開設】関西圏の新設学部・学科まとめ【大学入試】

いよいよ大学入試もスタートしはじめましたね。今回は、関西圏(2府4県)の2023年度の大学新設学部や学科の情報をお伝えします。

大阪府の大学

大和大学【私立】:情報学部を新設

世の中のあらゆることがデータ化され、大量の情報に日々アクセスできる今、社会で求められているのは、
単なるデータ処理能力ではありません。
大量のデータから新しい価値を生みだす力やデータを基に様々な問題解決へとつなげていく総合的な能力を持った人材こそが求められているのです。
本学情報学部では、文理の枠を超えた幅広い学び、多彩な実学プログラム等を通じて、データサイエンス・経済経営に関する知識、視野とベンチャー精神を備えた即戦力人材を育てます。

またもや最近流行りの情報学部が新設されました。もとから理系学部にも力を入れてきた大学ですので、順当なところでしょう。「東の早慶、西の大和」という若干痛々しいキャッチコピーを使用していますが、かなり新しい大学でありながら勢いは感じられます。ただ、早慶と肩を並べるのはかなり難しく、現役高校教員の私から言わせてもらえれば摂神追桃以上、学部によっては産近甲龍に割って入れるぐらいの印象です。早慶どころか関関同立には遠く及ばず、産近甲龍を追い抜けるかというところですね。

摂南大学【私立】:現代社会学部を新設

現代社会は、未知にあふれている。しかし、未知があるからこそ、おもしろい。
未知に挑み、自分の答えを見つけ出せ。その時、輝かしい未来が見えてくるから。

文系学部と理系学部が満遍なくある総合大学感のある同大学において、社会学部がないのは意外なところでしたが、ついに新設されました。これで摂神追桃の4大学で社会学部が開設され、学生の奪い合いが始まります。文系学部しか設置していない追手門学院大学と桃山学院大学には向かい風になりそうです。

追手門学院大学【私立】:法学部を新設

幅広く深い教養および主体的な判断力と豊かな人間性を身につけ、法に関する専門知識および法知識の基礎となる基本事項並びに思考方法といった法的素養を有して、それらを社会のさまざまな場面に適用できる応用力をもって、社会のさまざまな分野で日常的に生じる法的な業務や諸問題を的確に処理することのできる職業人を育成します。

利益率の低い理系学部など作る気がないという確固たる意志があり、文系学部しか作らないことに定評のある追手門学院大学から、新たな文系学部が新設されました。法学部と言えば聞こえはいいですが、取得を目指す資格が「宅地建物取引士」と「行政書士」と、法曹を目指すというよりは職業寄りでインパクトに欠けます。

大阪成蹊大学【私立】:看護学部・データサイエンス学部を新設

超高齢社会の到来による看護師の不足。
各地域の医療ニーズに応えるための
地域包括ケアシステムと多職種連携の実現。
多様化・複雑化する医療ニーズに応えることができる
看護師が大いに求められています。

こうしたニーズに応えるべく、大阪成蹊大学は
患者や家族の不安に寄り添える
人間力のある看護師をめざす看護学部を開設します。

データサイエンスとは、社会にあふれる膨大なデータから有益な知見を見つけ出し、社会や組織に新しい価値を生み出すことをめざす学問。データやAI技術を使いこなして、よりよい暮らしや社会づくりに貢献できる人材=データサイエンティストは今、様々な領域で求められています。

今まで文系の学部と教育系の学部、芸術系の学部だけだった大阪成蹊大学ですが、ここにきて理系学部を2つも新設しました。新設は今後需要が高まるであろう看護系と情報系です。昨年度も国際看護学部を新設していましたので、かなり勢いがあり、攻勢をかけていますね。

関西外国語大学【私立】:国際共生学部を新設、外国語学部に英語デジタルコミュニケーション学科を新設

あなたが外国語や国際社会に興味を持ったきっかけはなんでしょうか。違う国の人と話してみたい。海外の文化にふれてみたい。将来は海外で働きたい。慣れ親しんだ環境から外にでて挑戦したい。国際共生学部は、それぞれの「きっかけ」の先にあるさらなる可能性を、海外の学生たちとともに学び、協働しながら探求する学部です。オールイングリッシュの環境で、留学生とプロジェクトを立ち上げ、実践を通して正解のない問いに向かい合い続ける。そうすれば、国際社会における自身の役割も見えてくるでしょう。一人では成し得なかったことも、チームで、コミュニティで力を合わせれば、想像もしなかった新しい価値を生み出すことができるかもしれません。50年以上にわたる国際教育の実績と世界中に広がる学びの場を最大限活用し、これからの国際社会で求められる人材を養成するべく、2023年4月、関西外国語大学は「国際共生学部」を新設します。

近年、国内の限られたマーケットだけに依存するのではなく、世界各国へ拠点を展開し、海外市場のシェア拡大を狙う企業がますます増えています。そこで求められるのは、地域や事業領域の広がりだけでなく、多様な文化や価値観の中で持続的な関係を築くこと。これから、メタバースやDX、Web3.0などさらにオンライン上のコミュニケーションが加速していく中、デジタルスキルはより不可欠なものになるでしょう。英語・デジタルコミュニケーション学科でめざすのは、次代の国際社会に必要なグローバル人材として「英語」と「デジタル」2つの実力を持つ、ハイブリッドな人材です。

元から外国語に特化した大学ではありましたが、さらに外国語系の学部と学科を新設しました。ただ、他の学部との住み分けが難しいところですね。一応、コミュニケーションや問題解決能力、留学生との共学、情報に力を入れるようではありますが、それってすでにある他の学部でもできるのでは…?という疑問はあります。

千里金蘭大学【私立】:教育学部・栄養学部を新設

教育学部では、子ども、保護者、教育・保育のプロフェッショナルと関わる機会を豊富に設け、小学校教諭、幼稚園教諭、保育士の資格・免許の取得をめざします。
「いのち・けんこう・そだち」を支える、視野の広い先生を養成します。

管理栄養士は、栄養関連の国家資格です。
食から健康や文化交流をサポートする管理栄養士の活躍フィールドはさらに広がっています。
栄養学部では、幅広い高度な専門知識と人間力を身につけ、社会の多様なシーンで活躍できる食と栄養と健康のスペシャリストを育てます。

生活科学部を募集停止にして、2つの学部を新設しました。元から生活科学部内に同様の学科があったので、学科を学部にした感じで、やれることには大きな差はないでしょう。また、教育学部は中高の免許を取得することはできないようですので、気を付けたいところです。最近は中高の免許が取れない系の教育学部が多くなってきましたね。

京都府の大学

龍谷大学【私立】:心理学部を新設

誰もが⾃分らしく⽣き、⽀え合える社会を実現するために。
⼈と⼈とのつながりを深く理解し、共に⾏動する⼈間を育む。
それが、⿓⾕⼤学⼼理学部がめざす教育のあり⽅です。

文学部臨床心理学科を募集停止にして、心理学部を新設しましたので、学科が学部になった感じです。それにしても、依然は心理学を文学部の中に入れていたのですね。結構無理やり感があったのを一般的な形にしたように感じます。募集人数もかなり多く、今年度は255人と大型の募集になります。

京都女子大学【私立】:データサイエンス学部を新設

社会のあらゆる場面に、ICTが浸透した今。

データ・AIを使いこなし、
新たな価値を引き出すデータサイエンスは、
この先の未来を切り拓く武器になる。

数字だけが主役ではない。
イシューを見極め、データの行間にある物語を読み解く。
その感性こそが、大きな鍵を握っているから。

ここから、あなたにしか導けない未来を。

はい、最近のトレンド情報系学部です。今まで京都女子大学は文系学部のみでしたが、理系っぽい学部が新設されましたね。理系っぽい学部を追加するには情報系学部はちょうどいいのでしょう。

京都橘大学【私立】:総合心理学部を新設

総合心理学科では、心理学の研究法や社会実践の基盤となる、データサイエンスの素養を全員が身につけます。そして、心理学の基礎的知識・技能を修得し、「臨床心理学」「社会・産業心理学」「発達・教育心理学」「行動・脳科学」「健康・福祉心理学」の幅広い5つの領域でそれぞれの専門性を深めます。また、1キャンパスだからこそのクロスオーバーな学びとPBLや社会連携などの実践的な学びで、新たな価値を生み出すための実践力や広い視野を養います。

健康科学部心理学科を募集停止にし、総合心理学部を新設していますので、もとからその下地はありました。学科を学部にした感じですね。ここでも紹介文に「データサイエンス」というワードを組み込み、昨今の情報ブームを取り入れようとしているのが伺えますね。

京都ノートルダム大学【私立】:社会情報学部を新設

社会のデジタルシフトによって技術革新が進む今、ITの専門知識と企画力を併せ持つIT人材が求められています。1990年代から情報教育を追及する京都ノートルダム女子大学では、2023年4月「社会情報課程」を開設予定。AIやICTを駆使して、各方面の専門家と連携しながら社会課題を解決できるクリエイティブな人材を育成していきます。

またもややって来ました、情報系学部の新設になります。社会学部+情報学部といった位置づけでしょうか。ただ入学定員はかなり少なく、20名となっています。人気が出れば募集人数を増やそうと、様子見感が伺えますね。

兵庫県の大学

大手前大学【私立】:経営学部を新設

変化が当たり前の時代を迎えています。
そのような時代に求められるのは常に自己変革できる人材です。
社会に出てからも成長を続け、変化の時代を生き抜く100年キャリアの土台を築く。
それが大手前大学の経営学部です。
本学部は学生一人ひとりの顔と名前が一致するほどの少人数教育を実現。
教員はすべての学生に向き合い、あなたの未来に寄り添います。
「手塩にかける」という言葉がふさわしい教育を通して、学生個々の自信と可能性を育んでいきます。

文系学部が薄かった大手前大学ですが、文系学部を強化してきました。学部は至ってシンプルな経営学部です。すでにこの学部は多くの大学で開設されている分野ですので、どうやって他大学から学生を奪えるのかがポイントですね。

兵庫大学【私立】:教育学部を新設

教育が大きく変わっていく時代だから。
先生になりたい、その想いを今こそ。

生涯福祉学部こども福祉学科募集停止にして、教育学部として新設しています。子ども福祉学科の流れを汲んでいるため、取得できる教員免許は小学校までで、中高の免許は取得できません。この手の学科を学部にしたけど取得できる教員免許にほとんど差がない大学は多いですよね。

武庫川女子大学【私立】:心理・社会福祉学部、社会情報学部を新設、健康スポーツ科学部にスポーツマネジメント学科を新設

一生を描ききる女性力を。

2023年4月 新学部・新学科 誕生。

かなり学部学科をいじってきたのが武庫川女子大学です。ただ新設に伴い、文学部の心理・社会福祉学科と生活環境学部の情報メディア学科を募集停止にしていますので、2つの学科を学部にして、新しく1つの学科を開設した感じですね。最近の流行をしっかりと汲み取り、心理系・社会系・情報系を抑えてきていますし、武庫川女子大らしいスポーツにも力を入れているのが特徴です。

滋賀県の大学

滋賀大学【国立】:経済学部の学科を改組

本学経済学部は“多様な専門分野”がある特色を活かして、複雑に高度化し変化の激しい現代社会で柔軟に対応できる創造的かつ革新的な人材を育成するため、新たに「総合経済学科」を設置します。

これまで滋賀大学の経済学部には様々な学科がありましたがそれを綺麗に改組しました。具体的には以下のような感じです。

改組前改組後
 経済学科
 ファイナンス学科
 企業経営学科
 会計情報学科
 社会システム学科
総合経済学科

散らばっていたものをまとめることにより、どの分野も学べます感をアップしました。大学入試の段階で方向性が決まっていなかった人にとっては柔軟に学べるようになりましたね。

奈良県の大学

天理大学【私立】:天理大学と天理医療大学が統合

同じ系列だった2つの大学が統合しました。学部は変更なく文学部・国際学部・体育学部・人間学部・医療学部の5つです。形としては天理大学側に吸収され、天理大学に医療学部が開設された感じですね。

和歌山県の大学

和歌山大学【国立】:社会インフォマティクス学環新設

「社会インフォマティクス学環」は、経済、産業、文化などの社会に対して、変革をもたらす情報技術により分析および把握を実践する人材の育成を目的とした文理融合型の教育課程です。

国立大学もなんだかよく分からない学部を新設してくる時代になりましたね。社会学部+情報学部と言った感じでしょうか。情報学部的な要素をプラスするのは最近のトレンドですね。情報学部は理系っぽさ出しつつも設備投資が抑えられる魔法の学部です。理学部や工学部だとかなりの費用が掛かりますが、情報学部だとそこまでかかりませんからね。

最後に

今年もトレンドは情報系ですね。この波はしばらく続きそうではありますが、純粋な情報系だとよほど大学のネームバリューがない限り競争に負けてしまいそうではありますので、何か他の分野と情報を混ぜるというのが流行りそうではあります。昨年度は大阪公立大学という超絶インパクトがありましたが、今年度は控えめな印象ではありますね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA