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公立と私立のメリット・デメリット(教員の働き方編)

教員志望の大学生です!公立と私立どっちの教員になるか迷ってるんですけど、どっちがいいですか?

それは甲乙つけがたい質問ですね。どちらにもメリット・デメリットはありますので。

どんな違いがあるのか教えてください!

では、今回は大阪府の公立と私立の教員の働き方に関するメリットとデメリットを紹介しましょう!

公立のメリット

終身雇用かつ安定した給料

公務員ですので、そうそう職を失うことはありません。学校が閉校になったとしても、違う公立学校へ行けますので、安心して働けます。さらに毎年、少しずつですが確実に昇給していきます。ただ、校長になってやっと年収1000万です。大多数の教員はそこに到達することはありません。これをどう見るかは個人によって分かれるところでしょう。ちなみに、こんなのが公開されていますのでご参考に。

大阪府職員のモデル年収額(令和2年4月1日現在)

安定して働き続けることができるのは魅力ですね。

高校入試や生徒募集はそれほど大変ではない

公立高校では営業がないわけではありませんが、私立に比べて圧倒的に楽です。定員割れしても私立のように経営が悪化するわけでもありませんのでストレスフリー。高校の入試業務も丸付けのみですので、作問する必要はありません。公立中学校に限っては営業も入試も全くありませんので、私立中学校のように入試シーズンでもそれほど忙しくなりません

私が公立高校に勤務していたとき、自宅の近隣3つの中学校に生徒募集の営業に行っていました。数が少ないので、そこまで苦ではありません。

公立のデメリット

異動がある

公立には異動があります。特に経験年数の浅いうちは仕事でのミスなどがよくありますので、心機一転したくもなり、人間関係をリセットできるというメリットもありますが、長期で大きなことを成し遂げるには不向きです。

あと、マイホーム探しにも困ります。異動前提なので、住む場所はどこの学校に配属されてもいいような場所にするか、割り切って自分の好きなところに住む人が多いです。ただ、ある程度希望は聞いてもらえますし、小中学校は市立なので原則同じ市内での異動です。市内に様々な路線があり、それが交わっていないと電車通勤だと時間がかかるので、車を使う必要があります。

ちなみに、今は解消されていますが、昔は脱出不可能な任用がありました。中学を希望して採用試験に合格したが、初任校が支援学校だった。そのうち一般校に異動できると思っていたが、無理だと知らされた。中学校は市立で支援学校は府立。この垣根を越えることができないので、希望していないのに支援学校に取り残された中堅教員が多数いるというもの。今は解消されているらしいので、これから受験する方は安心してくださいね。

そんな時代があったんですね。希望していないのに…。教育委員会も無茶苦茶なことやっていたんですね。

私立のメリット

公立より給料がいい可能性が高い(専任になれれば)

公立では校長になってようやく年収1000万を越えるところを、一部の私立では一般教員でも早々に1000万の大台に突入しますただし、公立のように年収を公開していませんので、募集要項から推測したり、現役の教員から聞く必要があります。ただ、募集が安定して生徒数が多いマンモス校は給料もいい傾向にあります

しかし、これは専任になれればの話です。常勤講師では30歳ぐらいで頭打ちに合い、それ以上増えません。公立と違い、私立学校では常勤講師の率が高い学校が高いので、専任になるのにはかなり苦労します。

でも、1000万越えはかなり魅力があります!

転勤がない

学校法人が複数の学校を持っている場合、系列校間での異動がある学校もあります。しかし、原則1つの学校に在籍し続けることができますので、長期的に大きなことを成し遂げやすい環境にあります。それに住む場所もしっかり腰を据えて決めれるので、マイホーム探しは捗ります。

毎日、10分弱の自転車通勤をしている先生もいて羨ましいです。

ホワイト私学が存在する

なぜか仕事がほとんどないホワイト私学が存在しますそして、そんなホワイト私学に限って給料もいいんです。これを経験してしまうと公立には戻れません。これこそが私学に勤務する最大の醍醐味だと私は思っています

私も現在ホワイト私学に勤めていますが、本当に時間に余裕があるんです。定時帰宅なんか余裕です。というか、定時前帰宅するときもあります。

設備が整っていて綺麗で快適

私立学校は公立と差をつけるべく、設備面で公立と差をつけようとします。なぜならそれが目に見えて分かりやすく、生徒に直接アピールしやすいからです。どれだけ教育の良さをアピールしても生徒にはあまり響きませんし、体感できません。それに比べて施設というのは見たら分かりますので、生徒にも分かりやすいです。

その際たる例がトイレや空調です。私立学校のトイレはかなり綺麗で、学校によっては温水やウォシュレットまでついています。さらには、体育館にも空調がついていて夏の暑いシーズンでも快適に練習をすることができますし、熱中症の面からも安心感があります。そしてこの恩恵は生徒だけでなく教員も受けることができるのです。

働く上で大切なことは、気持ちよく仕事ができる環境です。その環境が整いやすい私立学校は、教員にとっても魅力的です。

公立はクーラーが効いていないから、元から公立の教員になる気はなかったという先生もいます。あと、夏場は私立に練習試合に行きたがる公立学校が増えますね。

私立のデメリット

公立より給料が低いことがある(専任でも)

さっき、給料が高いって言ってませんでした?

経営が苦しいところは公立より給料が悪い傾向にあります見分け方としては、生徒の募集定員が少なかったり、定員割れしていたり、浪費癖のある学校です。こういう学校は他にもデメリットがありますので、早く他の学校に映った方がいいと思います。

転勤がない

メリットでもあり、デメリットでもあります。特に人間関係のトラブルや、やらかしてしまったときにリセットできません。人間関係が拗れた状態で働き続けるというのは、結構なストレスになります。こうならないように、私立教員は特に衝動的にならず、落ち着いて行動・判断することが大切です。日々、安全運行です!

ブラック私学も存在する

やってもやっても、仕事が終わらないブラック私学も存在します定時からが勝負。(すなわち、生徒が帰ってからが勝負。)会議やら謎の資料作成やら研修やらと常時何かをやっています。ブラック私学でも高給な学校があるのは知っていますが、それは例外中の例外。ほとんどのブラック私学は給料面でもブラックです。これが最大のデメリットですので、何としてでも回避しましょう!

ホワイト私学の情報は出回りにくいのに、ブラック私学の情報は結構出回ります。なぜなら、ホワイト私学からは人が流出しないが、ブラック私学からは人が大勢流出し、その情報を拡散するからです。採用試験を受けようと思う学校について、相談することをおすすめします。

ホワイト私学とブラック私学

生徒募集が激務

営業から作問、採点まで行います。さらには説明会とオープンスクール。複数回入試の日程があれば作問と採点は増えます。中高一貫校でしたら、さらに2倍です!入試シーズンは本当に忙しいですので、覚悟が必要です

個人的には赤本に自分の問題が載って出版されるのは嬉しいものです!しかも数年間は残り続けるので、本屋で赤本を手に取ると、あたかも自分の本が出版されたかのような感動があります。

あと、営業の負担も大きいです。

えっ!?教員も営業があるんですか!?

ええ、本業の授業や部活動の合間に外回り営業を行います。公立高校でも少しあるんですが、私立の場合は結構ハードにやります。

中学校回りだけでなく、塾回りまですることも。さらには学校内で複数回オープンスクールなどのイベントを多発させます。見るだけのオープンスクールならそこまで負担ではないのですが、参加型のイベントは準備が必要なのでかなりの負担です。それでいて本業の授業もしますので、本業の時間を削って募集をするという本末転倒な状態の学校もあります

最後に

私立のとき紹介したホワイト私学とブラック私学については上記リンクの記事もご参考にしてください。本当に天と地の差があるので、私立の教員になるときはブラック私学を見抜き、ホワイト私学で働けるようにしたいですね!それぞれをランク付けするなら下の表みたいな感じですね。

公立とホワイト私学・ブラック私学の差

給料: ホワイト私学 >>(年収1000万の壁)> 公立 ≧ ブラック私学

業務量: ブラック私学 >> 公立 ≧(定時帰宅の壁)>> ホワイト私学

公立は良くも悪くも普通です。みんなが思い描く教員像もこれだと思います。公立・私立ともにメリット・デメリットがありますので、どのような教員生活を送りたいかという視点で選んでもらえればと思います。次回、公立と私立のメリット・デメリット(採用試験編)を予定していますので、そちらも参考にしていただければと思います。

公立と私立のメリット・デメリット(教員採用試験編)

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