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防衛大学校1次合格を合格実績に加えている学校には気をつけろ!

この学校、国公立大学に結構合格してるわね。良い学校なのかしら?

んー。防衛大一次合格が結構な数含まれてますね。こういう学校は警戒した方が良いですよ。

えー!何でなんですか?

では今回は防衛大一次合格の闇についてご紹介します!

防衛大学校の試験事情

防衛大学校の試験は非常に特殊です。まずは防衛大学校の試験事情をご説明しましょう。

入学試験では無く採用試験

防衛大学校の試験は一般採用試験・推薦採用試験・総合選抜採用試験の3つがあり、人文・社会科学専攻と理工学専攻の2つの専攻からなります。そう、防衛大学校は入学試験では無く採用試験なのです。合格すると特別職国家公務員として採用されるのです。とは言っても辞退は可能です。

そのため、普通の国公立大学のように共通テストは不要なのです。そもそも、日程が共通テストより前です。しかも採用試験であり、入学試験ではないので受験料も不要です。さらには全国の都道府県で一次試験が行われますので、遠征の必要もありません。このような状況もあって、自衛官になる気もないのに、無料の模試的な感覚で受験する人がかなりの数います

試験は一次と二次の2回

試験は一次試験の筆記試験二次試験の口述試験・身体検査の2回行われ、それぞれで合格判定がされます。一次試験が学力、二次試験は自衛官として必要な資質について問われます。これが辞退を可能にしている理由ですね。一次試験だけ合格して、二次試験を受験しなければ二次試験は自動的に不合格になり、特別職国家公務員として採用されることもありません。

大多数は一次試験のみ受けて辞退する

悲しいことに模試的な使い方が横行しすぎて、合格者の大半が二次試験を辞退するという異常な光景です。防衛大学校側もそれは理解していて、一次試験の段階で「一次試験に合格したら、二次試験の希望日はありますか?」と聞くことが多いのですが、選択肢に「二次試験は辞退する」の項目まで用意されている始末です。ちなみに「辞退する」を選んでも、合格点があれば不合格にはなりません。防衛大学校としても気が変わって受験してくれないかなぁと微かな望みに期待しています。

防衛大学校の姿勢は健気でなりません。採点者が誰かは知りませんが、どうせ二次試験受けてくれないんだろうなぁと思っていながら採点していることでしょう。

一次合格率はかなり高い

二次試験に大量の辞退者が出るので、一次試験の合格者数は採用予定者数に対してかなり多くなっています。一次試験の倍率は2倍~3倍ほどですので、国公立大学の平均倍率が4倍強であることを考えると、倍率は低くなっています。

また、偏差値もそこまで高くありませんのでハードルは高くはありませんし、共通テストを必要としない分、試験科目は少なく、私立大学のように受験できます。

防衛大一次合格を合格実績に入れる学校

ではなぜ防衛大学校一次合格を合格実績に入れる学校があるのでしょうか。学校事情についてご説明しましょう。

合格実績をよく見せたい

どこの高校も少しでも合格実績を華やかにして、高校に入学してくれる生徒を増やそうと努力しています。その一つが国公立大学の合格実績で、その数は非常にステータスになります。「国公立大学◯人合格!」という宣伝文句が欲しいのです。

防衛大学校もその宣伝のために利用され、防衛大学校を国公立大学とカウントして、国公立大学の合格実績としてカウントしているのです。

そこまでして合格実績をよく見せようとする高校側の執念ですね。

そもそも防衛大学校って国公立大学何ですか?

厳密には文科省以外の省庁所管の学校ですので、国公立大学に入れるのは不適切なのかもしれませんね。

へーそうなんですね。

学校によっては私立学校の欄に防衛大学校を含めているところもありますので、そういう学校は非常に好感が持てます!

合格者数の水増しが容易

防衛大学校の試験は共通テスト前に行われ、国公立大学の入試とは別日程で設定されています。そのため、防衛大学校に合格したあと、国公立大学の前期・中期・後期を受験することが可能です。すなわち防衛大学校と国公立大学の2枚抜きも可能です。同じ生徒であっても、2つ合格すれば合格者数は2としてカウントできます。

学校としては国公立大学の合格実績を増やすチャンスを1回増やすことができますので、防衛大学校の受験には積極的です。

重要なのは「進学実績」

「合格実績」=「進学実績」ではありません。進学実績は1人の生徒に対して1つしか計上できませんが、合格実績とすると1人の生徒に対して複数計上できます。私立大学でしたら学科の併願制度と複数日程を利用すればかなりの数を稼げますし、国公立大学も防衛大学校と前期・中期・後期の4つまで1人の生徒で計上できます。

前期に本命のところを受験し、練習と称して防衛大学校を受験させ、学校のためにと中期・後期で確実に受かるような地方国公立大学を受験させる強欲ぶりです。

ハードにやっているんですね。

特に国公立中期と後期については、特待生に対して授業料を免除してるんだからと、前期を合格しても受験を強く促すことが多いですね。

上位の難関国公立大学でしたら合格数も意味があるのですが、「その大学に受かって本当に進学するの?」と言いたくなるような地方国公立大学まで入っているときは要警戒です。学校側から示される合格実績は水増しされているかもしれないという目で見ることも大切です。

最後に

防衛大学校は共通テストも不要で、私立大学のように受験することができ、それでいて合格率が高く、国公立大の合格実績を水増しすることが容易という、合格実績をよく見せたい高校側にとって非常に都合の良いものです。

学校選びをする側としてはこの水増しをしっかりと見破り、真に「進学実績」の良い学校を選ぶことが重要です。お子さんの将来のため、目先の数字だけに捉われず、判断力を鍛えていきましょう!

2 COMMENTS

山根

自分は防衛大学を目指している高校一年生です。他の所で調べてみると、防衛大学に受かるには、十分な学力が必要で受かるのは難しいと書いてあり、ここで書かれていることと反対なのですがどちらが本当なのですか?

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ぱぱてんてー

コメントありがとうございます。
はい、「十分な学力(=国公立大学に合格できるぐらいの学力)」は必要です。逆に言えば、国公立大学に入学できるような学力がある受験生からすれば、一次試験ならそう難易度が高いわけではありませんよ。
この記事の趣旨は「防衛大学校を目指すような生徒がいないのにも関わらず、国公立大学の合格実績に防衛大学校一次合格を加えているような学校の進学実績は信用なりませんよ。」という内容で書かせていただきました。1人で国公立大学の合格実績を水増しできるのが防衛大学校です。

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