今年も教員採用試験の結果が出そろいましたね。大阪府内では大阪府・大阪市・堺市・豊能地区の4つの自治体で教員採用試験が行われています。今回はその結果を比較していきたいと思います。どの自治体を受験しようか悩んでいる方の参考になればと思います。
それぞれの教員採用試験の結果
まず、考察元となるデータのリンクを掲載しておきますね。
校種別の結果
小学校
大阪府 | 大阪市 | 堺市 | 豊能地区 | |
志願者数 | 1,760 | 1,328 | 376 | 408 |
受験者数 | 1,574 | 1,144 | 304 | 337 |
合格者数 | 470 | 388 | 66 | 92 |
倍率 | 3.3 | 2.9 | 4.6 | 3.7 |
倍率が最も低いのが大阪市で、倍率が最も高いのが堺市という結果になりました。昨年度からどう変わったのかを見ていきましょう。
大阪府 | 大阪市 | 堺市 | 豊能地区 | |
昨年度採用予定数 | 500 | 400 | 60 | 100 |
今年度採用予定数 | 500 | 440 | 60 | 90 |
昨年度受験者数 | 1,706 | 1,194 | 353 | 369 |
今年度受験者数 | 1,574 | 1,144 | 304 | 337 |
大阪市のみ採用予定数が増えましたね。しかし、受験者数は伸びず、大阪府の4自治体すべてで受験者数減となりました。教員の不人気時代に突入した感があります。
注意点としては、大阪市の倍率は去年から上がったということです。昨年度から採用予定数が増えて、受験者数が減ったのに、何を言っているんだと思われるかもしれませんが昨年度の倍率は2.6倍で今年度は2.9倍です。このカラクリは昨年度400人の採用予定数に対して455人も採用して、今年度は440人の採用予定数に対して388人しか採用しなかったからです。こういうことが起こりえるというのは覚えておきましょう。
例年の倍率と比較ですと、大阪市・堺市・豊能地区が例年並み、大阪府がやや低いといえるでしょう。今後も受験者数はあまり増えそうではないので、そこまで高い倍率にはならなさそうです。(少子化に伴い、採用を絞られるまで)
中学校
大阪府 | 大阪市 | 堺市 | 豊能地区 | |
志願者数 | 1,792 | 1,252 | 393 | 373 |
受験者数 | 1,611 | 1,029 | 305 | 276 |
合格者数 | 371 | 233 | 52 | 39 |
倍率 | 4.3 | 4.4 | 5.9 | 7.1 |
豊能地区の人気が光りますね。これでも例年並みというのがすごいところです。まぁ豊能地区は比較的落ち着いている中学校が多いので、そういうところで指導したいという気持ちも分からなくはないですが。
では、昨年度と比較していきましょう。
大阪府 | 大阪市 | 堺市 | 豊能地区 | |
昨年度採用予定数 | 410 | 230 | 40 | 40 |
今年度採用予定数 | 410 | 210 | 50 | 40 |
昨年度受験者数 | 1,756 | 1,003 | 321 | 294 |
今年度受験者数 | 1,611 | 1,029 | 305 | 276 |
大阪市が採用予定数減で堺市が採用予定数増でしたが、受験者数は大阪市のみ微増となりました。大阪市では倍率が3.1倍→4.4倍と若干上がりましたね。それでも過去と比較するとまだ低いほうです。去年の3.1倍は過去に類を見ない低倍率でした。それの反動もありますね。
徐々に倍率を下げていっているのが大阪府です。ついに4倍台に突入してしまいました。倍率が4倍台になるのは、支援学校と一緒に採用していた暗黒時代以来です。(中学校で採用されたのに支援学校に行かされるという時代がH29年度採用試験まで行われていました。しかも、中学校は市の教育委員会、支援学校は府の教育委員会ですので、異動は困難です。採用されたら最後、支援学校から脱出する術はほとんどありませんでした。今では中学校で採用されれば中学校で働けます。)
中学校は部活動を中心にブラックすぎるというはの有名な話で、なり手が少なくなってきていますね。ここを改善しない限り倍率はどんどん低下していくことでしょう。まぁそれを上回るスピードで少子化が進み、採用数が減っていくかもしれませんが。
高等学校
大阪府 | 大阪市 | 堺市 | 豊能地区 | |
志願者数 | 1,969 | ― | ― | ― |
受験者数 | 1,689 | ― | ― | ― |
合格者数 | 337 | ― | ― | ― |
倍率 | 5.0 | ― | ― | ― |
大阪市は今年度から高校の募集を大阪府の方へ一本化しましたので、募集はありません。豊能地区は元から高校がありません。堺市は今年度は高校の募集がありませんでした。規模が小さく、学校数が少ないとこのようなことがよくあるので、堺市の高校志願者は一旦、大阪府を受験して大阪府の教員として働きながら募集があれば受験することを勧めます。
今年度は大阪府のみですね。採用予定者数は前年度(令和3年度)が210名だったのが今年度(令和4年度)は330人に大幅増加しました。それなのに受験者数は全く増えず1,686人→1,689人で、合格者数が205人→337人としっかり採用したので、倍率は5.0倍となりました。近年稀にみるボーナスステージでしたね。こんなに倍率が低くなったのは、支援学校と同時募集していた暗黒時代以来です。
これは来年反動がありそうですね。まぁ反動があったとしても例年並みかそれ以下で推移しそうな感じはありますが。
最後に
今回は大阪府の4自治体の公立教員採用試験を比較していきました。同じ大阪の自治体ですが少しずつ違いがありますね。意外な穴場が見つかったかもしれません。
今後、それぞれの自治体の傾向と対策をまとめていきたいと思いますので、詳細はそちらの方をお待ちいただければと思います。