私立学校の教員採用試験では、年齢制限を設けているものがありますが、意外と高齢でも受験することは可能です。しかし、他の受験者と比べて有利不利が気になるところです。今回は年齢による有利不利をご紹介します!
結論:不利ではあるが、無理ではない
先に結論から申しますと、高齢の受験者は確かに不利です。しかし、不利だからと言って門前払いされるわけではなく、その不利を打ち破って採用を勝ち取ることは可能です。
衰えはマイナスだが、元気なのは若者以上にプラス
高齢になると確かに体力は衰えてきて、若いときのように体や頭がついていかないこともあるでしょう。しかし、それを採用試験のときに見せてはいけません。経験が他の受験者よりも上回っていて、学力的に上であっても、若者と比較してイキイキとしていないと、そのリードも逆転されてしまいます。例え本当に衰えていたとしても、その衰えを見せないようにまだまだ現役であることをアピールしましょう。
アピール方法は容姿、姿勢、動き、そして会話のトーンと様々です。日ごろから運動をしていて、体力がある方はそれが容姿、姿勢、動きに現れてくることでしょう。しかし、全ての方がそうではないと思います。場合によっては化粧(肌の色が良くなるクリーム)なんかも有効です。私はまだ30代ですが、今のうちから肌のケアは気にしていますし、例え面接の日、一度だけであっても肌のトーンを整えるクリームを使用するとしわが目立ちにくく、肌の色も良くなるので若々しく見えます。もちろん髪型にも注意が必要で、散髪をして臨むのが良いですね。ぼさぼさの髪の毛だと、元気のない印象を与えてしまいます。服装も同様で、高級なスーツなんて必要ないので、綺麗めな恰好で臨むと年齢より若く見えます。
面接のときだけでなく、筆記試験のときの姿勢も割とみられています。筆記試験では流石に姿勢の悪さがマイナスに響くことはありませんが、筆記試験のときから姿勢が良いと、この人はなんて元気なんだと好印象です。面接のときの姿勢もそうですが、若者は姿勢が良いのが普通なので特に印象を大きく左右するものではありませんが、高齢受験者の姿勢が良いと結構好印象を与えます。ぜひとも見られている瞬間は姿勢を正して頑張りたいものです。
また、面接の前後での歩き方でもアピールは可能です。この点も若者には無いアピールポイントです。足腰の衰えを感じさせないような軽快な動きで歩くだけでこの人はまだまだ現役で頑張れるなぁという印象を与えます。
話し方も重要です。落ち着きのある話し方も好印象ですが、小さな声でハリがないと元気のなさを感じてしまいます。また、実際授業を担当したとして、教室の端まで綺麗に届くような声でなければなりません。そういうことを考えると、若者に負けないようなハリのある大きくハッキリと聞こえる声で面接の受け答えをすることが重要になります。高齢受験者のハンデは年齢からくる衰えですが、その衰えさえ感じさせなければ何のハンデもなく、むしろ経験値を活かして他の受験者からリードすることができます。
高齢でも謙虚さは大事
高齢受験者で陥ってしまいがちなのは、謙虚さを忘れてしまうことです。高齢であるということはそれだけ経験が豊富なのでしょう。しかし、その経験から謙虚さがなくなってしまい「どうだいこの経歴、採用したいだろ?」というオーラを出されてしまうと一緒に働きたくないと採用担当者に思わせてしまいます。
大事なのは、輝かしい経歴があったとしても「まだまだ活躍したい!もっと学びたい!」という謙虚さです。そのような高齢でも謙虚な方というのは、まだまだ期待したい面も大きいので採用に繋がりやすくなります。特に教育現場は新しいことがたくさん入ってきていて、教えることも多様化しています。特に情報機器の操作は社会のニーズがあり、それらを学校で使うことが求められています。それらが得意であればいいですが、苦手な場合、「それはちょっと…」となってしまうのではなく、「得意ではないですが、興味はあります!勉強して、授業で活用できるようにしたいと思います!」ぐらい言ってもらえると、まだまだ頑張ってくれそうだと好印象です。
勤務条件でも衰えを理由にしない
非常勤講師での応募の場合、勤務条件の確認もされます。例えば「何コマぐらいをご希望ですか?」「朝からの勤務は可能ですか?」などの質問があるでしょう。例え本当に体力的にきつくてそんなにコマ数が入れなかったり、朝がきつくて1.2時間目は…という場合(遠方なので…は可)であっても、体力の衰えを原因にするとあまりいい印象を与えません。
もちろんコマ数はそこまで多くなくても良い、朝に授業を入れるのはやめて欲しいといった要望を伝えることはできますし、むしろ採用後納得して働くために伝えるべきではありますが、「体力的に…」ということは極力言わない方が良いでしょう。面接官もそこまで突っ込んで聞くことはあまりありません。
専任はそもそも募集はない
残念ながら、正規雇用である専任教諭を募集する場合、年齢制限がかなり厳しくなっていることがほとんどです。専任教諭はその学校に長くいてもらうことを前提としていますので、定年等で長く務めることができない高齢受験者はそもそも募集の対象外です。表向きには年齢制限を設定していない学校であっても、書類選考の段階で弾くことは多々あります。
高齢受験者の場合は、非常勤講師が中心で、あっても常勤講師というふうに思っておいた方が良いでしょう。高齢で正規雇用を目指すのであれば公立学校の方がまだ望みはあるでしょう。50代の新任教諭なんていうのも最近では珍しくなくなってきました。それでも60台は流石に公立であっても、教諭としてはお断りというところがほとんどです。
最後に
例え高齢であっても、ノーチャンスという訳ではありません。また、最近の教員不足もあって、どこの学校も人手不足で頭を抱えていますので、以前よりチャンスが増えてきた印象です。とはいえ、採用試験受験者が多く集まるような人気学校の場合、競合することになりますので衰えを見せずに臨みたいところですね。